22Bの「極上物件」はついに4000万円を超えた!
STI限定車の人気は凄まじい。モデル末期となったWRX S4ベースの「STI STI Sport #」は、コロナ禍でも限定の500台を2週間ほどで売り切った。去年の秋に発売された「EJ20ファイナルエディション」は24倍以上もの倍率で抽選販売となったことが記憶に新しいところだ。
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中古車の相場を見ても、「S206」以降のSシリーズは高騰しており、それ以外の「tS」などの限定車も高値で安定。伝説の「インプレッサ22B STiバージョン」においては、米英など海外での人気により、程度極上物件がついに4000万円を超えるという尋常ならざる事態となった。22Bが「億」を超えるのも時間の問題かも知れない。
STIの限定車は、仕様の内容や販売頻度についての賛否が問われることはあるものの、マニアから「乗り味面で裏切られることはない」と絶大な信頼を受けている。30年以上におよぶSTIの歴史のなかで、販売面では苦戦することがあっても、性能や乗り味面で駄作と評されたモデルは過去に1台もない。全車に共通する走りのクオリティの高さが、STI限定車のブランド力を向上させた。
そんなSTI限定車のなかでも、販売面での苦戦により、予定していた台数に達することなく終わったモデルがいくつか存在する。ここではSTIの限定車なのに販売面で低迷した悲運の3台をピックアップし、販売面で苦戦した理由について振り返ってみよう。
1)S201
今では売れば直ちに即売するマニア羨望の「Sシリーズ」も、記念すべき第一弾の「201」は商売的にコケることから始まってしまった。まだSUBARUがWRCでの最強ワークスとしてのイメージが強く、当時のファンの多くはラリーに熱中していた時代に、あえて新しい方向性を提案する狙いでレーシングカーをイメージしたエアロパーツを装着。「スバルのスポーツモデルはラリー一辺倒ではない」ことを演出した挑戦的なモデルで、富士重工の航空宇宙事業部が入念な空洞実験により設計したエアロダイナミクス性能を誇る前衛的なエアロパーツは確かな性能を発揮したが、当時のスバリストの心にはあまり響かず、不人気車のレッテルを貼られる結果となった。
限定台数は300台だが、筆者の知る限り200番台のシリアルナンバーを付けた個体は流通していないので(生産はされた模様)、おそらく百数十台しか売れなかったと推察。販売期間は限定ではなかったため、公式には完売となっている。これ以降のSTI限定車は、基本的に受注生産となった。
当時は時代がついてこなかった! 今なら完売必至のモデルも
2)S401
レガシィ初の「S」シリーズは、3代目レガシィセダン(初代B4)ベースで誕生。エンジンの高出力化やMTの6速化、ブレンボブレーキなど硬派な装備で武装しながら、STIの限定車としては初めて「プレミアムカー路線」に舵を切ったセッティングが施された。「走ることへの情熱を抱き続ける大人の感性に響く質の高い走り」と謳ったように、本質的には武闘派ではなく、上質で甘美なフィーリングが味わえたことが今も印象深い。SUBARU車が、走りの質においてかつてない高みに登りつつあることを感じさせた。
しかしながら、2002年の時点でSTI車の「プレミアム路線」は時期尚早だった。当時のスバルファンの多くはSTI車に「3年連続WRCマニュファクチャラーズチャンピオン車のDNA」、つまり競技マシン的硬派な味を求めていたのだ。
当時のSTI社長、「ミスターレガシィ」と呼ばれたSUBARU偉人のひとりである桂田勝さんは「400人にわかってもらえれば、それでいい」と語るも、残念ながらS401に共感して購入に至った人は400人に届かず、三百数十人しかいなかった。もしも今、このコンセプトで硬派な装備を施したレガシィB4が発売されたら、瞬時完売は間違いないだろう。時代の先を行きすぎたS401の高い志は、今こそ求められるのだが……。
3)エクシーガtS
3列シートを持つファミリーカーであるエクシーガに、ブレンボブレーキや18インチのポテンザRE050Aなどの硬派な装備を装着。当時のSUBARU車としては最重量級の1620kgという重さをあまり気にせずブレーキが踏み倒せるとあって、スポーツドライブ時の精神的限界が大幅に向上。7シーター車ながら、高次元な運動性能を満喫できたことが記憶に残っている。
辰己英治さんをはじめとする当時のSTIの開発陣が、全座席の乗り心地を入念にテストして走りをチューニングした成果として、運転席と同じかそれ以上に3列目シートの居心地が秀逸であることがマニアの間で話題となったりもした。
なかなかの力作だったが、限定の300台に届かず受注を終了。前年の2009年に発売された「エクシーガ2.0GT tuned by STI」は人気を博したものの、当時のエクシーガに高いスポーツ性を求める層は、まだ育っていなかったと推察。ちなみに、3代目フォレスターベースと、2代目XV(ハイブリッド)ベースの「tS」も限定台数に届かず受注期間を終えている。3列シート車やSUVに対しては、STIチューンドの限定車はあまり求められていなかった模様だが、この先は果たしてどうなるのか?
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