ツインリンクもてぎではSUPER GTのシリーズ第4戦、FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACEが開幕。8月から居座り続けていた猛暑・酷暑が一段落したと思いきや、局地的にゲリラ豪雨を引き起こす不安定な天候に見舞われることになった。
午前中に行われた公式練習では曇り空の下、一部霧雨が舞うタイミングもあったものの、ドライコンディションで行われた。しかし、午後の公式予選ではダンプコンディション(ドライ路面の各所にウェットパッチが残る状態)で始まったが、その後少しウェット状況が増す中、各ドライバーがスリックタイヤで挑むという、難しいアタックとなった。
■SGT第4戦もてぎ GT500予選|38号車ZENTが雨の中で一発の速さをみせ今季初PP獲得
この公式予選でポールポジションを奪ったのは#38 ZENT GR Supra。Q2のアタックを担当した立川祐路にとっては、自己の持つ通算最多ポールポジション記録をまたひとつ積み上げる24回目のPPでもある。
「開幕戦から苦戦が続いていましたが、クルマ自体は前回の鈴鹿からフィーリングが良くなっていました」
予選終了後に行われたポールポジション会見で立川は、そう切り出した。
そして「今日は朝から天候が不安定で、午後の公式予選もドライなのかウェットなのか悩むところでした」と振り返った。
まだまだ猛暑が居座っていたこともあり「自分たちはレースを考えてタイヤを選んでいて、ドライに関してはもう少し暖かく(=路面温度が高く)なった時を想定していたので今日のコンディションでは温めるのが大変だろうと思っていました」とした立川だったが、実際には流れが変わってきたようだ。
実際、立川が担当したQ2ではウェットに変わって行くのだが「これが自分たちに良い流れになりました。ブリヂストンさんがこのコンディション向けの良いタイヤを用意してくれて、これが良いパフォーマンスを見せてくれました」とタイヤのパフォーマンスを絶賛した。
ただしその一方で思わぬハプニングもあった。タイヤの温まりが良くてペースも早く上げることができ前を走る19号車(#19 WedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資)に思いの外近づいてしまったのだ。
90度コーナーへのアプローチで19号車と軽く接触、これを押し出す格好となったのだ。これに関しては立川も「この周しかないと思い、ちょっと寄りすぎてしまいました」と申し訳なさそうに語っていた。
これで24回目のポールポジション獲得だが、「自分ではあまり(ポールが獲れたとの)自信がなくて、無線でポール獲ったと知らされて、自分でびっくりしたほどでした」と立川は言う。
「これで(ポール獲得の通算記録は)24回目ですが、23という数字は良くない(ライバルの#23 MOTUL AUTECH GT-Rのゼッケン)ので、24になってホッとしています」と会見に集まった記者からの笑いを誘うと、「確かにいい流れになってきたので、これを逃さないようにしたいと思います。コロナではないですけど、前回までは“活動自粛”だったので明日は活動を再開します。もちろん優勝を狙って頑張ります」と笑いとともに結んだ。
■石浦、勝利狙うも焦りはなしか
その立川に繋いだ石浦だが、開幕から続いた嫌な流れを断ち切るきっかけもあった。彼がアタックしたQ1でセッション最後に90度コーナーでコースオフした車輌があり、ここでイエローフラッグが降られていたのだ。
「今シーズンは開幕から流れが良くなかったのですが、今日はここまで良い流れで来ることができました」と石浦は切り出した。
「予選のQ1は濡れている中スリックでスタートすることになり、精一杯アタックしました。ただ最後のアタックラップでイエローが出ていたことでアタックを中止せざるを得なくて、(予選Q1を)通るのはギリギリじゃないかな、と思っていました」と予選を振り返った。
そしてもう少し詳しくと質問した取材記者に応えるように「イエロー区間に関してはヘアピンを立ち上がるところでピットから無線で、90度コーナーでイエローが出ているからと知らされていたので、この周のアタックは無理だと判断してバックストレートを下っている途中で、現場を確認しました。目の前を走っていた坪井選手(#14 WAKO'S 4CR GR Supraの坪井翔選手)も慌ててブレーキを踏んでいましたね」と状況を説明。
そのイエロー区間でペナルティからタイム抹消されたクルマがあり「繰り上がって8番手になり、Q2を担当する立川さんにバトンを渡すことができました。ギリギリセーフ、と言ったところでしたね」とほっとした表情で話した。
明日の決勝レースに関しては「チャンピオン争いを考えるなら、明日のレースでは絶対に勝ちたいという気持ちもありますが、いつもと同様ベストを尽くして走り、いい仕事をしたいと思います」といつもの落ち着いたトーンで結んだ。
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