現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新車を買ったらするべきこととは?今さら聞けない慣らし運転の方法

ここから本文です

新車を買ったらするべきこととは?今さら聞けない慣らし運転の方法

掲載 4
新車を買ったらするべきこととは?今さら聞けない慣らし運転の方法

■慣らし運転とはいったいなに?

 バイクの慣らし運転については、販売店のスタッフから説明を受ける場合もありますが、バイクの特徴や操作方法をメインに説明され、慣らし運転には触れられずに納車されるケースもあるようです。「初めて乗る車種だから慣れるまでゆっくり丁寧に乗る」といった認識をしている人もいるようですが、慣らし運転はただ安全に走行すれば良いだけではありません。

38万円で3人乗れる! 125ccのチョイ乗りトライクとは?

 慣らし運転は、ライダーがバイクに慣れるのではなく、バイクのポテンシャルを最大限に引き出すための準備運動のようなものです。バイクの取扱説明書にも記載されており、多くのバイクメーカーが推奨している運転方法となります。

 カワサキによる慣らし運転については「最初の1000kmを走行するまでは、下表のエンジン回転速度以下でならし運転をしてください。慣らし運転を行うと車の性能を維持し寿命を延ばします。」とアナウンスされており、399cc以下のエンジンでは走行距離0~200kmまで4000rpm。200~350kmは6,000rpm。350~1,000kmは控えめな運転が必要とされています。また、必要に応じては決められた回転数を一時的に超えることは問題ありませんが、不要な空吹かし、急加速、急減速はしないようにとされています。

 ホンダの場合は「現在の車は、エンジンやその他の部品精度が向上しているため、慣らし運転を行う必要はありません。しかし、エンジンや駆動系の保護の為には、以下の期間中は急発進や急加速を避け、控えめな運転をしてください。」とされており、50ccのスクーター(ジャイロ含む)は走行距離100km、その他のバイク(50cc含む)は走行距離500kmまでは控えめに運転するようにアナウンスされています。

■慣らし運転にはどのような効果があるの?

 慣らし運転にはおもに3つの役割があり、最も重要視されているのはエンジン内部で使用されている金属部品同士を馴染ませることです。エンジンに無理なく負荷をかけて金属同士を適度に擦り合わせることで、部品同士のあたり面を最適な状態に仕上げていきます。その際に発生する微細な削りカスやバリなどはオイルでキャッチし、初めてのオイル交換で回収することでエンジン内部に傷を付けないといった効果も生まれます。

 2つ目の役割は、ネジの初期緩みを確認することです。製造段階で適正トルクによって締められたはずのネジであっても、走行時の振動によって緩んでしまうことがまれにあります。言い換えると、一定の距離を走行しても緩まないネジは、その後も緩む可能性が少ないと言えるでしょう。ネジの初期緩みは新車購入時からの初回点検の項目にも含まれているため、通常はこの点検で確認作業が行われています。

 3つ目の役割には、タイヤと制動部品の慣らし作業となります。タイヤに関しては「皮むき」と呼ばれ、新品タイヤが路面になじむように接地面を一皮むくといった作業が必要となります。製造過程でタイヤを型から取り出しやすくするために薬品が使用されており、本来のグリップを発揮するためにはその薬品を落とす必要があります。薬品を落とすためには慣らし走行が不可欠となり、もし皮むきをせずに走行してしまうとタイヤがスリップしやすく、転倒のリスクが高まってしまうのです。

 また、ブレーキ関係に関してはパッドとローターのあたり面を馴染ませることで、本来の制動力を発揮させる効果があります。

※ ※ ※

 一般的に行われている慣らし運転の方法をまとめると、走行距離が1,000kmまでは決められた回転数以下で抑え、急加速や急発進はせずに徐々に回転数を上げていくことがポイントとなります。しかしながら、技術が進化した近年のエンジンには慣らし運転は必要ないといった考えがあるもの事実で、慣らし運転の必要性を記載していないメーカーもあるようです。

 また、欧米などでは回転数のアップダウンを繰り返し、減速時はアクセルを全閉にしてエンジンブレーキを使用し、エンジンに負荷をかけるといったハードな慣らし運転も存在しています。日本では、慣らし運転はしないよりはした方がいいと考えが根付いてはいるものの、実際のところバイクの性能や寿命に違いが生まれるのか、ライダーが実感できるのは難しいのかもしれません。

関連タグ

こんな記事も読まれています

「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
「格安観光地」に成り下がった日本! 観光公害の深刻化で「宿泊税」検討も、もはや混雑“ディズニーランド並み”の現実
Merkmal
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
BMWの4ドアクーペEV『i4』、改良新型は表情変化
レスポンス
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
マツダ 新型EV2車種を北京モーターショー2024で初公開 今年度中に市場投入も 「EZ-6」/「アラタ」
AUTOCAR JAPAN
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
トヨタEVの新型車「bZ3C」/「bZ3X」 北京モーターショー2024で世界初公開 知能化/電動化/多様化
AUTOCAR JAPAN
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
”日本とちょっと異なる動き” ホンダ「e:NP2」/「e:NS2」 北京モーターショー2024でEV発表
AUTOCAR JAPAN
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
邪道とされた4シーターモデルが人気爆発!! ロータスに異端児「エラン+2」って知っている?
ベストカーWeb
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
まわりを巻き込む可能性もあるからヤメてくれ! 元教習所教官が語る「よく見かける」危険運転3つ
WEB CARTOP
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日産、バイドゥと協業 生成AIを用いた新機能を共同開発
日刊自動車新聞
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
motorsport.com 日本版
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
レスポンス
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
月刊自家用車WEB
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
AUTOSPORT web
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
くるまのニュース
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
レスポンス
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
AUTOCAR JAPAN
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
ベストカーWeb

みんなのコメント

4件
  • 自分は、購入してからずっと慣らし運転状態。(恥)
  • バイクの慣らしも大切だが、上に跨がるライダーの慣らしも必要。停車してからスタンド出そうとしたら空を蹴って焦った。似たようなSSでも会社違うと微妙な寸法も違うので、体に馴染ませながらマシンも慣らすのが大切。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村