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ディクソンが4度目のインディ500ポールポジション獲得。最年少優勝を狙うふたりがフロントロウに

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ディクソンが4度目のインディ500ポールポジション獲得。最年少優勝を狙うふたりがフロントロウに

 NTTインディカー・シリーズ第6戦にスケジュールされた第105回インディアナポリス500マイルレース。23日、予選2日目となるポールデイでファストナイン・シュートアウトが行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が自身4度目となるインディ500ポールポジションを獲得した。

 プラクティスが始まったのは5月18日の火曜日だった。その日にルーキーたちが走る時間に雨が降ったが、それ以外に降雨はほぼゼロ。金曜日には予選用にターボのブースト圧が上げられ、50馬力アップのエンジンで丸一日走った後、週末に2日間の予選が開催された。予選日はいずれも最高気温が接し30度に達する高温多湿のコンディションとなった。

ディクソンが最速アテンプトでポール奪取【順位結果】第105回インディ500予選2日目/ファストナイン・シュートアウト

 予選1日目に決まるのは10番から30番グリッドまでだけ。この日の最速9人は予選2日目にポールポジションからの9グリッドを競い合う一発勝負に参加する権利を与えられる。

 31番手以下のスピードしか出せなかったドライバーたち(今年はエントリーが35人だったので5名)は、予選2日目にグリッド最後列3グリッドの椅子取り合戦を行い、今年の場合はふたりがレースに出場することなくスピードウェイを去らねばならない。

 予選初日のアタックで最速だったのはスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)。2番手以下はコルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポート)、トニー・カナーン(アンドレッティ・オートスポート)、エド・カーペンター(エド・カーペンター・レーシング)、リナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)、エリオ・カストロネベス(メイヤー・シャンク・レーシング)、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、マーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)だった。

 エンジン別では、ホンダが9人中の7人を占めた。これ、実は昨年より1人少ない。去年のシボレー勢は、ヴィーケイだけだった。

 チップ・ガナッシ・レーシングは4人全員がファスト9入りを果たした。

 アンドレッティ・オートスポートは提携チームを含めると3人をファストナイン入りさせていたが、去年の5人から比べるとパフォーマンスは下がっていた。レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングはそれ以上で、昨年は2人だったが、今年はゼロとなった。

 ファストナインは、予選1日目の記録が遅い方からひとりずつ、1回だけのアタックを許される。日中の暑さの中でどこまでマシンのセッティングをコンディションに合わせられるかが勝負の鍵を握っていた。

 予選1日目の暑い時間帯に好スピードを記録していたエド・カーペンター・レーシングに注目が集まり、彼らはその期待に応え、カーペンター、ヴィーケイともに素晴らしい数字をマークした。

 しかし、予選初日に2番手だったハータが彼らを上回る231.655mphを記録しトップに躍り出る。

 そこへ主役の登場となった。最後のアタッカーとしたコースインしたのは前日に最速だったディクソン。

 彼は1ラップ目にこの日の最速となる232.757mphを出し、大歓声を巻き起こした。彼の4ラップ平均は231.685mphとなり、ハータにスピードで0.03mph、4ラップ=10マイルを走った時間で0.0197秒の差をつけてポールポジション獲得を決めた。両者の差の小ささに観客は大きくどよめいた。

 ニュージーランド出身のインディカー・シリーズで6回もチャンピオンになっているディクソンは、自身4回目となるインディ500のポールポジションを手に入れた。

 昨年のディクソンはレースの大半をリードしながら、終盤の戦いで佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)にパスされ、自身3回目となる2位フィニッシュと悔しい思いをした。

 予選でも彼はマルコ・アンドレッティにポールポジションを奪われ、2位に甘んじていた。今年は予選でポールポジションを手に入れた。「今年こそ2勝目を!」と彼はおおいに意気込んでいるはずだ。その思いが叶う可能性は低くない。


 昨年は10番手でファストナインに一歩及ばなかったハータ。しかし、まだ21歳の彼が2回目の挑戦でファストナイン入りし、予選2番手に。すでにキャリア4勝をしており、彼にとってもインディ500初勝利は夢ではない。

 暑くなった予選でエド・カーペンター・レーシングは大活躍。予選1日目はホンダ勢が1-2-3だったが、いちばん肝心の予選2日目にヴィーケイが3番手に食い込んでホンダのフロントロウ独占を阻み、カーペンターが4番手につけた。チーム・ペンスキーが不振に喘ぐ中、エド・カーペンター・レーシングの奮闘でシボレーは救われた。


 2013年インディ500ウイナーで、2005年にインディ500のPPも獲得しているカナーンは231.032mphで予選5番手。

 昨年はデイル・コイン・レーシング・ウィズ・チーム・ゴウ、今年はチップ・ガナッシ・レーシングとチームを変えながら、デビューから2年連続でファストナイン進出を果たしたパロウは、予選初日に大きなアクシデントを起こしながら、チームがマシンを完璧に修復、ファストナインで230.616mphを出して6番手。

 2014年のインディ500ウイナー、ライアン・ハンター-レイも2年連続のファストナイン進出。昨年は5番手だったが、今年は7番手となった。

 エリオ・カストロネベスは、チーム・ペンスキー以外で走る初めてのインディ500で予選8番手。メイヤー・シャンク・レーシングは初めてのファストナインを経験した。

 PPのディクソンは、「ホンダに感謝し、彼らの仕事ぶりを讃えたい。競争が本当に激しいインディカーシリーズ中でも特別なイベントであるインディ500のファストナインという予選方式で、私たちのチームはエントリーした4台すべてを進出させることができていた」

「それはホンダのエンジンが素晴らしい性能を発揮してくれているからだ。インディカーで長年戦ってきて感じるのは、好成績を残すことの難しさ。チップ・ガナッシ・レーシングはチーム全体がハードワークを続けている。誰かひとりが圧倒的な仕事をしているのではなく、すべてが問題なく完璧に作動するようチームのスタッフ全員が懸命に働いている」と語った。

 レース用セッティングを進める火曜日から木曜日、予選用ブーストでのプラクティスを行う木曜日と、非常に順調に来ていた琢磨は、予選1日目の午前中のプラクティスも走ってマシンをファインチューニング。

 自信を持って予選に臨んだが、暑いコンディションにマシンを合わせ切れず、タイヤがスライド。日中に2回目のアタックを敢行したがスピードアップできず、3回目のアタックはギリギリで行わせてもらえなかった。

 彼は予選の記録を放棄せずに走るレーン2で待機し、列の先頭まで来ていたが、グリッドを確保できていない面々や、記録を放棄した者に並ぶ権利の与えられるレーン2にチームが殺到し、アタックのチャンスが訪れなかったのだ。琢磨は1回目のアタックで出した数字=230.708mphによって予選15番手となった。

「残念ながら十分に速いパフォーマンスを見せられなかった。昨年はフロントロウからのスタートだった。今年はスピードをトップレベルにして……と思っていて、それができている印象だったが、実際にはまだ足りていなかった」

「2回目のアタックは中断し、3回目のアタックは列の先頭まで行っていながら走れなかったから、フラストレーションが募った」と琢磨は話していた。

 予選の後には2時間のプラクティスが、ターボをレース用ブーストに戻して実施。ここでもトップをパロウが獲得し、チップ・ガナッシ勢がトップ5に4人が入る強さを見せた。このプラクティスで琢磨は6番手につけている。

 残すはレース前の金曜日=カーブデイに最後のプラクティスが行われ、決勝は5月30日の日曜日開催だ。


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