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e-パワーは英国でも好評価 日産キャシュカイ(デュアリス) へ試乗 歓迎すべき新技術

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e-パワーは英国でも好評価 日産キャシュカイ(デュアリス) へ試乗 歓迎すべき新技術

ガソリンで発電する電気自動車

日本へは未導入となっている、3代目の日産キャシュカイ(旧デュアリス)に、e-パワーと呼ばれるシリーズ式ハイブリッド版が登場した。誤解を恐れず表現するなら、ガソリンで発電する電気自動車だ。

【画像】日本未導入の最新型 日産キャシュカイ e-パワー 欧州で競合するクロスオーバーと比較 全127枚

基本的には、内燃エンジンと駆動用モーターを搭載するハイブリッドだが、実際にクルマを動かすのはフロントに搭載された190psの駆動用モーターのみ。他メーカーが採用するハイブリッドとは、構造が異なっている。

システムとしては、BMW i3のレンジエクステンダー版と近いものの、駆動用バッテリーが小さい。日産のシステムも、現在のバッテリーEV(BEV)にはつきものの、航続距離や充電に対する不安を軽減してくれる。そのかわり、ガソリン価格の影響は受けやすい。

英国の日産は、e-パワーを橋渡しの技術だと呼んでいる。日常的な自動車利用の利便性を損なうことなく、BEVに近い運転体験を提供し、完全なBEV時代への移行を促すとしている。

「私たちは、可能な限り次世代のクルマ、BEVに近づけるよう努力しているのです」。と日産の広報担当者は話していた。

同社は、2030年までに世界の販売台数の50%へ電動化技術を搭載する、という目標を掲げている。このキャシュカイ e-パワーは、その一部を構成することになる。リーフに次ぐ2台目のBEV、クロスオーバーのアリアとともに。

完成度が非常に高いハイブリッド

実際に運転してみると、高負荷時にボンネット内からかすかなエンジンノイズが聞こえてくるものの、それ以外はBEVに近い印象を与えてくれる。発進加速はスムーズで活発。リニアにスピードを乗せていく。

日産がe-ペダルと呼ぶワンペダル・モードをオンにすると、回生ブレーキが強力になり、しっかりした減速感を得られる。走行中は変速もしないため、追い越し加速時にキックダウンを待つ必要もない。

エンジンの存在感が出てくるのは、積極的に運転したときのみ。回転数は走行スピードに合わせて可変するよう調整したと日産側は主張するが、サウンドが気持ちを高ぶらせることはないだろう。

e-パワーの完成度は非常に高く、好感触。運転する時間が長くなるほど、その価値を実感するはず。従来の1.3Lターボエンジン版に組まれる、CVTのぼやけた印象は存在しない。それでいて、燃費の向上とCO2の排出量削減に結びついている。

都市部や郊外の一般道に最適化されており、目立って速かったり、ドライバーが運転に夢中になるほどではない。ベストは、右足を軽く優しく操作するようなスタイル。現行のキャシュカイで最も上質な、妥協の少ないパワートレインだと感じると思う。

合理的に選べるクロスオーバー

パワートレイン以外の、キャシュカイの長所は従来どおり。安定した走りで、挙動は予想しやすく、合理的に選べるコンパクト・クロスオーバーだといえる。快適で静かで、操縦性も悪くない。

今回のアップデートにあわせて、インフォテインメント・システムも大きなタッチモニターによる新世代が実装されている。より扱いやすく、機能性も高められている。

欧州の日産は、キャシュカイの販売台数の約4割を、e-パワーが占めるだろうと予想している。同社にとって、非常に重要なラインナップへの追加となる。

筆者が試乗した印象では、その数字は現実的なものだと感じた。キャシュカイのユーザーの多くが、このe-パワーのメリットを実感できることは想像に難くない。

唯一、引っかかる点として挙げられるのが英国での価格。エントリーグレードで3万2950ポンド(約550万円)からで、トップグレードでは4万980ポンド(約684万円)に達し、従来のキャシュカイより明確に値段は高くなる。

それでも、同セグメントのプラグイン・ハイブリッドと比べれば、だいぶ安い。優れた燃費で燃料代は節約できるから、乗り方次第では見返りも大きい。歓迎すべき新技術といって良いだろう。

日産キャシュカイ(旧デュアリス) e-パワー(英国仕様)のスペック

英国価格:3万2950ポンド(約550万円)
全長:4425mm
全幅:1838mm
全高:1635mm
最高速度:168km/h
0-100km/h加速:8.5秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:119-123g/km
車両重量:1650kg
パワートレイン:直列3気筒1498cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:1.85kWh
最高出力:190ps(駆動用モーター)
最大トルク:33.5kg-m(駆動用モーター)
ギアボックス:シングルスピード

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みんなのコメント

5件
  • モデルチェンジされたエクストレイルよりもキャッシュカイの方がスタイリッシュなんだけどね。国内で買えないから無い物ねだり…。
  • キックスはいらないからキャッシュカイかジュークがあった方が売れると思うけどなぜ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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