レクサス、すっかり高級車の代名詞になった印象
text:Kenji Momota(桃田健史)
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やっと、日本でも「レクサス=高級車」という意識が一般に定着した。そんな印象がある。
レクサスが誕生したの、いま(2020年)から31年前となる1989年。日本車でありながらアメリカで先行発売となった。
母国日本に凱旋したのは、生誕から16年後の2005年だ。
なぜ、これほど日本上陸が遅れたのか?
いや、そもそも、レクサスは日本での発売を念頭に計画されたブランドだったのだろうか?
様々な疑問があるなか、レクサスは日本でもアメリカと同じく、モデルのフルラインナップ化が進んでいる。
直近では、2018年にSUVのエントリーモデルとして新作UXを導入した。UXの開発チームとじっくり意見交換したが、「アメリカありき」とか「中国重視」、さらには「日本市場は後付け」といった仕向け地に序列をつけるような意識はまったく感じなかった。
UXに見られるように、近年のレクサスはクルマという枠組みを超えた、グローバルなブランドとして仕向け各地で認識されている。
ユーザーにとって「レクサスは、レクサスという高級ブランド」という意識を持っている。
別の見方をすると、トヨタの母国であり、乗用車市場の約半分をトヨタが占める日本において、「レクサスは、たんなるトヨタの上級モデル」というユーザーの意識を変えることはとても難しかった……、といえる。
では、レクサスはどうして日本ではなく、アメリカで立ち上がったのか?
「ホンダ、北米でちょっと変わった新戦略」
では、レクサスはどうして日本ではなく、アメリカで立ち上がったのか?
レクサス誕生に関わったアメリカ人関係者らから、筆者(桃田健史)が直接聞き取りをした情報を基に、ここからの話を進める。
1980年中盤「ホンダがアメリカでちょっと変わった新しい戦略を計画しているようだ」との情報がトヨタに入る。
当時、トヨタとホンダの北米営業本部は、カリフォルニア州ロサンゼルス郊外のトーランス市にあった。現在、トヨタはテキサス州ダラス郊外のプレーノに拠点を移しているが、ホンダはトーランスでのオペレーションを継続している。
また、トーランスの北側の隣、ガーディナには日産の北米営業本部があったが、テネシー州ナッシュビルに移転している。
トーランスやガーディナは、もともと日系人が多いエリアでもあり、トヨタ、ホンダ、日産の社員を顧客に持つ日本食料理店や日本食料品店が多かった。
日本からの駐在員やアメリカ現地採用のアメリカ人はメーカーの枠を超えて、プライベートな付き合いも多く、その中でライバルの情報が漏れていしまうこともあったと考えられる。
実は、筆者はトーランスの南側の隣、レドンドビーチに居住していたので、こうしたトーランス界隈の日系企業の実態に詳しい。
トヨタ関係者が耳にした「ホンダの新戦略」とはなにか……。
アメリカ人幹部らがトヨタ本社を口説いた
「ホンダの新戦略」とは、アキュラのことだ。
トヨタの北米営業本部のアメリカ人幹部らは、アキュラを念頭に、「この際、トヨタとしても高級車の新ディーラー網を作るべきだ」と、トヨタ本社に提案した。
当時の協議に参加したアメリカ人関係者は「この件で何度も日本に行ったが、話はそう簡単には前に進まなかった」という苦悩した日々を振り返った。
辛抱強く交渉を続けるうちに、レクサス構想が現実となる。
「押しても押しても動かなかった大きな岩(トヨタ本社)が一度動き出すと、それからは物凄い力となって一気に話が進んでいった」という。
レクサス実施に際して、トヨタが最重要視したのが「アメリカでの、カーディーラーの常識を根底から変えること」だ。
アメリカ人にとって、日常生活のなかでできれば行きたくないところとして、歯医者とカーディーラーが引き合いに出されることは、昔から多かった。歯医者は治療で痛い思いをしそうだから。一方、カーディーラーは「胡散臭いから」と言われてきた。
実際、筆者も1980年代からこれまで、カリフォルニア州、ノースキャロライナ州、ジョージア州、テキサス州など全米各地の正規ディーラーで、新車購入、新車リース、中古車購入などを体験してきたが、「胡散臭さ」という表現は理解できる。
できれば行きたくない→いつも行きたい所に
アメリカのカーディーラーは、いわゆるフランチャイズ形式がほとんどだ。
日本のようにユーザーとの売買契約を受けてからメーカーに発注するケースもあるが、メーカーから買い取ったクルマを店頭に並べるという方式が多い。
オプションなどを組み込んである状態の実車販売となる。
そのため、在庫処分での叩き売りで、ディーラーマンの言うこともコロコロ変わるなど、値引きの幅はディーラーによって大きく違う場合がある。
ブランドによって差はあるにしろ、アメリカでは長年、潜在的にユーザーのカーディーラーへの不信感があった。
そうした「皆が、できれば行きたくないところ」という負の部分を逆手にとって、「いつも行きたいところ」を創出することが、レクサスの方向性となった。
レクサス効果が、アメリカのトヨタディーラーにも良き影響を及ぼすことを狙った。
つまり、レクサスはたんなる高級ブランドではなく、顧客体験を最重要視することが使命として始まった。
日本上陸がレクサス生誕から16年も遅れたのは、日本市場での顧客体験について、明確な方向性を描くことが難しかったからだと思う。
日本導入直後は、日本市場での対応に苦労したレクサスだが、いまやグローバルブランドとして日本人にも素直に受け入れられる顧客体験を提供できるようになった。
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