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【英国メーカーの戦い方】ケータハム 元日産の幹部が語る、ブランドの未来 EVセブン

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【英国メーカーの戦い方】ケータハム 元日産の幹部が語る、ブランドの未来 EVセブン

GT-RやZの開発に携わった人物

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】唯一無二の「セブン」の軌跡【ケータハムを写真でじっくり見る】 全155枚

translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

日本のVTホールディングスの傘下に入り、数年後にセブンの完全EVの発売を予定しているケータハムにとって、今年は非常に重要な年である。

英国のスポーツカーブランドであるケータハムは、ボブ・レイシュリーを新しい最高戦略責任者に任命した。レイシュリーは、新製品の展開を管理し、自動車業界が変革を続ける中で会社を繁栄させ、コンプライアンスを維持するために尽力することになる。

自称「カー・ガイ(クルマ好き)」のレイシュリーは、日産自動車でグローバル・スポーツカー・プログラムの責任者として、370ZやGT-Rなどの大ヒットモデルを担当したことで知られている。

ケータハムが2023年に創業半世紀を無事に迎えるためには何をすべきか、レイシュリーは英AUTOCAR編集部のインタビューに応え、当面の優先事項について語ってくれた。

軽量スポーツカーの伝統を守る

――就任してからの数週間はいかがでしたか?

「まだまだ序盤戦ですね。まず最初に言えるのは、ダートフォード(拠点)のスタッフは素晴らしい仕事をしているということです。ビジネスには何の問題もなく、製品も素晴らしいものです。今はただ、テーブルの下に足を入れ、多くのことを学んでいるところです」

「もちろん、外から見たケータハムのことはよく知っていましたが、中に入ると少し違います。わたしはケータハムの50年以上の歴史と同化しようとしていますが、エレクトリック・セブンにはあの『生のドライビング・エクスペリエンス』があります」

ボブ・レイシュリーは、日産のパフォーマンス部門を経て、ケータハムの戦略部門の責任者に就任した。彼はケータハムの伝統を守ると期待されている。

「率直に言って、業界の多くの人たちの反応には本当に満足していますし、驚いています。自動車業界の偉い人たちは、いまだにセブンがすべての基準だと言っています。本当に謙虚な気持ちになりますし、このグループに加わることの責任を感じています」

「わたしはちょうど1年前に日産を退職し、コンサルティングを行う予定でしたが、新しいオーナーがわたしをこの役割に戻してくれました」

ケータハムが守るべきもの

――大きなブランドから小さなブランドへと移行する際の課題は何ですか?

「驚くべきことに、直面している問題の多くはOEMと変わりません。規模が違うだけです。お客様を惹きつけてやまない商品企画や、車両の規格適合性の維持など、すべてが同じ問題です。非常に大きな共通点があることには驚かされました」

「この新しい世界に移行して良かったことの1つは、グローバルOEMのように大きくて動きの鈍い巨大企業と比較して、非常に迅速に意思決定を行うことができる機敏さです。これはとても新鮮なことです」

――ケータハムが守るべきものとは?

「ケータハムの特徴は、軽量、敏捷性、運転の楽しさであり、それらすべてを維持する必要があります。これまでのオーナーは、セブンやブランドの形やフォーマットを変えようとしてきましたが、さまざまな理由でうまくいきませんでした。ですから、ある程度の安定性を保つことには意味があるのです」

「彼らがやっていることに大きな問題はありません。ここ数年の彼らの堅実な活動をさらに発展させていく必要があります。最初の課題は、お客様をお待たせする時間を短縮することです」

「今は生産能力の関係でリードタイムが長いので、そのリードタイムをいかに改善するか、そして今ある受注を満たすために生産量を増やすか、ということに取り組んでいます」

メリットのあるパートナシップ

――ある種の野心を持って臨んだのでしょうか?

「グラハム(・マクドナルドCEO)は、EVについて議論を続けています。移行のためには技術的な課題もあります。しかし、わたし達にとっての課題は、同じ楽しさをEVでも提供することです」

「EVを作るべきかどうかを疑問視する人はたくさんいますが、わたしは必要だと確信していますし、運転することが楽しく、なおかつセブンであるという体験を提供することがわたしの優先事項なのです」

「この分野で提供するものが、セブンの歴史の上に築かれたものではないということにはしたくありません。わたし達は、その生のドライビング・エクスペリエンスを提供したいのです」

――ケータハムはパートナーシップからどのような利益を得ることができますか?

「パートナーシップは、何らかの相乗効果がある場合にのみ機能します。日産に在籍していたこの11年間、わたしはメルセデス、ルノー、三菱と多くのビジネス関係を構築してきました」

「実は日産は、皆さんが知らないような数多くのOEM企業と仕事をしています。わたしの役割は、ZやGT-Rの仕事に加えて、そのような関係を構築することでした」

「パートナーシップのルートは、OEMの前進にとって非常に重要です。ケータハムのパートナーが誰であるかは大きな問題であり、お客様にとってプラスの相乗効果が期待できます」

「共通のバッテリー、共通のモーター、共通のサプライヤーを使用することで、より手頃な価格の製品を作ることができるのであれば、それは素晴らしいことです」

「パートナーと協力することのもう1つのメリットは、技術が実証済みで、信頼できるという保証を得られることです」

「これは非常に重要なことだと思います。わたし達は、協力してくれる人がいれば誰とでも話し合うことができます。わたしが入社して以来、意外なところからたくさんのオファーがありました……」

パワートレインの供給源は

――ケータハムは、ニッチな量産車メーカーとして、来るべき排ガス規制の免除を追求することができるでしょうか?

「確かに、それは議論の余地があります。しかし、当局にその主張をするのは難しくなっています。SMMT(英国の自動車製造販売協会)のような業界団体は、適用除外を求めるロビー活動を支援してくれますが、世界的に見れば、規制要件は誰にとっても厳しくなりつつあります」

「わたしは、ビジネスを前進させる方法としてこうした免除を計画することはできないと思います」

――フォードは欧州で内燃機関を廃止します。ケータハムはモーターを備蓄することができるでしょうか?

「わたし達は常に、使用できる最良のパワートレイン・ソリューションを検討しています。ケータハムにはさまざまなエンジンを使用してきた歴史があり、その数の多さには驚かされますが、フォードには独自の製品計画があり、わたし達は自分たちで作らなければなりません」

「そのためには、フォードや他の企業と一緒に、パワートレインの供給源を検討しなければならないでしょう。誰が、何を、どこで、いつ、ということを明言するのは時期尚早ですが、わたし達の製品に適した選択肢があるはずです」

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