2015年6月13日、富士スピードウェイで「Eco Car Cup 2015 サマーフェスティバル」が開催された。「おもしろいレースなのでぜひ取材に!」とFSWの方に誘われ、久しぶりに週末の富士へと行ってみた。(レポート:Auto Prove編集部スタッフザキ)
エコカーカップなるこのレース、少々耳慣れない、馴染みのないレース…と思っていたのはAP編集部の筆者(スタッフZ)だけで、富士スピードウェイのグリッドは、67台という超フルグリッドで大賑わいだったのである。
このエコカーカップが始まったのは2010年のこと。そもそもはハイブリッドカーを使ったレースとして開始されたが、近年は「エコカー」というくくりで多くのクルマに門戸を開放する。結果、2015年はメインクラスの「チャレンジ180」にはトヨタ・アクア、トヨタ・プリウス、ホンダCR-Zなどの定番ハイブリッドカーに混じって、フォルクスワーゲンup!、マツダ・デミオ、BMW 320dなど小排気量エコカー、クリーンディーゼルなエコカーなど、バリエーションに富んだ車種が参加していた。ちなみにエントリークラスである「エンジョ60」にはホンダS660、ダイハツ・ムーヴといった軽自動車のエントリーもある。なおレース名の「180」と「60」はそれぞれ「3時間」「1時間」のレース時間を表している。
マシンと同じくパドックで見たドライバーの顔ぶれもバラエティに富んでいた。エコカーカップの出場資格は普通運転免許所持者であればOK。JAFやサーキットライセンスなどは不要で、装備規則もヘルメット、グローブ、長袖、長ズボン着用といった感じで非常にハードルが低い。サーキット初心者、女性でも気軽に走れて、そしてレースを楽しむことができるイベントなのだ。
そんな門戸が広くハードルの低いレースであるエコカーカップを、さらに魅力的にしているのが、「1周のラップタイムが3分15秒以上」(チャレンジ180)というレギュレーション。このラップタイムがどんなものなのかといえば、マツダ・ロードスターなどのライトウェイトスポーツで富士スピードウェイを走れば、それよりも1分は速く2分20秒程度。エコカーカップで3分15秒以上で走ろうとすると、ストレートスピードはホンダCR-Zで120~130km/hとのこと。高速道路の走行スピードから少しアップした程度ということで、これも初サーキットのビギナーの恐怖心を和らげる効果もあるだろう。
さてレース当日は、Auto Proveの姉妹メディアのラジオ番組「The motor weekly」のゲストコメンテーターとしてもお世話になっているレーシングドライバーの津々見友彦さんも出場していた。このエコカーカップの面白さをうかがってみたところ、「レースの順位と燃費の順位、両方を合算して本当の順位を決めるから、速すぎてもダメだし、かといってエコ走行だけしてても上にはいけない。だから突き詰めるとすごく難しいレースで、そこが面白い」とのこと。ストレートスピードも遅くビギナーでも楽しめると津々見さんは言いながらも、「でもブレーキをかけるのは1コーナーとダンロップ下の2回だけだからね。コース幅を目一杯使って走らなきゃいけない。簡単そうだけどやってみると難しい。だからこのレースに出ると運転がうまくなっていけるんじゃないかなー」とのことだ。
ちなみに3分15秒を切るラップタイムは3回までは認められているので(スタート周も含めれば4回)、順位を上げたいときにスーパーラップとして使うなど、その辺りのチーム戦略の面でもエコカーカップは面白い。またマシンもナンバー付きのノーマルが基本だが、自作の燃費モニターを装着したり、改造車クラスのクルマにはバッテリーを冷やすためのダクト&ドライアイスボックスが搭載されたりもしていた。
今回のエコカーカップ、レースをトップでフィニッシュしたのは津々見さんらの乗ったCar World CR-Z(チームCarWorld)。ラップタイム超過のペナルティもなく走りきったが、燃費順位では60番手。ちなみに総合優勝はトヨタ・アクアでレース順位12位、燃費は18.90km(燃料消費量12.88L)で5番手の数値をマークしている。
速さと燃費を考えながら国際サーキットを走れるエコカーカップ。チーム2名以上での参加となるがドライバーの上限人数は設定されていないので、気の合う仲間を集めてサーキットレースを一日楽しめるイベント。そう考えれば、これほど楽しいものはない。エントリーフィーの5万500円(税込)も頭数で割れば、ちょっとした走行会に行くよりも安いものだ。
なおレース終了後は参加者全員による表彰式が行われるが、ここではクラス毎に優勝者が発表、表彰される。クラス1台のみのエントリーなら完走すれば優勝の栄冠を得ることができるというわけだ。激戦のアクア、プリウスで本気で勝ちを狙うもよし、マイカーで楽しく走るのもよし。それぞれのスタンスで楽しめるエコカーカップ、エコカーに乗っていてサーキットやレースに興味があるならオススメのイベントだ。
2016年も日程は未定ながら2~3月、6~8月の冬夏の2回開催が決定している。次回はあなたのエコカーがサーキットデビューしているかも?
この記事を画像付きで読む(外部サイト)
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
出た~~!大型連休に大量出没「サンデードライバー」の困った行動とは 「周囲の怒り」食らわないために守るべき「運転時の当たり前」
国民ブチギレ!? なぜ「13年」で”自動車税”高くなるのか 軽自動車は20%加算も!? 「やってらんない税」「税金安くしろよ」の声上がる 理不尽な重課措置の仕組みとは
車間空けすぎ、ほら割り込まれた!それでもゆっくり渋滞を走るドライバー、実は“イイ人”?
クラウン スポーツ vs GLA 180、走りと利便性を追求したラグジュアリーなハッチバック対決
新型コンパクトSUV ホンダ「WR-V」の快進撃が止まらない! 月間受注1万台超えは計画の4倍以上 なぜ人気? “コスパ”だけでないその理由とは
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?