ダッジ ラムが電動になる。フォードF-150に続き、米国を代表する車種も電気自動車になって登場する。ラム1500 BEVは2024年デビューの予定だ。さあ、全ての情報をチェックしてみよう!
電動化は、ピックアップトラックという、アメリカ独自の車種カテゴリーにも侵食し始めた。「ハマー」、「フォードF-150」に続き、「ラム1500」にも間もなく電気自動車が登場する。ラスベガスで開催されたCES 2023では、ほぼプロダクトモデルの「ラム1500レボリューション コンセプト」のスタディモデルが公開された。
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ステランティが目指す「ラム1500 BEV」は、究極のピックアップトラックになることだ。航続距離、充電時間、牽引力、積載量などの面で、競合他社(車)を圧倒するはずだ。ただし、現時点では、技術データに関する詳細は不明だ。現在わかっていることは、ラムは「STLAフレーム」というプラットフォームをベースにしているということだ。バッテリーパックを内蔵したラダーフレーム構造だ。
ラムBEVの800ボルト技術
約1年半前におこなわれた、「Stellantis EV Day 2021」では、このプラットフォームが、適切な大きさのバッテリーで最大800kmの航続距離と、2基の駆動モジュールで最大出力660kW(897馬力)を達成できることが明らかにされた。しかし、これはあくまでも現時点での純粋な仮定値である。コンセプトの発表会では、ラムは今のところ「1500 BEV」が800ボルトの技術を持ち、最大充電速度が350kWであることだけを発表した。つまり、わずか10分後には160kmまでの航続距離を確保できるはずだ。
見た目は残忍
しかし、充電可能な速度や距離については、もう十分だろう。生産間近のスタディモデルを詳しく見てみると、電動「ラム」はピックアップセグメントに革命を起こす。そのためには当然、自信に満ちた外観が必要となる。ラムはこのデザインを"brutiful"、つまり残忍(brutal)であると同時に美しい(beautiful)と表現している。
フロントでは、イルミネーションで飾られたレタリングが、中央に向かって細くなるLEDヘッドライトで縁取られている。フルアニメーションLED音叉デザインとアメリカでは呼ばれている。従来の内燃機関搭載の「ラム」と比較すると、フロントガラスがよりフラットになり、Aピラーも前方に移動していることがプロフィールからわかる。その理由は簡単で、かつてのボンネットの下にはもはやV8はなく、電動で開くフランク(フロント トランク)があるからだ。
24インチホイールを装着したラム1500レボリューションコンセプト
24インチの巨大なホイールに35インチのオフロードタイヤを装着しているのが、「コンセプト」の代表的な特徴だ。ダブルキャブの後ろには、全長1.71mの荷台と電動マルチファンクションリアドアが設置されている。リヤウインドーを含むいわゆるセンタードアを開けると、テールゲートを閉じた状態で、長さ5.50mまでの物体をフランクまで積み込むことができるようになっている。
新しいプロポーションにより、ダブルキャブは通常の「ラム」に比べて10センチメートル延長されている。ドアの開閉方向が逆で、電動「ラム」にはBピラーがない。これは大きなサルーンを連想させるはずだ。しかし、この凝ったドア機構が量産に採用されるかどうかは現時点では未知数だ。
インテリアでは、様々なレイアウトを用意し、フレキシビリティの最大化を図っている。「ラム」では初めて、3列目のシートを折りたたみ式にしたものを公開した。合計で最大6名まで乗車可能だ。コックピットは整然としていてモダンな印象だ。ダッシュボードには、フロントの音叉のデザインをモチーフにしたアンビエント照明を採用している。
しかし、注目すべきは2つのタッチスクリーンで構成された、対角71cmの巨大なディスプレイだ。見どころとしては、下部のスクリーンは取り外すことができ、一種のタブレットとして機能することだ。その他、「ラム1500 BEV」には、スマートホームコントロール、モバイルシネマとして使用できるアウトドアプロジェクター、最大15度のステアリング角度を持つリアホイールステアリング、3つのモードを持つ調整可能なエアサスペンションなどの機能が搭載されている。
2024年に登場するシリーズ版
「ラム1500 BEV」の市販バージョンは、2023年に発表され、2024年に発売される予定である。その後、大型電動ピックアップはドイツ(EU)に正式に輸入され販売されるのか、それとも並行輸入しかないのか、注目されるところだ。
Text: Jan Götze Photo: Stellantis N.V.
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