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IMSA第2戦セブリング12時間:キャデラックが表彰台独占。マツダはまたしてもトラブルで優勝を逃す

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IMSA第2戦セブリング12時間:キャデラックが表彰台独占。マツダはまたしてもトラブルで優勝を逃す

 セブリング・インターナショナル・レースウェイで開催されたIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第2戦。12時間で争われた決勝レースは、ウェレン・エンジニアリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシング)のフェリペ・ナッセ、エリック・クラン、ピポ・デラーニ組31号車キャデラックDPi-V.Rが勝利した。

 セブリング12時間レースの決勝日は予報に反して朝から雨。現地10時40分のスタートから11周の間はペースカー先導で走り、12周目にグリーンフラッグが振られた。

IMSA第2戦セブリング12時間:僅差のタイム合戦を制し、アキュラ・チーム・ペンスキー6号車がポール獲得

 予選トップの6号車と予選3番手の7号車を擁するアキュラ・チーム・ペンスキー勢は、このウエットコンディションでのスタート直後に後退を始めた。電気系トラブルと、タイヤの空気圧セッティングのミスによってトップグループと同ペースを保つことができなかったのだ。チーム・ペンスキーらしからぬドタバタ劇で12時間の耐久レースは幕を開けた。

 2台のアキュラは問題が解決されると本来のペースを取り戻しにかかった。しかし、出遅れをプレッシャーと感じたのか、若いドライバーふたり、デイン・キャメロンとリッキー・テイラーが濡れた路面でスピンやコースオフのミスを犯し、逆に傷口を広げることとなった。

 その後に雨は止み、コースがドライコンディションに変わると、ライバル勢にミスやトラブルの出る可能性がグッと低くなり、アキュラ勢が遅れを挽回するチャンスは俄然小さくなった。

 そんななか、6号車アキュラはスタートから4時間経過前にピットで空力セッティングを変えるためのリヤカウル交換を行った。そこでカウルの装着に3分以上を要し、決定的な遅れを取ってしまう。また、7号車アキュラもこれとほぼ同じタイミングで周回遅れに陥った。キャデラック勢より僅かに遅いレースペースが積み重なった結果だった。

 何度か小雨が落ちて来ることはあったが、序盤の雨が止んだ後のレースはドライコンディションで進み、フルコースコーションの発生も少なかったため、アキュラ勢がリードラップに復活することはなかなか叶わなかった。

 グリーンフラッグ直後のターン1でアキュラを勇躍パスしてトップに躍り出た77号車マツダチーム・ヨーストのマツダRT24-Pも、初優勝の夢をまたしても実現することができなかった。

 トリスタン・ヌネスがトップを走ったのはグリーンフラッグから20分ほどだけで、リーダーの座はフィリペ・アルバカーキ駆るマスタング・サンプリング・レーシング(アクション・エクスプレス・レーシングの)の5号車キャデラックDPiの手に渡った。

 そして、ヌネスからティモ・ベルンハルトにドライバー交代した後に、デイトナと同じく、しかしデイトナの時より遥かに早いスタート後2時間強というタイミングで車両火災によるリタイアを喫した。今回のトラブルは電気回線のショートによるものだった。

■終盤のフルコースコーションで5台の優勝争いに

 それでもマツダはもう1台の55号車マツダRT24-Pが健闘をみせ、この後にトップ争いへと加わった。1台のみになりはしたが、彼らは折り返し点の6時間経過近くまでそのポジションをキープし続けた。

 しかし、ジョナサン・ボマリートがコースオフしてタイヤバリアに突っ込み、フロントカウル交換などを行ったことでラップダウンに。その後はジワジワと優勝戦線から引き離されていった。

 レース時間の半分が経過する頃から、トップ争いはアクション・エクスプレス・レーシングの2台と、前戦優勝のウェイン・テイラー・レーシング、10号車キャデラックDPi-V.Rという合計3台のキャデラックに絞り込まれ、その後ろにはJDC-ミラー・モータースポーツの黄色いキャデラック2台がつけた。

 しかし、キャデラックのトップ5独占はそれほど長くは続かず、総合4番手の座は7号車アキュラとコア・オートスポーツが走らせる54号車ニッサンDPiの間で争われる展開に変わっていく。チームこそ新しくなっているが、ニッサンDPiは2018年のセブリングウイナーで、侮ることはできない。

 日が落ちてからのトップ争いでの注目は、勝つのはアクション・エクスプレス・レーシングのどちらのキャデラックとなるのか、それともデイトナウイナーのウェイン・テイラー・レーシングがそれを阻み、開幕2連勝を達成するかに絞られた。

 しかし、土壇場になってキャデラック軍団の1周後方で4番手争いを続けていたニッサンとアキュラにもチャンスがやってくる。

 ゴール前2時間少しというタイミングでGTDマシンの1台がストップし、フルコースコーションとなったのだ。アキュラはこれによって、ついにリードラップ復活を果たす。まだゴールまで時間は残されており、事態は一転、5台全車に優勝のチャンスがあることとなった。

 ゴール15分前に最後のフルコースコーション。リスタートは残り6分で切られた。しかし、そこからの戦いでキャデラックの牙城が揺らぐことはなく、最後はキャデラックのワン・ツー・スリー・フィニッシュに。

 総合優勝はナッセ、クラン、デラーニ組の31号車キャデラックDPi。デイトナでは終盤、フェルナンド・アロンソが搭乗した10号車キャデラックに首位を明け渡してしまったが、今回は見事リベンジを果たしている。

 トップと1.030秒差の2位にとなったはジョーダン・テイラー、マシュー・バシビエール、ランガー・バン・デル・ザンデの3名で第2戦に臨んだコニカミノルタ・キャデラック10号車キャデラックDPi-V.R。3位にはアルバカーキとジョアオ・バルボサのコンビにブレンドン・ハートレーが加わった5号車キャデラックDPiが入った。

 3回目のセブリング優勝を飾ったナッセは、「何もかもが完璧で、ドライバーもチームも与えられた仕事をこなし切った」と勝利を自画自賛していた。

■フレデリック・マコヴィッキィ組911号車ポルシェがGTLMクラス優勝

 リッキー・テイラー、エリオ・カストロネベス、アレクサンダー・ロッシ組の7号車アキュラARX-05は予選3番手からひとつ順位を落とした4位でゴール。ポールスタートだった6号車アキュラDPiは、9周遅れの9位という結果に終わった。

 また、マツダ勢は予選7番手だったハリー・ティンクネル、オリビエ・プラ、ボマリート組の55号車がトップから2ラップダウンの6位に。予選2位だった77号車は前述のトラブルによってクラス11位/総合37位となっている。

 GTル・マン(GTLM)クラスは、最後の最後でトップを奪還したポルシェGTチームの911号車ポルシェ911 RSR(パトリック・ピレ/ニック・タンディ/フレデリック・マコヴィッキィ組)が優勝。

 スタートから延々トップを走り続けたチップ・ガナッシ・レーシングの67号車フォードGT(ライアン・ブリスコー/リチャード・ウエストブルック/スコット・ディクソン組)は、レース開始11時間後に迎えた最後のピットタイミングでトップを明け渡してしまう。

 67号車フォードはクラス2番手で復帰したリスタート後、トップの座を奪い返すべく911号車ポルシェの背後につけるが、ブリスコーがGTデイトナ(GTD)クラスのマシンと接触してスピンし、クラス6位まで転落。これに代わってチームメイトの66号車ジョーイ・ハンド、ディルク・ミュラー、セバスチャン・ブルデー組が2位でゴールすることとなった。クラス3位はヤン・マグヌッセン、アントニオ・ガルシア、マイク・ロッケンフェラー組の3号車シボレー・コルベットC7.Rだった。

 GTDクラスは8台がリードラップでゴールする大接戦で、これを制覇したのはGRTグラッサー・レーシング・チームの11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3(ラルフ・イネイチェン/ミルコ・ボルトロッティ/リック・ブロイカーズ組)だった。

 クラス2位はマグナス・レーシングの44号車ランボルギーニ・ウラカンGT3。終盤、2台のランボルギーニは約1時間に渡ってテール・トゥ・ノーズの戦いを繰り広げたが、最後はデイトナウイナーの11号車が逃げ切っている。3位にはスクーデリア・コルサの63号車フェラーリ488 GT3が入った。

 マイヤー・シャンク・レーシングが走らせるアキュラNSX GT3 EVOは2台ともクラストップと同一周回でゴールしたが、カーナンバー86がクラス7位で、女性ドライバー3人(キャサリン・レッグ、アナ・ベアトリス、クリスティーナ・ニールセン)の乗った57号車が同8位。エイム・バッサー・サリバンのレクサスRC F GT3は12号車が2ラップダウンでクラス9位。14号車はクラス15位だった。

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