時代の転換点に試したいこと
text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
photo:Luc Lacey(リュク・レーシー)
今回のテストを思いつき、はじめてテスター陣に提案したのは1年ほど前のことだった。ポルシェの現行モデルから、伝統的モデルの最も古典的な仕様と、最新モデルを連れ出して比較しようというものだ。
これは、単にガソリン対電気という構図ではない。アナログとデジタルの両極であり、内燃エンジンとマニュアルトランスミッションを積んだ後輪駆動車と、地味さをカバーするためのステアリングパドルさえない電動四輪駆動車の代表格でもある。
そのアイデアをプレゼンした後、さまざまなことが起きたが、やはりいちばん大きな出来事は地球規模のパンデミックだ。ポルシェも、911に関しては2ペダルの需要を満たすのに精一杯で、マニュアルが加わってもすべてアメリカへ送られた。この手のクルマにとって最大のマーケットだけに、そちらが優先されるのは仕方ないことだ。
そして、ついに992のMT仕様が英国に導入されても、まずは納車を待ち続けたお得意様に納車され、プレス向けの貸し出しは二の次にされた。これも仕方のないことだ。
時代の転換点に試したいこと
今回のテストを思いつき、はじめてテスター陣に提案したのは1年ほど前のことだった。ポルシェの現行モデルから、伝統的モデルの最も古典的な仕様と、最新モデルを連れ出して比較しようというものだ。
これは、単にガソリン対電気という構図ではない。アナログとデジタルの両極であり、内燃エンジンとマニュアルトランスミッションを積んだ後輪駆動車と、地味さをカバーするためのステアリングパドルさえない電動四輪駆動車の代表格でもある。
そのアイデアをプレゼンした後、さまざまなことが起きたが、やはりいちばん大きな出来事は地球規模のパンデミックだ。ポルシェも、911に関しては2ペダルの需要を満たすのに精一杯で、マニュアルが加わってもすべてアメリカへ送られた。この手のクルマにとって最大のマーケットだけに、そちらが優先されるのは仕方ないことだ。
そして、ついに992のMT仕様が英国に導入されても、まずは納車を待ち続けたお得意様に納車され、プレス向けの貸し出しは二の次にされた。これも仕方のないことだ。
アナログは道を譲る運命か
この2台のスペックを比較して、どうしてわれわれがこの組み合わせに固執したのか、疑問に思う読者も少なくないだろう。かたや2ドアで、もう一方は4ドアだし、タイカンは全長もホイールベースも50cmほど長く、10cmも幅広く、8cmほど高い。
加えて740kgも重い。その差より軽いクルマもあるくらいだ。比較対象は違うクルマにするべきだったのだろうか、という声があるとしても理解できる。たとえば、パナメーラとか。
われわれとしても、その比較は別の機会に行いたいところだが、今回の趣旨とは異なる。世の中的にはタイカンのような電動化モデルが、911のようなICE、すなわち内燃エンジン車にとって代わるのも、自動車の歴史的にみればそれほど遠くないことだと思われているようだ。それが正しいか否か、またいいことかどうかは別として。
そこで、多くのひとびとにとって、新時代のクルマの中でも最上の部類に入るものが、伝統的なアプローチが産んだ傑作を上回る選択肢となるまでにあとどれくらいかかるのか、それを探ろうというのが、この比較テストの趣旨だ。言い換えるなら、革新は進化を超えることができるのか、それを知りたいのだと言ってもいい。
価格も性能も意外に近い
もうひとつ、この2台を選んだ理由がある。われわれテスターは、比較をする前に、ありかなしか、二進法的な考え方をしてしまいがちだ。しかし、購入者目線で考えると、そうはならない。最近、新車のレンジローバーと中古のマクラーレン、どちらを買うか決めかねているという話を聞いたばかりだ。
長年にわたる911信者でも、税金や家族の事情、環境問題や個人的なイメージ的なことを考えて、そろそろフラット6のRRクーペを捨て、もっと広く洗練された、環境に優しく、クールなEVに乗り換えるときではないかと考えるひとがいてもおかしくないはずだ。
価格とパフォーマンスは、とくにタイカン4Sに必須オプションともいえるパフォーマンスバッテリー・プラスを追加すると、そうかけ離れたものではなくなる。となれば、911とタイカンを横並びで考えても、それほど突飛ではない話になってくる。
911にデジタルは似合わない
まず乗り込んだのは911だ。というのも、世界屈指のスポーツクーペの、2021年時点における到達点を基準に据えてから、タイカンの評価に移りたかったからだ。
それは、基準点とするのにピッタリだった。いまやMTも選べるようになった992に、純粋主義車がケチをつけるとすれば、450psの3.0Lエンジンに2基のターボチャージャーが付いていることくらいだろう。
とはいえ、ターボラグはきわめて小さく、パワー特性はスムースだ。スロットルレスポンスはシャープで、サウンドもすばらしい。ふたつのタービンがドライビングの楽しみを大きく削ぐことはないといっていいだろう。
その影響は大きいという声もあるが、911ではそうとは感じられない。運転しやすい環境はそのまま受け継がれている。個人的に大きな不満を挙げるなら、ほぼデジタル化されたダッシュボードが、このクルマのキャラクターに合っていないということだけだ。
992世代の911には、さまざまなシチュエーションで十分すぎるほど乗っている。その考えが変わるようなことがあったならば、とっくに変わっているはずだ。タイカンにアナログメーターを並べるのと同じくらい、911のデジタル化は場違いに思える。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「高いのはしゃーない」光岡の55周年記念車『M55』、800万円超の価格もファン納得の理由
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
超クラシック! ホンダが新型「ロードスポーツ」発表で反響多数! ロー&ワイドの「旧車デザイン」に「スタイル最高」の声! 女性にも人気らしい新型「GB350 C」が話題に
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
しかし軽量、大容量の全個体電池搭載が始まればエンジン車に勝ち目はない。
特に車重がエンジン車と同等程度になれば、重心、各種の制御システムがEVとの調和に優れていることでエンジン車を購入するメリットは少なくなる。
日本では大渋滞に巻き込まれた場合を考慮したうえで購入しないと痛い目に合う可能性がある。