2月17日(土)、2024年WRC世界ラリー選手権の第2戦『ラリー・スウェーデン』の競技3日目デイ3が、スウェーデン北部ウメオのサービスパークを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合3番手に順位を上げた。
また、デイ2で3.2秒差の総合2番手につけていた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車)はデイリタイアとなり、前日のデイリタイアから再出走したカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)は、総合51番手につけている。
初表彰台がかかるフォードのフルモー「もっと速く走る必要がある!」/WRC第2戦 デイ3後コメント
ラリー・スウェーデンのデイ3は、サービスパークの西側から北側にかけてのエリアにて、7本合計125.96kmのスペシャルステージ(SS)が行なわれた。
午前中から爽やかな青空が広がり、太陽が力強く雪面を照らすなど好天に恵まれたデイ3の開幕ステージ。総合首位のヒョンデ・シェル・モービスWRT、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1)を追う勝田は、トップに返り咲くべくオープニングステージからハードにプッシュをかけた。
ラッピとの差を0.9秒まで縮める走りを見せ、続くSS10でも勝田はアタックを続けたが、長い右コーナーでクルマの姿勢を乱し雪壁に激突。スタックしたトヨタGRヤリス・ラリー1は再スタートすることができず、残念ながらデイリタイアとなった。
志半ば、ラリー・スウェーデンの優勝争い戦線を降りることとなった勝田は、「最初のステージはとてもうまく行き、トップとの差を縮めることができたので、そのまま攻め続けてさらにタイムを稼ぐつもりでした」と、SS10でのスタックを振り返っている。
なお勝田は、2024年シーズンから新たに導入されたポイントシステムによって、得ることができるようになった日曜日のみの総合順位によるポイント獲得を目指し、明日に再出走する予定とのことだ。
■ペースを取り戻したエバンス。16秒差の2番手を追う
デイ2時点で、総合5番手に順位を下げていたエバンスは、SS10で総合3番手へポジションアップ。午後1本目のSS12ではベストタイムを記録するなど、総合2番手につけるMスポーツ・フォードWRTのアドリアン・フルモー/アレックス・コリア組(フォード・プーマ・ラリー1)との差を縮めている。
結果的に、エバンスはフルモーから16.7秒差の総合3番手でデイ3を終え、3本のSSを予定する最終日に駒を進めた。
なお、エバンスは土曜日までの順位でポイントが与えられる新しいシステムにより、このラリーを最後まで走り終えることができた場合は最低でも13ポイントを獲得することができる。さらに、日曜日のリザルト次第では、さらなるポイントを追加で獲得することも可能だ。
一方、総合首位に立ちながらもデイ2でデイリタイアを喫したロバンペラは、チームのメカニックたちによって修理されたクルマで再出走を果たし、SS10でベストタイムをマークした。
総合順位は45番手だが、日曜日の順位によるポイントが獲得可能な最終日へ向け、整調のデイ3を走り抜けている。
TGR-WRTのヤリ-マティ・ラトバラ代表は、今週末、我々が優勝できるだけのパフォーマンスを持っていたことは確かだ」と、荒れ模様の争いを繰り広げている今大会を語った。
「しかし残念ながら、カッレ(ロバンペラ)と(勝田)貴元は小さなミスが結果に大きく影響を及ぼしてしまった。とてもいい仕事をしていただけに、貴元が表彰台に上ってくれたら本当に良かったとの思いを捨てきれないよ」
「今朝のSS9でもいい走りを見せ、勝てる可能性も見えていたと思う。しかし、急激にスピードを上げようとすると、悲しいことにミスをしてしまうこともあるのだ」
「一方、エルフィンは難しい出走順だったにも関わらず、とても堅実な仕事をしてくれた。土曜日を総合3番手で終えることができたのは、明日さらに多くのポイントを獲得することへ向けてもいいながれだと思う」
競技最終日となる2月18日(日)のデイ4は、サービスパークの東側エリアにて25.50kmのステージ『ベステルビーク』をSS16、17として2本連続で走行し、その後サービスパークのすぐ近くで、SS15の再走ステージであるSS18『ウメオ2』を走る。最終ステージでもあるSS18は、トップ5タイムを記録したクルーとマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる『ウルフ・パワーステージ』に指定されている。3本のSSの合計距離は61.08km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は216.58kmとなる予定だ。
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