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【プジョー3008@JAIA輸入車試乗会】“アバンギャルド”を体現した、オシャレ上級者のためのミドルサイズクロスオーバーSUV

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【プジョー3008@JAIA輸入車試乗会】“アバンギャルド”を体現した、オシャレ上級者のためのミドルサイズクロスオーバーSUV

毎年恒例となっているJAIA(日本自動車輸入組合)の「輸入車試乗会」が、今年も神奈川県西部にある大磯プリンスホテルで開催された。今回はイギリス、フランス、ドイツ、スウェーデン、アメリカのSUV計7台をはじめ、最新の輸入車総計10台を一挙に試乗。いずれもホテル敷地内での撮影と、近隣の一般道および自動車専用道路の西湘バイパスでの試乗を合わせて各45分間という短い時間ではあったものの、各車のお国柄とブランドの個性を明確に感じ取ることができた。

車名の真ん中が“00”の、プジョーにおけるユーティリティ系モデルは、一世代前のものはすべてミニバンで構成されていたが、2014年に日本導入された現行2008以降はSUVに転換。2016年にマイナーチェンジされた2008でその方針を明確に打ち出し、以後フルモデルチェンジされ日本には2017年に発売されたこの新型3008と、別途ご紹介する新型5008はミニバンからSUVへと生まれ変わっている。

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そうした背景を持ってCセグメントのクロスオーバーSUVへと生まれ変わった3008のエクステリアは、マイナーチェンジ後の2008を踏襲したもので、かつてフランス車の中では“コンサバティブ”の代名詞だったプジョーのものとは思えないほど前衛的。

小径ステアリング、ヘッドアップインストルメントパネル、大型タッチスクリーンで構成されるプジョー独自の「i-Cockpit」は新型3008でさらに先鋭化され、操縦桿のような形状のシフトレバーともども、戦闘機を彷彿とさせるドライバーを取り囲んだスタイルとなった。

しかもステアリングはフォーミュラカーのような六角形で、ヘッドアップインストルメントパネルに表示されるタコメーターは右側が0rpmの反時計回りとされているなど、少なからず慣れを要するのは事実。

だが一度慣れてしまえば、そのスポーツカー顔負けのレスポンスと操舵角の少なさを可能にしたステアリングと、最小限の視線移動で済むメーターが、一般的なクルマよりもむしろドライバーにとってムダな動きが少なく安楽な設計だということに気付かされる。

ドライバーを取り囲む形状のインパネも、デザインを優先しすぎと思いきや、スイッチ類がすべて腕を伸ばすだけで届く範囲内にあり、かつカップホルダーや小物置き場も充分以上に確保されているなど、こちらも見た目に反し合理的に設計されているのだ。

今回試乗したのは165ps・240Nmを発する1.6L直4直噴ガソリンターボエンジン+6速ATを搭載した上級グレード「GTライン」だが、当たりはソフトながらコシがあるフランス車らしい乗り心地とシートは健在。

一方、1500kgの車重に対しエンジン性能は必要充分ながら、町中をゆっくり流している時でさえ高回転まで引っ張りたがり、逆に減速しシフトダウンした際は大きめのショックを伴う6速ATの変速マナーには、悪い意味でのフランス車らしさも健在と感じさせられた。

短時間ながら試乗を終えた直後の印象を一言で言えば、「“アバンギャルド”を体現した、オシャレ上級者のためのミドルサイズクロスオーバーSUV」。“アバンギャルド”という言葉を生んだフランスから産まれたこの3008の設計思想を理解するのは、“アバンギャルド”の語源となった前衛芸術を理解するのと同程度に、一般ユーザーには難しいことのように感じられる。

だが、ひとたびツボにはまってしまえば、またこのクルマを“着こなす”センスの持ち主にとっては、これほど魅力的に映るクロスオーバーSUVもそう多くはないだろう。

【Specifications】
<プジョー3008 GTライン(FF・6AT)>
全長×全幅×全高:4450×1840×1630mm ホイールベース:2675mm 車両重量:1500kg エンジン形式:直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボ 排気量:1598cc ボア×ストローク:77.0×85.8mm 圧縮比:10.2 最高出力:121kW(165ps)/6000rpm 最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1400-3500rpm JC08モード燃費:14.5km/L 価格:3,990,000円

文:MotorFan 遠藤正賢
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