もくじ
ー 500ファミリーが中心 欧州市場
ー ティーポとミトは風前の灯 ジープには満足
詳細解説 ポルシェ新EV 「ミッションEクロス・ツーリスモ」
500ファミリーが中心 欧州市場
フィアットでは、この後しばらく500とそのファミリーである500Xと500Lに注力することになりそうだ。さらにその成長戦略の中核を担うのは欧州市場ではないとも、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)CEOのセルジオ・マルキオンネは語っている。
セールスの不調と、それにともなう欧州市場での5%弱のシェア低下を受けて、ジュネーブ・モーターショーでマルキオンネは「喜ぶわけにはいきません。フィアットには100年の歴史がありますが、残念ながら市場とのつながりが弱まってきています」と話している。
「他のブランドを成長させるためのスペースが必要であり、そのためのリソースも求められています。欧州においてSUVブランドとしてのジープを定着させるには投資が必要です。アルファ・ロメオやマセラティのような利益率を確保できるようになるまでには時間とリソースが不可欠なのです。こういった点が欧州市場におけるわれわれのテーマとなっています」
「高い利益率が期待できるビジネスを犠牲にしてまで、欧州のマスマーケットを放棄するという決断は簡単にはできません」
「幸いなことにわれわれにはフィアット500ファミリーがあります。モデル数を増やしていますが、将来的にも欧州市場の中核となるべき存在です」
「フィアット・パンダ・ファミリーも興味深い存在であり続けます」
ティーポとミトは風前の灯 ジープには満足
「しかし、フィアット・ティーポに関しては、セールスは好調で利益ももたらしてくれてはいますが、個人的にはあまり魅力的ではありません。ティーポが属する市場にはライバルが多く、それほど利益率が高いわけでもないからです。伝統的にフィアットはこの市場に注力してきましたが、そろそろ考えを改めるべきかも知れません。もしかしたら欧州よりもラテンアメリカの方がブランドにとっては好ましい市場かもしれないのです」
来る6月1日、マルキオンネはFCAグループに関する彼の計画概要を投資家向けに説明する予定だ。そこでマルキオンネとFCAのマネージメント・チームによって、2018年から2022年までの中期計画が明かされることになる。
さらに、この場ではアルファ・ロメオ・ミトの将来についても何らかの言及があるだろう。ここ数年、このモデル末期のエントリーモデルの販売は落ち込んでおり、マルキオンネは「モデルチェンジの可能性とともに、モデル自体の廃止も検討する必要があります。実用性の低い2ドア・ハッチバックというのは市場が求めるモデルではないのです」と話している。
また、最近マルキオンネは欧州におけるジープ・ブランドの状況について「残念」だと表現しつつ、さらに「これ以上放置するわけにはいかない」とも話していた。しかし、ジュネーブでは、過去2カ月で売上が40%増えているとして、「誰かがわたしの発言を聞いていたのかも知れませんね。2カ月ごとに売上が40%ずつ増えてくれれば、もちろん満足です。今のジープはよくやっています」と語っている。
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