価格/サイズ判明 Cd値は0.25
執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
【画像】2つの「EQE SUV」ベンツ版とAMG版【デザイン/内装を見る】 全41枚
メルセデス・ベンツ日本が、電気自動車(EV)の上級SUV「EQE SUV」を発表し、予約注文の受付けを開始した。
デリバリーは、EQE 350 4マティックSUVローンチエディション(以下、EQE 350 SUV)が本日より始まる。
AMGモデルの「AMG EQE 53 4マティック+SUVローンチエディション」も導入され、こちらは10月下旬以降の納車を予定している。
EQE SUVは昨年に日本発表されたアッパーミドルEVセダン「EQE」のSUV版だ。
日本では高級EVセダンとなるEQSにSUV版である「EQS SUV」が存在するが、それと同じ関係にあたる。
今回発表されたEQE SUVのサイズは、全長4880×全幅2030×全高1670mm、ホイールベースは3030mm。
セダンのEQEより全長とホイールベースは短いが、やや幅広く、全高はかなり高められている。それでも顔つきはEQEと大きくは変わらない。
車高の高いSUVゆえ前面投影面積はセダンより大きくなるが、エアロダイナミクスは最適化され、工夫を施したアンダーボディが中心的な役割を果たし、Cd値は0.25(欧州値)という優れた空力性能を備えている。
EQE 350 4マティックSUVローンチエディション:1369万7000円
AMG EQE 53 4マティック+SUVローンチエディション:1707万円
1. バッテリーの負担を減らす装備
EVならではの注目装備としては、まず「ヒートポンプ」の標準装備が挙げられる。ベンツの電気自動車としては初採用だ。
これは、高電圧バッテリーから発生する“廃熱”を「暖房」に利用することで、車内を暖める際の消費電力を削減するもの。EVの場合、暖房を使うことでバッテリーが消費され、冬は夏よりも航続距離が短くなる。このヒートポンプによって、航続可能距離を最大10%(欧州値)伸長するという。
また、新機構として「ディスコネクトユニット」も搭載した。
フロントの電動パワートレイン(eATS)にアクチュエーターを用いたクラッチを設けることで、走行状況に応じてクラッチを切り前輪をフリーにする。モーターによる抵抗を極力低減させるものだ。
例えば、高速巡航時にクラッチを切り離すことで後輪駆動のみとして、電池の消費量を抑制。つまり、エンジン車の「コースティング」と同様と考えればいい。
パワートレインは前後にモーターを搭載する4WD。「EQE 350 SUV」は最高出力は292ps(215kW)、最大トルクは78.0kg-mを発生。
エネルギー容量89kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電航続可能距離は528km。6.0kW(200V・30A)までの交流普通充電とCHAdeMO規格の直流急速充電に対応する。
急速充電は50kWタイプの場合、102分で10%~80%まで充電でき、10%から30分の充電で30%まで充電できる。
2. ここにも!省資源へのこだわり
もう1つの注目ポイントは、リサイクル材や再生可能原材料といった多くの省資源材料を使用していること。
いまや、どこのメーカーでもカーボンフットプリントの削減を図っており、それはメルセデス・ベンツといえども例外ではない。
そのため、このEQE SUVにおいては、70kgを超えるコンポーネントは、一部が省資源材料(リサイクル材や再生可能原材料)から作られている。
例えば、中古タイヤの熱分解オイルと農業廃棄物から精製されたバイオメタンからケミカルリサイクルで作られたプラスチックをグラブハンドルに利用。このプラスチックは石油から作られたプラスチックと同等の品質を確保している。
他には、ルーフライナーとピラートリム表面の素材は40%リサイクル・ペットボトルフレークを使用している。
また、床面のカーペットには漁網など海洋プラスチックごみから作られたナイロン糸を使用した。
3. AMG EQE 53 4マティック+SUV
さらに注目ポイントをもう1つ。日本仕様のベンツのEVとしては2台目となるAMGモデル「メルセデスAMG EQE 53 4マティック+SUVローンチエディション」がラインナップされた。
詳細なスペックは型式認証申請中のため未定だが、フロントは上部にライトバンドを配したAMGバッジ付き専用縦型ブラックパネルと、フロントバンパーにハイグロスブラックのAウイング、フロントスプリッターとフリックを採用。スポーツモデルらしい顔つきに仕上げられた。
リアバンパー下部には、エンジン車のエグゾーストエンドに代わるアイコンとして左右に2本のフィンを備えたトリムストリップを装着。随所をダーククローム仕上げにすることで精悍さも加えている。
インテリアは、3枚の高精細パネルとダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うMBUXハイパースクリーンを標準装備。
サイドサポートの張り出しを備えたAMG専用デザインのナッパレザーシートや、インテリアトリムにはアンスラサイトライムウッド センタートリムを採用した。
サスペンションは、従来のアンチロールバーに代わり、ボディの動きを電気機械的に補正する「AMGアクティブライドコントロール」を採用。油圧機械式に比べて反応時間が短く、限界に近い走行状況でも正確なハンドリングを実現する。また、片側の路面に凹凸がある場合は振動に素早く対応して直進時の乗り心地が向上する。
このように、SUVといえども、また電気自動車といえども、メルセデスAMGらしくハイクオリティな内外装と高次元の走りを堪能できるモデルに仕上げられている。
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いち早くチャデモ廃止してNACSで統一すべき