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ランドローバー・レンジローバー・スポーツHSEダイナミックD300試乗 ディーゼルの最後味わう

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ランドローバー・レンジローバー・スポーツHSEダイナミックD300試乗   ディーゼルの最後味わう

余命4年のディーゼル+スポーツ

つい先ごろ、5代目となるレンジローバーが発表された。

<span>【画像】ディーゼル最後の味わいと電動化の風味【レンジローバー・スポーツHSEダイナミックD300を見る】 全206枚</span>

ということは今回の主役である現行のレンジロ-バー・スポーツに関しても「モデルライフ末期」といえそうだ。

そんな「スポーツ」のラインナップに昨年秋、3L直6ディーゼル 48Vマイルドハイブリッド(MHEV)が追加されている。

車名の末尾にパワートレインの種類と最高出力を示すD300(ディーゼル/300ps)という文字列が加えられた今回の試乗車がそれである。

現行レンジローバースポーツには、このディーゼルMHEV以外に3つのパワートレインが揃っているが、それらはすべてガソリン。

2L直4+48V PHEV、3L直6、そして5L V8スーパーチャージドである。

レンジローバーをよりスポーティに仕立てたモデルがレンジローバー・スポーツなので、「ディーゼルって必要?」という見方もあるはず。

だが車重が2.5t近くあるSUVがスポーティに走るためにはトルクはいくらでも欲しいところ。

実際にエンジンとモーターによる最大トルクの和は71.8kg-mにも達し、これはシリーズ最強の5L V8の値をもわずかに上回るものになる。

風雲急を告げる電動化の未来に向け、2026年までにディーゼルの廃止を宣言しているランドローバー。

つまり最長でも4年の命というディーゼル直6だが、MHEVであることを考えれば、電動化の一環という見方もできる。

ちゃんと「スポーツ」として成立しているか、さっそく試乗してみることにしよう。

シリーズ最後のカンフル剤?

フィレンツェレッドという情熱的なメタリックレッドを纏ったレンジローバー・スポーツHSEダイナミックD300を、御殿場近辺のカントリーロードで走らせた。

始動の瞬間こそディーゼルらしい「ブルンッ」が感じられた。

でもそこから先はボディの遮音性能の方が優っている印象。

少し前に試乗したディフェンダー110XのD300ユニットも充分に静かだと感じたが、レンジローバー・スポーツはそのはるか上を行く。

以前サーキットで試したSVRはドラッグレーサーのようにノーズを持ち上げ気味に加速し、コーナーではテールスライドすら許容するクレイジーな1台だった。

それと比べると今回のHSE D300はレンジローバー一族ならではの上品さを湛えている。

発進の瞬間をモーターが「それとわからないように」アシストし、ディーゼルの有り余る低速トルクでグイグイ加速していく。

D300の動力性能は必要にして十分だが、それが単なる「トルク発生器」で終わっていない点が最新のディーゼル直6の美点だ。

スロットルを深く踏み込めば、5000rpm付近のレッドゾーンまで淀みなく回ってくれる。

車名に見合った性格とシリーズ最大のトルクを備えたD300ユニット。

それだけでなくWLTCモードで10.3km/Lという省燃費性能までシリーズトップである点も忘れてはならない。

ストレスなく走りを楽しむことができ、お財布にもやさしい。D300はシリーズ最後のカンフル剤? そんな気がしてきた。

走りもスポーツ、唯一気になる点

乗り心地に関しても破綻がなかった。

エアサス特有のしっとりとした路面のタッチと、イギリス車らしいなめらかなハンドリングに、「これぞ高級SUV!」と唸らされる。

だがレンジローバーの印象と比べると、スポーティな仕立てが浮き彫りになる。

レンジローバーはストロークしはじめに、往年のシトロエン的なフワフワ感が感じられ、それが極上の乗り心地とハンドリングの微かな曖昧さを生んでいる。

その点「スポーツ」は、コーナー内側の白線にタイヤのショルダーで軽く触れるような精度の高い走りを楽しむことができる。

エアサスの設定以外に、レンジローバー比で約6センチ低いボディや200kg近くも軽い車体が効いているはずだ。

唯一気になったのはインテリアだった。

外観もエンジンも乗り味も皆「スポーツ」しているのだが、室内の意匠はどっしりと腰が据わった感じで、それらしさが感じられなかった。

ジャガーFペイスのような、左右非対称センターコンソールは無理だとしても、低められたルーフラインに呼応する緊張感があっても良かったのでは? と今さらながらに思ってしまった。

試乗車のメインハイドは明るいベージュ革だったのだが、これを黒系にするだけでも印象がシャープになるような気がした。

スポーティなSUVにはライバルも多いが、腰を据えて長く付き合うのであればレンジローバー・スポーツのD300モデルが最も飽きがこないと思う。

とはいえエンジンの余命よりも前にフルモデルチェンジのときが来るはず。

残された時間はあまりない。

ランドローバー・レンジローバー・スポーツHSEダイナミックD300のスペック

全長:4855mm
全幅:1985mm
全高:1800mm
ホイールベース:2920mm
車両重量:2430kg
パワートレイン:直列4気筒 1984ccターボ
最高出力:300ps/4000rpm
最大トルク:66.3kg-m/1500-2500rpm+モーター
ギアボックス:オートマティック

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