米フォードモーターは9月21日、来春販売予定の本格オフローダー「ブロンコ」に、7速マニュアルトランスミッションとオフロード性能をさらに高める「サスクワッチ・パッケージ」を組み合わせた仕様を新設定すると発表した。
7月にワールドプレミアされたばかりのブロンコは、ラダーフレームのシャシーに取り外し可能なルーフとドアを装備したハードコアなクロカンSUV。往年のモデルネームが20余年ぶりに復活したことも話題となった。丸目ヘッドランプなどオリジナルブロンコの個性的なイメージを受け継いでいるが、その中身は流行の都会派クロスオーバーとは一線を画しており、ジープ「ラングラー」に真っ向勝負を挑むブルーオーバル入魂のニューモデルだ。
本気で悪路を攻めるオーナーに向け、マニュアルトランスミッションが設定されることもブロンコのセリングポイントだったが、残念ながら人気の高いサスクワッチ・パッケージではマニュアルの選択が不可能だった。サスクワッチ・パッケージとは、クラス初設定の35インチマッドテレーンタイヤやハイクリアランスサスペンションなどから成るオプションキット。2ドア、4ドア問わず装着可能で、山に棲む未確認生命体を意味するネーミングどおり、ブロンコの走破性を一層アップしてくれるギアが満載なのだ。
こうした装備設定のミスマッチをコアなファンが見逃すはずもなく、SNS上にはサスクワッチ・パッケージと7速MTの組み合わせを望む声があふれ、今回フォードから冒頭のリリースがなされたわけなのだ。同時に公開されたショートムービーでは、「ファンの声を聞き、それに応えた」旨のメッセージが表示されるとともに、サスクワッチと思しきドライバーがブロンコを操るシーンが登場。ニューモデルのワイルドな印象をより強く訴求している。
ファンを大切にするフォードの姿勢はメーカーのお手本。今回の件で、さらにファンの熱も高まりそうだ。10月には装備と価格を確認できるコンフィギュレーションサイトも開設されるとのこと。ブロンコへの注目は当分収まることはなさそうだ。
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