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クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニへ試乗 楽しい個性はキープ 前編

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クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニへ試乗 楽しい個性はキープ 前編

Aシリーズ・エンジンを電気モーターに置換

近年の欧州では、クラシックカーをバッテリーEV(BEV)に変換(エレクトロモッド)する事例が増えている。その理由は、重いクラッチペダルや面倒なキャブレター、トランスミッションを変速するという手間から開放され、乗りやすくなるからのようだ。

【画像】クラシック・ミニを電動化 エレクトロジェニック・ミニ BEV化事例はほかにも 全102枚

だが、ポルシェやフェラーリなど、内燃エンジンが大きな魅力を構成しているモデルの場合は、クルマとしての魅力を奪っているようにも思える。今後、自然吸気の水平対向6気筒やV型12気筒が量産車に採用される可能性は、極めて低い。

市街地を元気に走る美しい姿を目にできるという点では、筆者も賛同できなくはないけれど。読者はどうお感じだろう。

反面、エンジンが主役ではなかったクラシックカーの場合は、少し話が違う。エレクトロモッドのベースとして、悪くない候補になり得る。シトロエンDSなどは近未来的なスタイリングと相まって、電気モーターが似合いそうに思える。

英国では、オースチンが開発したAシリーズと呼ばれる直列4気筒エンジンが、多くの量産モデルへ搭載されてきた。チューニング次第で大幅に能力を高めることも可能で、クルマ好きに愛されたユニットでもある。だが、基本的には実務的な機械でもあった。

そんなAシリーズを搭載していたモデルの1つが、BMCミニ。今回試乗したのは、英国のエレクトロジェニック社が1994年式のミニから内燃エンジンを降ろし、BEVへ生まれ変わらせ1台だ。

車両代抜きの改造費は約534万円から

AUTOCARを定期的にお読みいただいている方なら、同社が手掛けたポルシェ356をご記憶かもしれない。このクルマにも、それに近い技術が施されている。

初めに触れておくと、エレクトロジェニック・ミニは量産車ではない。基本的にオーダーメイドに近く、ミニやポルシェに限らず、名前を聞いたことのない様なクラシックカーでも、充分な予算を用意すればエレクトロモッドしてくれる。

ミニに限っては需要が高いらしく、比較的ローコストでBEV化できるという。納期も他のモデルより短いらしい。今回試乗させていただいたクルマは、英国のスモールカー・ビッグシティ社によってオーダーされたものだそうだ。

ちなみにこの会社は、クラシック・ミニでロンドンを観光する企画を展開している。所有するミニのすべてを、これからBEVへ改造する予定だという。

観光企業がこんな計画を組むほどだから、他のモデルのように驚くような金額を準備する必要はない。実施規模が大きいほど、コストは下がっていく。といっても、良好な状態のベース車両とは別に、3万2000ポンド(約534万円)の改造費が必要ではある。

ボディやサスペンション、インテリアのレストアが必要な場合は、さらに費用は膨らむ。幸い、BMCミニは錆びやすいことで有名なクラシックカーではないけれど。

最大121psで航続距離は最長160km

3万2000ポンド(約534万円)でエレクトロモッド社が与えてくれるものは、内燃エンジンとガソリンタンクの代わりに、テスラ・モデルS用の21kWh駆動用バッテリーと、駆動用モーター。航続距離は、128kmから160km程度だという。

もしリアシートを省いても構わないのなら、駆動用バッテリーは大容量化することも可能。ガソリンの給油口には、美しく削り出されたキャップが与えられ、充電ソケットが埋め込まれる。最大50kWまでの急速充電に対応する。

駆動用モーターはネットゲイン社製。同社は、エレクトロモッド用のモーターを専門に開発しており、エレクトロジェニック・ミニに積まれるハイパー9というものの場合、最高出力121ps、最大トルク23.8kg-mを発揮できる。

ただし、このミニの場合はオリジナルのガソリンエンジンと同じ、51psへ制限されている。英国では、レンタカーとして認可を得やすいことが理由だそうだ。個人的に乗る場合は、121psというすべてのパワーを開放しても構わない。

元のトランスミッションは流用はできず、シトロエンC1用の5速マニュアルが組まれ、前輪を駆動する。シングルスピードのATを専用に開発するのは、高く付きすぎる。

一通り概要を確認したところで、実際に運転してみよう。その印象は、異想像以上にミニだった。見た目が殆どオリジナルのままなことに加えて、ドライビング体験の特徴も、ほぼ何も失われていないように思えた。

この続きは後編にて。

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