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【世界初公開】マクラーレン・アルトゥーラ PHEVの新型スーパーカー “超軽量”の哲学、いかに実現するか?

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【世界初公開】マクラーレン・アルトゥーラ PHEVの新型スーパーカー “超軽量”の哲学、いかに実現するか?

アルトゥーラ(Artura)とは

スペックの数値には、確定前(最終評価待ち)の情報を含みます。

【画像】マクラーレン新モデル アルトゥーラ【じっくり見る】 全52枚

英マクラーレン・オートモーティブが、新時代の到来を告げるモデル「マクラーレン ・アルトゥーラ(McLaren Artura)」を発表した。

ブランド初の量産ハイパフォーマンス・ハイブリッド・カーであり、同社は「レーシングカーとロードカーにおける半世紀以上の専門性と経験を注ぎ込み、マクラーレンがこだわるドライバーとのピュアな一体感と、画期的なテクノロジーを融合した次世代スーパーカー」と紹介している。

拡大するマクラーレンのラインナップの中で「アルトゥーラ」の注目点は、電動化によるスロットル・レスポンスの短縮、CO2排出量の削減、EVモードによる最長30kmの“排出量ゼロ”走行が可能となっていること。

量産モデルという枠組みのなかで、こうした電動化の恩恵を、いかにマクラーレンの「超軽量エンジニアリングの哲学」と両立させたかが見どころとなる。

モーター、バッテリーパックなど、ハイブリッドの要素とコンパクトなパワートレインを組み合わせ、新開発のプラットフォームと融合。

電気系統で使われる配線の重量まで厳格にシェイプアップを進めた結果、アルトゥーラは最軽量の仕様で、乾燥重量1395kgを達成している。

ハイブリッド・コンポーネントの総重量は実に130kg(うちバッテリーが88kg、モーターが15.4kg)で、DIN車両重量は1498kg。

「ハイブリッド・パワートレインを“搭載しない”スーパーカーと同等」とマクラーレンが胸を張るエンジニアリングの結晶について、詳しくみていこう。

アルトゥーラ パワートレイン

搭載されるM630エンジンは、まったく新しいアルミニウム製V6ツインターボ・ユニット(ドライサンプ式)。

エンジンの最高出力は585psで、排気量1リッター当たり200psに迫る。最大トルクは59.7kg-m。レブリミットは8500rpmだ。

その重量はわずか160kg。マクラーレンのV8ユニットより50kg軽く、エンジン長も大幅に短い。

バンク角は120°となり、いわゆる“ホットV”にターボチャージャーを配置。

この新開発のV6と調和して働くのがコンパクトなアキシャル・フラックスEモーター。トランスミッションのベルハウジング内に搭載されている。

一般的なラジアル・フラックスモーターより小型で電力密度が高く、95ps/22.9kg-mを発生。その1キロあたりの電力密度はマクラーレンP1のシステムを33%も上回る。

モーターによる瞬時のトルクデリバリーは「トルク・インフィル」と呼ばれ、これが極めて鋭いスロットル・レスポンスの鍵に。

アルトゥーラは、0-100km/h加速3.0秒、0-200km/h加速8.3秒を達成。最高速度については、リミッターで330km/hに制限されている。

新開発のツインクラッチ・トランスミッションは、エンジン・ディスコネクトクラッチを介してデュアル推進システムから駆動力を得る。

パワーデリバリーとトルクデリバリーを最適化するため、既存のトランスミッションより1速増えたにもかかわらず、長さを40mm短縮。また、後退はモーターが逆方向に回転するので、リバースギアが不要となった。

アルトゥーラ PHEV/モード設定

モーターの動力となるバッテリーパックは、5個のリチウムイオン・モジュールからなり、使用可能な最大電力量は7.4kWh。

純粋なEV航続可能距離は30kmとなる。

バッテリーは冷却レールを使った冷媒冷却方式。バッテリー電力を車両後方からフロントの補機類に伝送する配電ユニットも含めたアッセンブリーは、構造の一部を成すカーボンファイバー製フロアにマウントされる。これをモノコックのリア底部にボルト付けすることで、剛性や重量配分、衝突保護性能を最適化するという手法をとった。

アルトゥーラは完全なプラグインハイブリッド(PHEV)機能を備え、標準的なEVSEケーブルを使い、2時間半で80%の充電が可能。また、選択した走行モードに応じて、走行中に内燃エンジンからバッテリーに充電することもできる。

パワートレインの設定は4モードから選択でき、そのうち「Eモード」では電気のみを使うEV走行を実現。

多様なドライビングシーンに対応する「コンフォートモード」では、走行距離と効率性を最大化するため、ストップ&スタートモードの使用を拡張し、40km/h未満では内燃エンジンを停止。速度とパワーが求められる際は段階的にエンジンを利用する。

「スポーツモード」「トラックモード」では、低速域のレスポンスと加速のために、電力をよりアグレッシブに用いる(トルク・インフィル)というシステムだ。

アルトゥーラ 外観

アルトゥーラの外観についても確認していこう。

いかにもスーパーカーらしい低いノーズに、キャブフォワード、ハイテールのスタンス。マクラーレン特有のディへドラル・ドアは、よりボディに沿って開閉し、ミラーはタイトに折りたたまれて格納され、ドラマチックな雰囲気を演出。

あたかも “シュリンクラップド(包装)” のようなスタイリングのアルトゥーラは、マクラーレンの新たなデザインアプローチを表している。

全体的なフォルムは、空力性能と冷却のために気流を整え、パフォーマンスを最大化するよう造形され、「すべてのものに理由がある」というマクラーレンのデザイン理念がうかがえる。

その一例がフロント・スプリッターの中央部分で、eHVACシステムの吸気口とともに、オプションのADASパッケージのフロント搭載レーダーを配置する。

また、アルトゥーラは当初から、魅力的なドライビングと最高レベルの運動性能という、マクラーレンのコアとなるキャラクターを意識して設計された。

公道/サーキットの双方で突出したパフォーマンスを発揮しながら、EVモードで市街地を静かに走行する洗練性も持ち合わせている。

マクラーレンのエンジニアが重視した点は、ブレーキング時の安定性、リアエンドのコントロール性、グリップの増強、空力ダウンフォースの最適化、そしてドライバーとの一体感の強化なのだ。

そのキーとなる、車内の様子についても確認しておこう。

アルトゥーラ 内装

車内に目を向けると、コクピットはこれまで以上にドライバー中心の空間となった。

ドライブモードのセレクター(従来どおりパワートレイン/ハンドリングは個別に調整可能)は、メーターナセル上部に移設され、ステアリングから手を離さずにモードを変更できるようになっている。

そのメーターナセル自体は、ステアリングコラムにマウント。ステアリング・ホイールとともに調節でき、運転時の人間工学がいっそう強化される形となった。

ドライバーを直接支えるシートにもトピックがある。軽量で、ホールド性に優れる新たなクラブスポーツ・シートが本モデルでデビュー。

太もも裏のサポート、シートの高さ、背もたれを調節する時には、シート全体が一体となって楕円の弧を描いてピボットする。またオプションでコンフォート・シートも用意されている。

また、カーボン製モノコックシェル、ダッシュボード、ドアが、いずれもスリムなため、97.5パーセント点にあたる身長193cm(6フィート4インチ)のドライバーでも、膝周辺の空間やレッグルームに余裕があるという。

ショルダールームも広く、背もたれを大きく倒して身体を伸ばせるようになったのは、大きな進歩だ。

マクラーレン自ら「ドライバーとパッセンジャーへの快適性こそ、アルトゥーラ開発のモットー」と主張するだけあり、NVH性能(ノイズ・振動・ハーシュネス)は、電動モードではほぼ無音の走行となるレベルを追求。

これに加えて、ピレリのノイズキャンセリングシステム(PNCS:ロードノイズを低減する特許取得技術)は、タイヤ内部のポリウレタンスポンジが振動を吸収し、キャビンへ伝わるノイズを最低限に抑えている。

アルトゥーラ シャシー「MCLA」登場

MCLA(マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャ)をコアに採用した最初のモデルとなるアルトゥーラ。

高性能ハイブリッド用に最適化され、専用のバッテリーコンパートメントを備えるほか、画期的なドメイン型のイーサネット・エレクトリカル・アーキテクチャと、電動の暖房・換気・空調(eHVAC)システムを採用。

これにより配線が最大で25%削減され、データの伝送速度が向上。後述の先進運転支援システム(ADAS)との親和性が高まった。

パワートレインのモードとは別系統で用意されるハンドリング用モードでは、ドライバーの好み、天候、路面状況に合わせて、ダンパーの硬さとエレクトロニック・スタビリティ・コントロールの介入の程度を調節できる。

こうした目標達成の鍵となったのが、マクラーレンが初めて採用した電子制御ディファレンシャル(Eデフ)で、リア・アクスルの左右に分配されるトルクを個別に制御。

Eデフは機械式デフロックより軽量・小型(トランスミッション内部に格納)で制御しやすく、ロックの作動と解除を左右のリアタイヤで個別に行って、コーナー脱出時のトラクションを向上させる。

ダイナミクスの正確性を支えるもう1つのテクノロジーが、ピレリの「Cyber Tyre」技術。各タイヤ内部の電子チップがリアルタイムでデータを生成、これを車両の安定制御システムに伝達するとともに、タイヤの空気圧を監視してパフォーマンスを最適化する。

アルトゥーラ 装備/ADAS

装備面では、新開発のインフォテインメント/インターネット接続システム(MIS II)を覚えておきたい。

2個の高解像度スクリーンを活用したインターフェイスで、新ソフトウェアと専用ハードウェアをもとに、スマートフォン並みの応答性を実現し、ミラーリングも可能に。

MIS IIには、マクラーレン・トラック・テレメトリーやバリアブル・ドリフト・コントロールなど、おなじみのマクラーレン・アプリのアップデート版を搭載。

最大のニュースは、オプションでドライバーを支援するADASが利用できること。

ストップ&ゴー機能付きインテリジェント・アダプティブ・クルーズコントロール、レーンデパーチャー・ウォーニング、自動ハイビーム・アシスト、ロードサイン・レコグニションを搭載。

これらとインフォテインメント・システムは、OTAアップデートを利用して強化できる方式だ。

またアルトゥーラは、キーに低消費電力Bluetoothを備え、ドライバーが車両に近づいてくるのを検知するとシステムの電源を入れてオーナーを迎える。その1つがドアに装備された“点灯するまで見えない”アンビエント照明で、これがパドルランプの役割も果たす。

アルトゥーラ ラインナップ/納車開始時期

アルトゥーラは、本日2月17日のアンヴェールを受けて、現在オーダーが可能(一部市場に限る)。

英マクラーレンは、オーナーへの納車は「今年の第3四半期に始まる」と発表している。

イギリス向けのラインナップは、標準仕様のほかにも3種類を用意。

スポーティで機能的な美しさを特徴とする「パフォーマンス」、テクニカルでラグジュアリーな要素を中心にした「テックラックス」、アバンギャルドで大胆なルックスと印象の「ヴィジョン」だ。

また、5年間の車両保証、6年間のバッテリー保証、10年間のボディ保証が標準で付帯される。

アルトゥーラ スペック

スペックの数値には、確定前(最終評価待ち)の情報を含みます。

全長×全幅×全高:4539×1913(ミラー含む:2080mm)×1193mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1395kg(乾燥)
パワートレイン:2993cc V6ツインターボ+モーター
最高出力(システム統合):680ps
最大トルク(システム統合):73.4kg-m
最高出力(エンジン):585ps/7500rpm
最大トルク(エンジン):59.7kg-m/2250-7000rpm
最高出力(モーター):95ps
最大トルク(モーター):22.9kg-m
トランスミッション:8速デュアルクラッチ
0-100km/h加速:3.0秒
0-200km/h加速:8.3秒
最高速度(リミッター):330km/h
最高速度(モーター走行時):130km/h
駆動方式:MR
燃料タンク容量:72L
80%充電時間(EVSEケーブル):2.5時間

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