現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 102回目の開催を迎える世界三大レースのひとつインディ500。紡いできたその歴史を辿る

ここから本文です

102回目の開催を迎える世界三大レースのひとつインディ500。紡いできたその歴史を辿る

掲載 更新
102回目の開催を迎える世界三大レースのひとつインディ500。紡いできたその歴史を辿る

 インディアナポリス500マイルレース=通称インディ500は今年で102回目の開催を迎えた。世界でもっとも長く、同じコースで続けて行われている自動車レースだ。

 アメリカ自動車産業の首都と呼ばれるデトロイトのあるミシガン州、その南のオハイオ州、インディアナ州には当時100を越す自動車メーカーが存在、技術力を競う場として全長2.5マイルの”四角い”コースが1909年に完成された。

第102回インディ500まとめ

 コースはバンクのついた4つのコーナーを長短2本ずつの直線で繋いだシンプルなレイアウト。先見の明を持つ小さなビジネスマンのグループが、純粋にスピードを追求した自動車レース専用のコースとして巨大なスピードウェイを建設したのだ。

 そして、1911年に当時としてはかなり過酷な500マイルという長距離レース開催が宣言されると44台が集まり、40台が決勝に出場。地元インディアナポリスで作られたマーモン・ワスプという7.82リッーター直6エンジン搭載マシンが6時間42分08秒をかけ、平均時速は74.602マイルで優勝を飾った。


 自動車の進化と並行してインディを走るマシンのスピードもアップ。1960年代に入るとエンジンをコクピットの後ろに搭載したF1マシンが挑戦を開始。

 1965年にジム・クラークがミドシップエンジン車=ロータス・フォードでの初優勝。この時の優勝スピードは史上初めて150mphを越えた。また、フロントエンジン・マシン(=ワトソン/オッフィー)による優勝は前年の1964年のAJ.フォイトが最後となった。


 1977年、予選でインディカーは200mphの壁をついに突き破った。マクラーレン・コスワースに乗ったトム・スニーバが4ラップ連続で行う予選アタック中の1ラップで200.535mphを記録した。

 1990年、優勝スピードはついに180mphを超える。その高速レースを制したのはアリー・ルイエンダイク、マシンはローラ・シボレーだった。


 世界一の歴史だけでなく、決勝日の観客動員数もインディは世界ナンバーワンだ。スピードウェイは観客数を公表しないため正確な数字はわかっていないが、1980~90年代には40万人を越すと言われ、現在でも決勝日には30万人が集まっているようだ。

 インディは優勝賞金もビッグ。2009年のウイナー、エリオ・カストロネベスは史上最高となる300万ドル超の賞金を受け取った。2009年から優勝賞金は240万ドルを下回っていない。インディ500は今も残るアメリカン・ドリーム。最下位の33位フィニッシュでも20万ドル以上が支払われる。


 昨年は佐藤琢磨が日本人ドライバーとしてインディ500初優勝を記録した。優勝賞金は2,458,129ドルだった。

■第102回インディ500の優勝候補は?
 マイケル・アンドレッティがオーナーのアンドレッティ・オートスポートからエントリーしたダラーラ・ホンダで優勝した琢磨だったが、今シーズンに向けてはボビー・レイホールがオーナーのレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへと移籍。

 インディ500優勝チームを離れるのは珍しいケースだが、より戦いやすい環境、より強いチームを求めての決断で、インディ史上6人目となる二連覇を狙っている。最後にそれが記録されたのは2001-2002年のカストロネベスだ。3連覇はいまだ達成されていない。


 そのカストロネベスは、昨年限りでインディカーのレギュラー参戦ではなくなったものの、今年もインディ500にはスポットで参戦している。史上最多タイとなるインディ4勝目を目指してのことだ。4勝しているドライバーはAJ.フォイト、アル・アンサー、リック・メアーズの3人だけだ。

 今年の出場マシンはダラーラ・ホンダとダラーラ・シボレー。2005~2011年はホンダが出場全車にエンジンを供給していたが、2012年にシボレーが復帰し、ロータスも参戦。
ロータスは2012年半ばにして撤退し、ホンダとシボレーの直接対決が今も続いている。シャシーは2012年からイタリアのダラーラによるワンメイクとなっている。

 日本の自動車メーカーで最初にインディ500優勝を飾ったのは、2003年のトヨタだった。ドライバーはジル・ド・フェラン、シャシーはパノスだ。そのトヨタも2005年で撤退した。

 2012年からのホンダとシボレーの2社対決ではシボレーが2勝、ホンダが4勝を挙げている。ホンダは2016年から2連勝中だ。

 今年のエントリーで優勝経験を持つのは前述のカストロネベスと琢磨のほかにスコット・ディクソン、トニー・カナーン、ライアン・ハンター-レイ、アレクサンダー・ロッシがいる。この6人は今年も優勝候補に数えられる。

 そして、彼らに挑み初勝利を狙えそうなのが、4回インディカー・チャンピオンになっているセバスチャン・ブルデー(デイル・コイン・レーシング)、スピードウェイでの速さに定評があるマルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・ハータ・オートスポート)、インディ500ポールポジションを2度獲得しているエド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、2014年チャンピオンでキャリア32勝のウィル・パワー(チーム・ペンスキー)、2016年チャンピオンのシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー/シボレー)昨年度チャンピオンのジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)といった面々だ。

 チーム・ペンスキーは史上最多の16勝をインディ500で挙げており、2001年からは3連勝を記録してもいる。彼らは2015年のファン・パブロ・モントーヤ以来優勝がない。あのレースでチームメイトに0.1046秒差で敗れて2位フィニッシュしたのはパワーだった。

 102回目のインディ500。アメリカンドリームを手に入れるのは果たしてどのドライバーか? 19、20日に予選、そして27日に決勝レースを迎える。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村