現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > FIA、F1レーシングガイドライン改訂で“フェルスタッペン戦法”封印へ。シーズン中の承認目指す

ここから本文です

FIA、F1レーシングガイドライン改訂で“フェルスタッペン戦法”封印へ。シーズン中の承認目指す

掲載 2
FIA、F1レーシングガイドライン改訂で“フェルスタッペン戦法”封印へ。シーズン中の承認目指す

 FIAは、F1アメリカGPでレッドブルのマックス・フェルスタッペンがマクラーレンのランド・ノリスに対して行なったディフェンス戦法を受け、メキシコで行なわれたF1ドライバーとの話し合いを経て、物議を醸すレーシングガイドラインの文言を修正する予定だという。

 最終的に1-2フィニッシュを飾ったフェラーリの後ろで、フェルスタッペンとノリスはアメリカGPで激しい3位表彰台争いを展開した。

■コーナーに飛び込んだ者勝ち? フェルスタッペンへの前戦ノーペナ裁定判断についてF1ドライバーからは疑問の声も

 残り4周のターン12では2台揃ってコースオフ……ノリスはタイトルを争うフェルスタッペンをコース外で抜いたとして5秒のタイムペナルティを受けたが、フェルスタッペンはライバルをコース外へ押しやったことが理由でペナルティが科されることはなかった。

 FIAのレーシング・スタンダード・ガイドラインは現時点で、他車から攻撃を仕掛けられている際に強引なディフェンスを展開することが可能としている。エイペックスで前にいる限り、イン側に飛び込みコーナーを曲がれなくてもポジションを守ることができるのだ。

 しかしFIAはこの問題点を認識しており、抜け穴を塞ぐ必要があると見ているようだ。この変更には、フェルスタッペンがアメリカで見せた戦法以外のグレーゾーンも対象となる。

 motorsport.comの調べでは、来月カタールで行なわれるドライバーミーティングでFIAがドライバー側に修正案を提示し、承認を得る予定だという。これらはレギュレーションではなくガイドラインであるため、FIAの他の組織による承認が必要なわけではなく、レーススチュワードがすぐに履行することができる。

 グランプリドライバーズアソシエーション(GPDA)としてドライバーは団結を示しているものの、アメリカGPでの一件については賛否両論。改訂版のガイドラインは全会一致を得られない可能性がある。

 キック・ザウバーのバルテリ・ボッタスは、メキシコシティGPの木曜日に「何人かのドライバーはレギュレーションの限界に挑んでいて、ほぼ小馬鹿にしているみたいなモノだよ」と語っていた。

 motorsport.comの調べでは、メキシコシティGP初日FP2後に実施された恒例のドライバーミーティングは、GPDAのミーティングに続いて、フェルスタッペンをコース外から抜いたとしてノリスに下されたペナルティに関するFIAのブリーフィングと説明が行なわれたため長時間に及んだ。

 このミーティングには、通常通りチームのスポーティングマネージャーやフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)担当者が参加した他、スチュワードも出席した。

 ミーティングでは、フェルスタッペンのディフェンス戦術についてドライバーたちがそれぞれの立場を説明した。アメリカGP終了後やメキシコシティGPのメディアデーでは、フェルスタッペンが優先的なポジションであるディフェンス側のマシンではなかったとするノリスの意見に強く同意するドライバーもいた。

 しかし一方でフェルスタッペンのディフェンス戦術は厳しいものの、現在のルールの範囲内ではフェアだと考えるドライバーもいた。

 ドライバーの全会一致を得るのは常に難しいものの、motorsport.com調べでは、カタールでのミーティングを経て、ガイドラインの変更が受け入れられるのに十分な支持が現時点であるようだ。

 メディアに提供された声明の中で、FIAはこのミーティングについて「ドライビング・スタンダード・ガイドラインの更新を続けるという一般合意が得られた」と説明した。

「ドライバーたちがドライバーズ・レーシング・ガイドラインを希望し、GPDAと共にその導入に合意した」

 FIAは声明でそう続けた。

「ガイドラインが更新されるたびに、ドライバーとの協議が行なわれる」

「このガイドラインは、オースティンのような単独のアクシデントが原因ではなく、スチュワードの判断や決定に一貫性を持たせたいという願いによって進化し続けるべきだと一般的に受け止められている」

 ガイドラインは2022年にドライバーたちの要望で導入された。最後に大きな変更を受けたのは2023年シンガポールGPの後であり、メキシコでのミーティングでは特定の意見の相違はあったものの、全体的に協力的な雰囲気の中行なわれた。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

コーナーに飛び込んだ者勝ち? フェルスタッペンへの前戦ノーペナ裁定判断についてF1ドライバーからは疑問の声も
コーナーに飛び込んだ者勝ち? フェルスタッペンへの前戦ノーペナ裁定判断についてF1ドライバーからは疑問の声も
motorsport.com 日本版
フェルスタッペン、ノリスの”邪推”に反論「ただ激しくレースしただけ」余計なレースガイドラインにも辟易
フェルスタッペン、ノリスの”邪推”に反論「ただ激しくレースしただけ」余計なレースガイドラインにも辟易
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ペナルティ再審請求却下に不満こぼしながらも「今後、建設的な異議の申し立て方をFIAと模索していく」
マクラーレン、ペナルティ再審請求却下に不満こぼしながらも「今後、建設的な異議の申し立て方をFIAと模索していく」
motorsport.com 日本版
日産とジャガー、フォーミュラEの予算制限違反が発覚。悪質性は認められず、テスト一部禁止と罰金科される
日産とジャガー、フォーミュラEの予算制限違反が発覚。悪質性は認められず、テスト一部禁止と罰金科される
motorsport.com 日本版
フェラーリ、フレキシブル性が疑われるフロントウイングの変更を否定。オーストリアでの失速が活きた「FIAは我々の解釈に満足」
フェラーリ、フレキシブル性が疑われるフロントウイングの変更を否定。オーストリアでの失速が活きた「FIAは我々の解釈に満足」
motorsport.com 日本版
WRCの新ポイントシステム、早くも来季変更へ? FIAが”簡素化”に向けて選択肢を検討中
WRCの新ポイントシステム、早くも来季変更へ? FIAが”簡素化”に向けて選択肢を検討中
motorsport.com 日本版
ノリス、アメリカでのペナルティ裁定には未だ納得いかず「攻撃的だったのはフェルスタッペンの方だ。あれを避けるのは難しい」
ノリス、アメリカでのペナルティ裁定には未だ納得いかず「攻撃的だったのはフェルスタッペンの方だ。あれを避けるのは難しい」
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ペナルティの再審請求を実施! 物議醸したアメリカGPでのノリス5秒ペナルティに異議申し立て
マクラーレン、ペナルティの再審請求を実施! 物議醸したアメリカGPでのノリス5秒ペナルティに異議申し立て
motorsport.com 日本版
ハミルトン、メキシコでも新型パッケージを使用。旧型に戻すラッセルと比較
ハミルトン、メキシコでも新型パッケージを使用。旧型に戻すラッセルと比較
motorsport.com 日本版
2026年のレギュレーション変更で、F1マシンの”扱い”が楽になる? ベンチュリ効果の重要度が減る予定
2026年のレギュレーション変更で、F1マシンの”扱い”が楽になる? ベンチュリ効果の重要度が減る予定
motorsport.com 日本版
レッドブル、アロンソ獲得の可能性あった? ホーナー代表、4月に話し合いも3度目のすれ違いに「彼はもっと勝つべきだった」
レッドブル、アロンソ獲得の可能性あった? ホーナー代表、4月に話し合いも3度目のすれ違いに「彼はもっと勝つべきだった」
motorsport.com 日本版
【MotoGP】ジャンアントニオ代役、バニャイヤはWSBKのブレガをプッシュ。イアンノーネ説にもMotoGPライダーから歓迎の声
【MotoGP】ジャンアントニオ代役、バニャイヤはWSBKのブレガをプッシュ。イアンノーネ説にもMotoGPライダーから歓迎の声
motorsport.com 日本版
ミニDRSの規制で、F1の勢力図は変わる? 影響なかったレッドブルと、変更強いられたマクラーレンで主張は正反対
ミニDRSの規制で、F1の勢力図は変わる? 影響なかったレッドブルと、変更強いられたマクラーレンで主張は正反対
motorsport.com 日本版
フェラーリさん、もう少し早く言ってあげなきゃ。FP1でクラッシュのアルボン、原因となったベアマンを責めず「言うまでもなく彼は新人だ」
フェラーリさん、もう少し早く言ってあげなきゃ。FP1でクラッシュのアルボン、原因となったベアマンを責めず「言うまでもなく彼は新人だ」
motorsport.com 日本版
マクラーレンF1代表、メキシコシティGP予選ポールポジション逃し「取りこぼしがあった」しかし3番手ノリスは限界到達を示唆
マクラーレンF1代表、メキシコシティGP予選ポールポジション逃し「取りこぼしがあった」しかし3番手ノリスは限界到達を示唆
motorsport.com 日本版
マクラーレン、ノリスのペナルティに不満も異議申し立てはしない?「スチュワードとは解釈が正反対だけどさ……」
マクラーレン、ノリスのペナルティに不満も異議申し立てはしない?「スチュワードとは解釈が正反対だけどさ……」
motorsport.com 日本版
路面に近付きすぎると“ヤケド”するぜ……メルセデス不調の原因はアップデートではなく車高設定か「アップデートは期待通り」
路面に近付きすぎると“ヤケド”するぜ……メルセデス不調の原因はアップデートではなく車高設定か「アップデートは期待通り」
motorsport.com 日本版
ローソン、角田の赤旗でQ3進出を逃し”残念”「でも、ユウキという速いチームメイトがいるのは良いこと。とても役に立ってる」|F1メキシコシティGP予選
ローソン、角田の赤旗でQ3進出を逃し”残念”「でも、ユウキという速いチームメイトがいるのは良いこと。とても役に立ってる」|F1メキシコシティGP予選
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

2件
  • wat********
    コースが狭いならいざ知らず、ある程度広いコーナーでは ストレートエンドの手前のアウト側から、インへステアし 向きを変え始めるが
    やはり エイペックではなく、ストレートエンドで ノーズが出ている者が優先の方が(今回 ノリスが優先になる)
    押し出しは 減るだろう
    しかし問題は 道にここから先のラインが、エイペックス(頂点)なら 判断しやすいが
    どこからコーナーかは 微妙になる
    ストレートと呼ばれるが ゆるーく曲がりながらのストレートがあり、どこからがコーナーなのかのさじ加減が 人によるからだ
  • uyt********
    フェルスタッペンは日頃から相手にスペースを残すことは一切しないもんな。この走り方をマグヌッセンがすれば炎上間違いないのにね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村