5月期の新車販売台数(速報値)登録車
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2024年5月期の新車販売台数(速報値)を発表した。
日本自動車販売協会連合会がまとめた登録車の5月期の新車販売台数は、前年同月比2.4%減の20万1643台と5カ月連続のマイナス。一方、全国軽自動車協会連合会がまとめた5月期の軽自動車の新車販売台数は、同7.7%減の11万763台と6カ月連続でのマイナスとなる。
結果として、トータルでの5月期の国内新車販売台数は同4.4%減の31万2406台と5カ月連続の前年割れとなった。
登録車の5月期のブランド別新車販売台数
前年実績を超えたのは、新車効果が表れたホンダ(前年同月比75.9%増の2万7747台)、スズキ(同11.0%増の9308台)、スバル(同29.6%増の6492台)の3ブランドのみ。
対して認証申請における追加不正行為の判明に伴って出荷停止を実施していたダイハツは前年同月比56.7%減の754台、ダイハツが生産を担うルーミーやプロボックスなどに加えて、豊田自動織機の自動車用ディーゼルエンジンの認証不正に伴ってハイラックスやランドクルーザー、ハイエースなどの出荷を一時停止していたトヨタ自動車は同11.6%減の9万4535台と前年割れを記録する。
また、それ以外のブランドも停滞気味で、日産自動車が同11.1%減の1万8427台、マツダが同21.3%減の7066台、レクサスが同2.8%減の6792台、三菱自動車が同8.6%減の2698台と苦戦した。
一方で貨物車のブランドは、いすゞ自動車が同7.9%増の4367台、日野自動車が同12.8%増の3215台とプラスを達成。対して三菱ふそうは同13.0%減の2448台、UDトラックスは同22.0%減の596台と低迷した。
軽自動車部門は?
軽自動車の5月期のブランド別新車販売台数
前年同月比で22.6%増の4万6238台を達成したスズキが5カ月連続でのシェアトップにつき、続いて多くの車種の生産・出荷を再開したダイハツが同44.2%減ながら2万2425台を販売して第2位に復帰する。
前月第2位のホンダは1つ順位を落としたものの、同7.0%増の2万780台と好調をキープ。一方、日産自動車は同9.9%増の1万3177台と前年実績超えを果たした。
また、デリカ・ミニやミニキャブEVなどの販売が好調な三菱自動車は同14.2%増の4056台とプラスを継続する。一方、OEM供給を受けるブランドではマツダが同11.3%減の2482台、トヨタ自動車が同75.8%減の729台、スバルが同37.4%減の871台にとどまった。
5月期の新車販売の動きに関して業界団体の関係者は、「ダイハツの一部車種が出荷を停止していた影響で、本年5月期は前年同月比4.4%減と、5カ月連続で前年実績を下回った。
ただし、出荷停止の当該車種は5月までにほとんどが生産および出荷を再開したことから、4カ月連続で続いていた2桁台のマイナス幅は1桁台に縮小した。とはいえ、全体で見るとマイナスとなったブランドが多く、コロナ禍による低迷から脱した“リバウンド消費”が一巡して、新車販売の停滞傾向が強まっている様相」と解説する。
今後については、「新車の需要は新型車を中心に堅調で、またダイハツ車のほとんどの車種が生産・出荷を再開していることから、6月以降は販売台数が増えるものと推測される。
ただし、従来よりも新型車の受注の伸びが鈍り、合わせて好調な販売を維持する期間が短い車種が増えていることは懸念材料。また、各メーカーに対して国土交通省から型式指定申請における不正行為の有無に係る実態調査の指示が出され、一部車種でデータ試験の不備が見つかって出荷停止となることも、新車販売にとってマイナス要因となる。
さらに、前述した停滞傾向の強まり、さらに実質賃金が物価上昇に追いついていないことから個人消費の弱さが目立っており、新車販売は楽観できない状況が続く」と指摘した。
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