F1の短い夏休みも、いよいよ終わりを告げる。
しかし今年のF1の夏休みは、休みとは言えないほど慌しかった。この夏休み中に、来季のドライバー市場がバタバタと動いたからだ。
「ホンダのリソースには誰も敵わない」大きな信頼を寄せるレッドブル
まず発表されたのは、ダニエル・リカルドのルノー移籍である。レッドブル残留の可能性が高いと目されていたリカルドだが、まさかのルノー移籍。チームメイトにはニコ・ヒュルケンベルグが残留することになった。
リカルドの加入によりシートを失う形となったのは、カルロス・サインツJr.。しかし、今季限りで”一旦”F1を退くことを決めたフェルナンド・アロンソの後任として、マクラーレン入りすることとなった。ただ、マクラーレンのもうひとつのシートは未だ決まっていない。
またリカルドが抜けたレッドブルのシートには、今季トロロッソで活躍するピエール・ガスリーが加わった。ガスリーは今季トロロッソでホンダ製パワーユニットを走らせており、来季から同じホンダPUを使うレッドブルにとっては、有益な存在となるはずだ。
これらの発表も含め、ここまでで既に10のシートが埋まったことになる。ただ、まだ空いているシートも10……まだ結構空いているという印象だろうか?
それではそのシートに誰が入る可能性があるのか、順にみていくこととしよう。
ふたりのドライバーが既に決まっているのは、メルセデス、レッドブル、ルノーの3チームのみ。残り7チームは、今後何らかの動きがあるはずだ。
中でも注目なのはフェラーリだろう。フェラーリは既にセバスチャン・ベッテルの残留が決定済み。しかしそのチームメイトが誰になるかが、最大の注目点と言えるだろう。
その状況でも最有力候補とみられているのが、フェラーリの育成ドライバーであると共に昨年のF2王者に輝き、今季ザウバーからF1デビューして大活躍中のシャルル・ルクレールである。ルクレールは非力なザウバーのマシンを駆り、今季ここまでに5回の入賞。非凡なところを見せつけており、目下フェラーリ入りは間違いないとも言われている。しかし、今季のドライバーであるキミ・ライコネンは、5戦連続を含む8度の表彰台を獲得するなど、抜群の安定感を示すと共に、ベッテルとも良好な関係を築いている……フェラーリ陣営としては、頭を悩ませるところだろう。
このフェラーリのパワーユニットを使う他の2チームのうち、ハースは今季のラインアップを継続する方向性だろう。しかしザウバーについては、フェラーリのふたり目が誰になるのか次第で、その状況が大きく変わってくる。
ルクレールとライコネンのうち、フェラーリのシートを手にできなかった方がザウバーで戦う可能性が強いとの見方もあるが、ライコネンが自身のF1デビュー時のチームであり、表彰台を狙うのが難しいポジションにいるザウバーに戻るということが、果たしてあるのか……疑問符がつくところだ。またザウバーのドライバー候補には、現職のマーカス・エリクソンと、もうひとりのフェラーリ育成ドライバーであるアントニオ・ジョビナッツィの名も挙がっている。ジョビナッツィは、昨年前半戦で代役参戦を果たしたが、今季は1年間レースに参戦せず、待たされている状態。そろそろ日の目を見たいところだ。
メルセデス製パワーユニット勢は、フォースインディア、ウイリアムズ共にドライバーは未定である。
ただフォースインディア(チーム名が変わるかもしれないが……)は、財政難に陥り管財人の管理下に入ったチームを救ったローレンス・ストロールの息子であるランス・ストロールがウイリアムズから移籍し、メキシコから協力なバックアップを得ているセルジオ・ペレスが、もうひとつのシートを得ると言われている。エステバン・オコンも当然候補のひとりだが、前述のふたりが一歩優勢といった見方が強い。
もうひとつのメルセデスPUユーザーのウイリアムズも、そのシート争いが混沌としている。今季F1復帰を目指していたロバート・クビサや、現職のセルゲイ・シロトキンらは当然候補となるが、ストロールがフォースインディア入りを逃した場合には、当然候補者のひとりになるはずだ。
なおメルセデスとしては、今季F2に参戦中で、ランキング首位のジョージ・ラッセルをF1にデビューさせたいという思惑があるはず。そうなった場合には、ウイリアムズのシート争いが大激戦ということになるだろう。
ルノー陣営のマクラーレンは、ストフェル・バンドーンとランド・ノリスが、サインツJr.のチームメイトの座を争っている状況。ただ、今季なかなか結果を残せていないバンドーンに対するチームの評価はあまり高くないとも言われており、ノリス優勢が伝えられる。ノリスは、今週末のベルギーGPと次のイタリアGPのFP1で、マクラーレンのマシンを走らせる予定であり、デビューに向けた”下準備”と言うこともできるだろう。またこのシートを争う第3の候補者として、フォースインディアを放出される可能性が高いと言われるオコンの名も挙がっている。
もっとも見極めが難しいのが、トロロッソ・ホンダの来季ラインアップだ。トロロッソは、周知の通りレッドブルのジュニアチームである。そのため、将来のレッドブル・レーシングを担う可能性がある若き才能の登竜門であり、育成出身の若手が乗ることが多い。しかし、現時点でレッドブルの育成枠には、すぐにF1デビューを果たすことができる若手は存在せず、陣営は頭を悩ませている。
レッドブルが今最も強力に後押ししている若手は、ダニエル・ティクトゥムだが、スーパーライセンスポイントが足りないため、来季のF1デビューはほぼ不可能な状況である。また、ホンダの後押しもある福住仁嶺、牧野任祐も、今季ここまで苦戦しており、スーパーライセンス発給に必要な”スーパーライセンスポイント”を40稼ぐのは難しい状況となってきている。
そのため苦戦が続いているブレンドン・ハートレーが残留。残りのシートには、マクラーレンを追われるとみられるストフェル・バンドーンの名、さらにかつてトロロッソでF1を戦ったセバスチャン・ブエミやジャン-エリック・ベルニュといった、フォーミュラE活躍組の名も挙がる。また、F2ランキング3番手のアレクサンダー・アルボンも名乗りを上げている。
活発に動き始めた、来季に向けたドライバー市場。この後も続々と発表が続いていくことだろう。
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