レッドブル・ホンダがF1メキシコGPで初優勝した。
ホンダにとっても、メキシコGPは思い出深いグランプリだ。1964年にF1に挑戦を開始したホンダが初勝利を収めたのが、1965年の最終戦、第10戦メキシコGPだった。その後、1987年にナイジェル・マンセル(ウイリアムズ)が、1988年にアラン・プロスト(マクラーレン)が、そして1989年にアイルトン・セナ(マクラーレン)が優勝し、今回のマックス・フェルスタッペンの優勝はホンダにとってメキシコGP通算5勝目となった。
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レースはスタート直後の1コーナーで勝負がついた。フロントロウからスタートしたメルセデス勢2台のスリップストリームを利用して、メルセデス2台の外側に並んだマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、ブレーキを遅らせて先頭で1コーナーに進入。その後は2番手以下に影をも踏ませぬ力強い走りで快勝した。
この勝利はホンダにとって、もうひとつの記録となった。アメリカGPでの勝利で今シーズン8勝目を挙げていたフェルスタッペンは、ホンダ・ドライバーとして年間最多勝を誇ってきたアイルトン・セナの8勝を抜いて、9勝目を挙げた。
また、フェルスタッペンのチームメイトのセルジオ・ペレスにとっても、素晴らしい週末となった。ホームグランプリでのレースで初めて先頭に立ち、優勝はならなかったが、地元のファンを大いに盛り上げた。通算15度目の表彰台では、メキシコGPで初めて登壇したメキシコ人ドライバーとなり、表彰式ではスタジアムのファンがまるでペレスが優勝したかのように熱狂していた。
タイヤに優しい走りに定評があるペレス。そのため、1回目のピットストップを遅らせて、ルイス・ハミルトン(メルセデス)と異なる戦略で逆転を試みたが、逆転するまでには至らなかった。タイヤに優しい走りを1セット目のタイヤで行うのではなく、2セット目に行うことにして、ハミルトンよりも先にピットインする戦略もなくはなかった。
ただし、早めにピットインすると、後方集団の後ろに回るリスクがある。レッドブル・ホンダは約20秒後方にいたカルロス・サインツ(フェラーリ)の存在によって、アンダーカットを仕掛けられなかったようだ。その差が約23秒となったとき、先に動いたのが2番手のハミルトン。同じ周にピットインしても逆転はできないので、レッドブル・ホンダ陣営としてはステイアウトするしかなかった。
レッドブル・ホンダとして初の1-2フィニッシュはならなかったが、その可能性を十分に感じさせる強さを披露したメキシコGPだった。
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