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ヤマハ新型テネレ700・ローダウンタイプとスタンダードを徹底比較【足着きの不安も解決】

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ヤマハ新型テネレ700・ローダウンタイプとスタンダードを徹底比較【足着きの不安も解決】

シート高ダウンで安心度アップ[ゴーライド]

ヤマハ新型テネレ700ABSをベースに、ローシートとローダウンリンクを装備することで約38mmのローダウンを実現したアクセサリーパッケージ「テネレ700ロー」。その足着き性と走りがスタンダードとどこまで変わっているのかを、『オフロードマシン ゴー・ライド』の編集長オガPが市街地/高速道路/ダートで徹底チェックしてきたゾ。

ヤマハ新型テネレ700でオフロードを遊ぶ!!【高速巡航性とオフロード走破性を両立】

―― 【YAMAHA Ténéré700 ABS Low】主要諸元 ■全長2370 全幅905 全高1455 軸距1595 シート高875(各mm) 車重205kg ■水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 688cc 72ps/9000rpm 6.8kg-m/6500rpm 変速機6段 燃料タンク容量16L ■タイヤサイズF=90/90-21M/C 54V R=150/70 R18M/C 70V ●色:マットダークグレーメタリック6 ●価格:126万5000円 ※スペックは標準仕様

テネレ700 ロー:トータルでスタンダード比38mmローダウン

「ヤマハ新型テネレ700でオフロードを遊ぶ!!」と題し、前回テネレ700の試乗インプレッションを行なったが、高速移動が快適で、ダートでは軽快なマシンコントロールを楽しめるのが好印象だった。

その一方で、875mmのシート高は身長172cmの筆者(ゴー・ライド編集長オガP)にとっては高く、ダートでのUターンでは足着き性に不安を感じた。さらに、市街地の渋滞や右折時の極低速走行では、すぐに足を着けるようバランス修正とボディアクションをつねに意識する必要もあった。

ただそのシート高は、フロント210mm/リヤ200mmのサスストローク実現に貢献していて、レスポンスのいいエンジンと組み合わされることで、重厚なアドベンチャーマシンを凌駕する高いオフロード走破性を実現していたのも事実だ。

とはいえ、875mmのシート高に不安を感じたのは筆者だけではないわけで、そこでヤマハはより安心してライディングができるアクセサリーパッケージ「テネレ700ロー」を設定した。

スタンダードから約20mm低くなる”ローシート”と、リヤサスのリンク長を変更しシート高を約18mm下げる”ローダウンリンク”の2つを装備したアクセサリーパッケージにより、トータルでシート高は約38mm下がるという。

それでいながらSTDのテネレ700と同価格というコストパフォーマンスの良さも実現。足着きに少しでも不安があるなら、このアクセサリーパッケージを迷わずチョイスできるのが嬉しい。

―― テネレ700ローに装備されるローシート/ローダウンリンクは、それぞれ単品での購入もできる(2万7500円/1万1880円)。どちらもワイズギア製品。 [写真タップで拡大]

◆足着き性の不安はしっかりと解消

さっそくまたがってみると、ローダウンの恩恵はすぐに体感できた。お尻をズラすことなく、片足のつま先がしっかりと地面に着いたからだ。そして、ほんの少しお尻をズラすと、足裏までベッタリと着くことができた。250トレールに乗っているような感じで、安心感はかなり高い。

実際、街中の渋滞や右折時の足着きの不安は解消された。これはダートでも同様で、Uターンの不安はかなり減り、その安心感からテールスライドといったアクションも余裕をもってできるようになった。

―― 約38mmシート高が下がった「ロー」の場合、身長172cmの筆者だと片足のつま先をしっかりと着くことができる。お尻をズラす量も少なくてすむ。ただし、ヒザの曲がりはキツくなり、相対的にハンドル位置が高くなるので、少し尻下がりな姿勢に感じる。見晴らしのよさ、サス性能をフルに使えるといった点はスタンダードに分があるが、大幅に改善される足着き性と、その安心感が生むマシンコントロールのしやすさはローの大きなメリットだ。ちなみにスタンダードのシート高は875mmで、片足のつま先が届く程度の足着きだった。

―― 信号待ちでの足着きに不安感は一切なくなった。250トレールのように取り回せるので、扱いやすさも各段に向上している。

◆STD同様の高速巡行性とオフロード走破性。ライディングポジションはややタイトで尻下がりに

アクセサリーの説明に、リヤサスのリンク長が変わっていることにより「サスペンションの特性が変化する」という注意書きがあったが、市街地/高速道路/林道程度のダートでは、ストロークの初期の硬さ/スムーズさといった点ではノーマルとの違いは体感できなかった。

ダートでは敢えてギャップに入ってみたが、底突きして車体が突き上げられることも皆無だった。私のような中級未満のライダーなら、サス性能に不満を感じることはないのでは? というのが正直な感想だ。

ただ、シート高が下がったことでお尻とステップとの距離は短くなっている。それゆえ、ヒザの曲がりが若干キツくなったのを感じた。そして、相対的にハンドル位置は高くなるので、シッティングではやや尻下がりなライディングポジションに感じた。

それがハンドリングや走破性に影響しているのは感じなかったが、前後サスは圧側/伸び側の減衰調整ができ、リヤサスはプリロード調整もできるので、自分の好みにセッティングすれば、ライディングポジションの最適化も図れるだろう。

足着き性が不安なら迷わずローをチョイス。慣れたらスタンダードに戻せばいい

STDのライディングポジションは、ステップ/着座位置/ハンドルの3点にこだわり、とくにスタンディングではマシンコントロールしやすいポジションが自然と決まる。足着き性は厳しいが、シッティングでの見晴らしもよく、全身リラックスした状態でライディングできるのは捨てがたいメリットだ。

そのライディングポジションと比べると、ローでは少しタイトに感じてしまう。とはいえ、4cm近く下がることで足着き性は大幅に改善され、さまざまなシチュエーションで不安なくライディングできるようになる。

足着き性に不安を感じているライダーには、この恩恵のほうが大きいと断言できる。ローはスタンダードと同価格であるにもかかわらずノーマルシートとリヤサスリンクが付属してくるので、まずはローでテネレの楽しさに触れ、サスペンション性能を存分に楽しみたいと思ったらSTDに戻す。この方法で楽しむのが一番無理なく、しかもお得にテネレ700と向き合えるだろう。

―― ロー(右)は約38mm下がっているが、サイドスタンドはSTD(左)と同一のものを使用する。ローシートは着座位置を約20mm下げていて、ローダウンリンクはリンクを長くすることで、約18mmシート高を下げている。2つのアクセサリーでシート高を下げているので、最低地上高をなるべく損なうことなく、足着き性を改善しているのが特徴だ。車体色はSTDと同じ3色。 [写真タップで拡大]

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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