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メルセデス・ベンツのGLAとGLBを比較インプレッション! コンパクトSUVのベストバイはどちらか?【後編】

掲載 更新 10
メルセデス・ベンツのGLAとGLBを比較インプレッション! コンパクトSUVのベストバイはどちらか?【後編】

Mercedes-Benz GLA × GLB

メルセデス・ベンツ GLA × GLB

メルセデス・ベンツのGLAとGLBを比較インプレッション! コンパクトSUVのベストバイはどちらか?【前編】

走らせた印象は明確に異なる2台のコンパクトSUV

GLAの試乗車は235/50R19インチサイズのブリヂストンTURANZA T005 を装着していた。欧州で開発、製造された操縦安定性とウェット路面での制動性能の両立を実現したものというが、走り出してすぐに気づくのがハッチバックのAクラスと比べての乗り心地のよさ、そして静粛性の高さだ。オフロード走行に対応するためのボディ補強と、リヤサスがマルチリンク化されていることも功を奏している。

重心の高さはAクラスとGLクラスの中間にあるGLA

ステアリングフィールは、いかにもメルセデスらしく正確で軽快なもの。重心の高さはAクラスとGLBのちょうど中間にあって、程よいロール感を伴いながらコーナーを曲がっていく。また視界も広く着座位置は先代比で97mm高くなっており、目線の高さも高すぎず低すぎずで市街地でも扱いやすい。

経済的なディーゼルエンジンと8速ATを組み合わせる

電子制御式多板クラッチを備えた4MATICの前後トルク配分比は、ドライブモード「ECO/コンフォート」で80:20、「スポーツ」では70:30となる。またオフロードモードを標準装備している。ADASは、自動再発進機能付きのACCや自動で車線変更するアクティブレーンチェンジアシストなど、Sクラス譲りの十数種類の機能を搭載する。このあたりはGLAとGLBは共通の仕様だ。

GLBはボディの大きさや重さを忘れさせる加速性能を発揮

一方、GLBの2.0リッター直列4気筒ターボ「M260」ユニットは、エンジン内部の摩擦低減対策として、特許取得の「CONICSHAPE加工」を施したとうたうだけあって、軽く吹け上がる。高速道路でもボディの大きさ、重さを忘れさせるに十分な加速性能をみせた。ドライブモードは通常はコンフォートモードで、子供を送り終えた帰路などひとり楽しむ際にはスポーツモードを選ぶといい。

GLAよりは重心が高いこともあり、コンフォートモードはそれなりにロールを伴うがGLB250は電子制御ダンパーを装備しており、これがいい仕事をする。スポーツモードではメリハリの効いた足と切れ味のいいトランスミッションさばきが体感できる。足元には235/45R20インチサイズのブリヂストン製ALENZAを装着していた。オンロードでの運動性能を重視したSUV専用タイヤだが、それをしっかりと履きこなしていた。

8割以上の人には不要なほどの卓越した悪路走破性能を備える

GLB250は、GLAと同様に“オフロードエンジニアリングパッケージ”を標準装備しているが、以前、海外試乗会でその性能の一端を試す機会があった。ドライブモードで“Off Road”を選択し、特設コースの入り口に設けられた先の見えない急勾配の下り坂をフロントカメラを通して映し出されたセンターディスプレイの映像を頼りに進む。覚悟を決めてブレーキペダルから足を離せば、DSR(ダウンヒルスピードレギュレーション)があらかじめ設定した2~18km/hの速度でジリジリと坂をくだっていく。

大きなコブを乗り越える際に一輪が完全に地面から浮いてしまうような場面でも、ボディはミシリとも言わない。傾斜角30度を超える斜面もなんなくクリアしていく。オフロードモードでは、クラッチがセンターディファレンシャルロックのように働き、トルク配分は50:50に、ABSも専用セッティングとなる。FFベースの4MATICだよねと少しばかりあなどっていたら、本当に驚かされた。思わず開発者にGLBにこれほどのオフロード性能は必要なのか? と尋ねてしまったくらいだ。彼も「8割以上の人には必要ないだろうね」と笑っていたが。

しっかり棲み分けがされているGLAとGLB

今回はGLAとGLBで悩む人が多いのではないか、という想定のもとに比較試乗してみたが、実際のところはしっかりと棲み分けがなされている印象だ。特にブランニューモデルのGLBに関しては、メルセデスSUVにおいてもっともコンパクトな3列シート7人乗り仕様ということもあって指名買いをする人が多いという。

端的にいえば、クーペのようなスタイリング重視で、走りの軽快さを求めるならGLAを、ちょっと無骨なデザインのほうが好みであるとか、3列目シートは必須という人は必然的にGLBをということになる。

ベースモデルの価格差は194万円

そして気になるのは価格だが、GLA 200 d 4MATICは、車両価格502万円、これに試乗車はナビゲーションパッケージやAMGライン、AMGレザーエクスクルーシブパッケージ、アドバンスドパッケージがついて約585万円也。

一方GLB 250 4MATICスポーツは、ナビゲーションパッケージやAMGラインを標準装備して車両価格696万円也。FFのGLB 200 dは512万円となっている。前者は一見すると高価に見えるが、ほぼオプションの必要のないフル装備になっているという意味では納得感のある設定といえるかもしれない。

新型GLAはもはやAクラスベースとは思えないほど、明らかに1クラスの上のモデルになった。そしてGLBはメルセデスらしい作り込みによって、新たなコンパクトプレミアムSUVを創出している。結論としてどちらを選ぶのかと問われれば、とても悩ましい。今のところ日本仕様には設定がないのだけれど、街乗りを重視したFFの廉価版や、もしくは電子制御サスペンションを搭載したGLAにもぜひ乗ってみたい。また海外でひと足先に試乗したGLB A35 AMG出来のよさも印象的だった。日本にやってくる頃にはどのように進化しているのか、そちらも大いに楽しみだ。

REPORT/藤野太一 (Taichi FUJINO)

PHOTO/服部真哉(Shinya HATTORI)

【SPECIFICATIONS】

メルセデス・ベンツ GLA 200 d 4MATIC

ボディサイズ:全長4415 全幅1835 全高1620mm

ホイールベース:2730mm

車両重量:1710kg

エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ

総排気量:1949cc

ボア×ストローク:82.0×92.3mm

最高出力:110kW(150ps)/3400-4400rpm

最大トルク:320Nm/1400-3200rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:4WD

タイヤサイズ:前後235/55R18

車両本体価格(税込):502万円

メルセデス・ベンツ GLB 250 4MATIC スポーツ

ボディサイズ:全長4650 全幅1845 全高1700mm

ホイールベース:2830mm

車両重量:1760kg

エンジン:直列4気筒DOHCターボ

総排気量:1991cc

ボア×ストローク:83.0×92.0mm

最高出力:165kW(224ps)/5500rpm

最大トルク:350Nm/1800-4000rpm

トランスミッション:8速AT

駆動方式:4WD

タイヤサイズ:前後235/45R20

車両本体価格(税込):696万円

【問い合わせ先】

メルセデス・コール

TEL 0120-190-610

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みんなのコメント

10件
  • 目糞鼻糞どっちも嫌です
  • GLBはメキシコ製で、右ハンドルも日本向けにも、確実に捌ける数での割り当て枠がキッチリ、グレード展開・トリムライン選択も限定。
    生産コストからオペレーションコストまでギリギリ抑えて、高く売るモデル。

    ベンツマーク代だけで200万円くらい払って平気な人、何も知らないし考えないで幸せな情弱な人はどーぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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