世界耐久選手権(WEC)第7戦富士の予選で4番手となったトヨタ7号車の小林可夢偉は、週末を通してマシンのセットアップに苦しんでいた中での4番手は、思ったより良い位置だと話した。
予選後、メディアの取材に応えた小林は、自身のアタックについて「まあまあでした」と語った。
■僅差の予選2番手となったトヨタ8号車平川亮「現状の中で最大限やれた」と自身のアタックには満足
小林は、ハイパーポール進出を目指す12分間の予選を一足早く切り上げ、5番手で通過。ハイパーポールでは、真っ先にアタックに入ると、1分29秒065をマーク。最終的に4番手となった。
アタックに入るタイミングを早めたことについて質問されると、小林は「一か八かやってみて、良くもなく悪くもなくという感じでした。奇跡のラップはできなかったです」と予選を振り返った。
「(予選)Q1はブレーキも冷たいので、タイヤが冷たいです。ハイパーポールは既にタイヤに温度があるので、ワンチャンいけるかなという希望をかけて、セクター1はちょっとタイムが落ちるけどセクター3でどれだけ取り返せるか、ということを考えましたが、どっちもどっちというか、どちらも似たようなものかなと思います」
小林は、7号車が週末を通してマシンのセットアップで苦しんでおり、最終的に僚機8号車のセットアップをコピーしたと明かした。
「今週は正直ずっとハマっていて……8号車が調子良さそうだったので、そのセットアップをコピーさせてもらいました」
「何をしてもコンマ5秒くらい遅くて。さすがにということでコピーさせてもらいました。今週取り組んでいた方向性が間違っていたので、8号車に助けてもらいました」
「ぶっつけ本番といった要素もあり、自分としても合わせきれなかったという思いもありますが、自分たちが思っていたよりも良い位置からのスタートができるので、明日に向けてしっかり準備していきたいです」
決勝に向けての感触についても、そうした状況から未知数な部分が残っていると語る小林。それでも勝たなければならない、そのためのクルマ作りをしていくと言葉に力を込めた。
「勝つしかないんですよ。だから勝つためにやり切る仕事にチームと共に取り組んでいきたいです。十分良いスタート位置だと思うので、ここからもう一回、自分たちが速いクルマを作るべく、今日学んだことを見直して、明日に向けてどういう戦略、クルマづくりをしていくかというミーティングをしていきたいです」
もう一つ重要なのが、トヨタ7号車の小林とニック・デ・フリーズはドライバーズランキング2番手につけているということだ。予選ではライバルたちの前に出ることはできたが、ポイントリーダーのポルシェ6号車は真横、同ポイントで並ぶフェラーリ50号車は真後ろからスタートする。
そうした状況だけに、スタートはタイトル争いの上でも重要な瞬間となるが、小林は冷静に対処してトップを目指すと意気込んだ。
「僕らは僕らのレースをしないといけないと思います。(ライバルたちが)カマしてこられたら、カマし返すことはできないので、冷静に判断してうまく対処して、最後にはトップで帰ってこれるレースがしたいです」
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