現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ベネリ「レオンチーノ125」なら味わえる 1クラス上のフィーリング

ここから本文です

ベネリ「レオンチーノ125」なら味わえる 1クラス上のフィーリング

掲載 1
ベネリ「レオンチーノ125」なら味わえる 1クラス上のフィーリング

伝統の車名を継承しても、ネオクラシックではない?

 近年の日本の2輪市場では、原付2種クラスがかなりの活況を呈しています。中でも人気が高い車両は、ホンダの水平単気筒車や国内外のスクーターですが、ヤマハが2023年から日本への導入を開始した「YZF-R125」、「MT-125」、「XSR125」に興味津々の人も大勢いるでしょう。

【画像】ベネリ「レオンチーノ125」を詳しく見る(17枚)

 もっとも125ccクラスの充実度なら、イタリアの「Benelli(ベネリ)」も侮りがたいラインアップを揃えています。前後12インチの「TNT125」とストリートファイターの「S125」に加えて、2019年から(日本市場への導入は2023年から)は「レオンチーノ125」を発売しているのですから。

 イタリア語で「小さなライオン」を意味する「leoncino(レオンチーノ)」は、カワサキのニンジャやトライアンフのボンネビル、ハーレー・ダビッドソンのローライダーなどのように、ベネリにとっては重要な車名です。

 最初のレオンチーノは1951年に登場した125cc単気筒車で、以後このモデルはさまざまな仕様変更を受けながら、1970年代まで販売が続くロングセラーになりました(1953年の第1回モト・ジロ・デ・イタリアでは、主力の175cc勢を抑えて、125ccのレオンチーノが総合優勝を達成)。

 そんなレオンチーノが、40年以上の歳月を経て復活したのは2017年で、当初は排気量500ccの並列2気筒車のみでしたが、現在は250/125cc単気筒車と800cc並列2気筒車が加わっています。

 そして伝統の車名を使うとなれば、いわゆるネオクラシック路線を選びそうなものですが、レトロテイストを取り入れつつも、新時代のレオンチーノに往年の同名車の再現という意図はないようです。

プジョー「PM-01」との共通点と相違点

 今回の試乗で「レオンチーノ125」と対面して、私(筆者:中村友彦)が「オヤッ?」と感じたのは、スチールトレリスフレームの構成と水冷単気筒エンジンの外観が、少し前に体験したプジョーモトシクルの「PM-01」とまったく同じことでした。となるとおそらくは、ベネリの親会社であるQJモーターが生産しているのでしょう。

 まあでも、4輪の世界では異なるメーカーが主要部品を共有することは珍しくないですし、ハーレー・ダビッドソンの新作である「X350」と「X500」も、生産はQJモーターで既存のベネリとの共通点が多いモデルです。そういった事情を考えれば、とくに驚くことではないのかもしれません。

 ただし、フレームとエンジンを共有していても、「レオンチーノ125」と「PM-01」は別物です。ひと目でわかる2台の相違点は、外装一式、灯火類、メーター、ホイール、ブレーキ、マフラー、ハンドル、シートなどで、最高出力と最大トルクはレオンチーノの方が控えめです。

 そして実際に2台を体感した私は、高級車然とした雰囲気を備える「PM-01」とは異なり、「レオンチーノ125」にはエントリー&ベーシックモデルという印象を抱きました。

 その主な理由は、「レオンチーノ125」がフレンドリーだったからです。と言っても、べつに「PM-01」が手強いわけではないのですが、シート高が15mm低く、ハンドルグリップ位置が高くて手前の「レオンチーノ125」の方が、とっつきは良いですし、押し引きしているときもライディング中も、7kgの車重の差は意外に大きく思えました(レオンチーノ125=145kg、PM-01=152kg)。

 さらに言うなら、「PM-01」より14万800円も安い45万3200円という価格(消費税10%込み)も、私が「レオンチーノ125」にエントリー&ベーシックという印象を抱いた一因です。

 いずれにしても、日本を含めた世界各国でベネリの勢力拡大に貢献することになるでしょう。

いろいろな用途に、過不足なく使えそう

 さて、文章を書き進めているうちに兄弟車にしてライバル車との比較論になってしまいましたが、今回の試乗で私が最も感心したのは、原付2種クラスで時として感じる物足りなさが、ほとんど見当たらないことでした。

 まずは車体の説明をすると、フレーム剛性が十二分で、ホイールベースが前後17インチタイヤを履く125ccスポーツバイクの平均を大幅に上回る1375mmに設定されているからか、このモデルは1クラス上の安定感を味わわせてくれるのです。

 ただしそれでいて、車幅の狭さや細身のバイアスタイヤなどが功を奏しているようで、乗り手の操作に対する反応はなかなか軽快です。

 一方のエンジンに関しては、低回転域の蹴り出しの強さが印象的でした。もっとも、高回転域の盛り上がりはライバル勢にいまひとつ及ばない……ような気がするのですが、スロットルを大きく開ければ、3ケタ台の速度にあっという間に到達しそうですから、一般的な使い方で力不足を感じる場面は滅多に無いでしょう。

 そんなわけで、「レオンチーノ125」の乗り味に関する私の印象は“実直”です。

 伝統の車名や独創的なルックスに注目が集まりがちですが、このバイクはいろいろな用途に過不足なく使えそうな、万能車としての資質を備えているのです。と言っても、そういった感触は兄貴分の「レオンチーノ250」も同様ですが、車格が小さくて車重が軽いぶん、弟分のほうが気楽で軽快な印象でした。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
THE EV TIMES
【スクープ】スバル「アウトバック」の次期型はワゴンボディからSUVに激変! 日本再発売もある!?
【スクープ】スバル「アウトバック」の次期型はワゴンボディからSUVに激変! 日本再発売もある!?
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
トヨタの「“2階建て”ハイエース!?」公開! 5人寝られる&「立って歩ける」内装が超スゴイ! ファンルーチェ「セレンゲレティ/ウラルエイジア」お台場で実車展示
くるまのニュース
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
トーヨータイヤ「OPEN COUNTRY」装着車両がメキシコ開催の「スコア・バハ1000」3位入賞で、最上位クラス年間チャンピオン獲得
レスポンス
地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
地上を転がって移動できるドローン!? DICが「CES 2025」で発表へ
レスポンス
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
FIA/WRCがラリージャパンのSS12キャンセル理由を説明「許可されていない車両が進入し、スタートラインを塞いだ」
AUTOSPORT web
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
くるまのニュース
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
F1ラスベガスGP決勝速報|フェルスタッペンがドライバーズタイトル4連覇! 優勝は盤石ラッセルでメルセデス1-2。角田は9位入賞
motorsport.com 日本版
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
[F40]だって夢じゃねぇ! [中古車]バブルが崩壊したらあなたは何を買う
ベストカーWeb
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
突如裏切る日本の路面。「あちこちでスライド」「一体どこでパンクしたのか」/ラリージャパン デイ2コメント
AUTOSPORT web
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
フェルスタッペンが2024年チャンピオンに輝く。これで4連覇! 優勝はラッセルでメルセデス1-2。角田も耐えのレースを凌ぎ9位入賞|F1ラスベガスGP決勝
motorsport.com 日本版
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
勝田貴元、3度目のWRCラリージャパンは総合4位。トヨタのメーカータイトルに安堵も「来年は表彰台の一番上で」
motorsport.com 日本版
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
災害時&過疎地の新ヒーロー? 「移動ATM車」をご存じか
Merkmal
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
[Pro Shop インストール・レビュー]メルセデスベンツ GLC(根本俊哉さん)by イングラフ 後編
レスポンス
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
東北道「浦和ICの大改造」ついに“最後のランプ”建設へ 並行ランプを通行止め 側道利用者は注意!
乗りものニュース
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
トヨタWRCマニュファクチャラーズ王者に豊田章男会が破顔「苦労して獲ったタイトル」ライバルのヌービル初王者にも祝意
motorsport.com 日本版
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
波乱だらけのラリージャパン! ニッポンの勝田が意地をみせSS連続ステージ優勝で総合4位につける
WEB CARTOP
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
最新「サファリ」がスゴイ! 「ハリアー」と兄弟車で登場! 「3列7人乗り」&英国風の“超精悍顔”がカッコイイ! 便利機能モリモリのタタ「最上級SUV」とは?
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • Alcyone
    ヤマハXSR125とは6万円くらいの差。
    私ならヤマハかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村