F1関連の様々な用語を解説する新コーナー。オフシーズンの間にマシンメカニズム編、エンジン編、サーキット編などなど様々な項目を解説していきます。
・アクチュエーター
直訳すれば「動かす装置」。F1の場合は電気信号によって油圧アクチュエーター機構のバルブを開閉し、ギヤボックスの変速機構やクラッチを作動させている。また、ウエイストゲートの開閉や可変吸気ファンネルの作動もこの装置で行っている。
事故から6年。シューマッハー夫人がファンにメッセージ「力を合わせれば強くなれる」
・キール
フロントサスペンションのロワアームをモノコック側で支持する部分。下面に突き出した支持部が船のキール(竜骨)に似ていることから命名。モノコック下面中央に設けたシングルキールが長らく一般的だったが、ノーズ下の空間を広くする目的でキールを左右に分けたツインキールが2000年代半ばに登場。やがてキールを持たず、モノコック直付けのゼロキールに収れんした。
・バーチカルスプリッター
明確な基準はないが、縦方向に配置された空力アイテムを便宜的にそう呼ぶ。
・ヒーブダンパー&スプリング
マシンが走行中にフロントが沈んでリヤが浮くなど、前後が逆に動く場合の動きをピッチ、前後が同時に沈んだり動いたりする動きをヒーブと呼ぶ。そのヒーブを制御するのがヒーブダンパー&スプリング。サードエレメントなどとも呼ばれる。
・フレキシブルウイング
ダウンフォースがほしいのはコーナーを通過している時で、ストレートを走行している際は要らず、むしろ発生させたくない。なぜなら、ダウンフォースと引き換えにドラッグが発生し、最高速の伸びを奪ってしまうからだ。そこで、一定の車速に達するとウイングが寝る方向にたわみ、ドラッグを低減する仕組みが2000年代に入って実行に移された。これを禁止すべく、ウイングの変形を規制する荷重テストは厳しくなる一方だが、疑念が消えることはない。
・ボーテックスジェネレーター
直訳すれば渦発生装置。フロントウイングの裏にあるバーチカルフィンやフラップ内側のティップ(先端)、ターニングベインやバージボードなどを基点に縦渦(水平方向に軸を持つ渦)を発生させている。縦渦を発生させると旋回流の中心が負圧になり、そこに向かって空気が流れ込む。その性質を利用し、空気でフロア下やサイドポンツーン側面を経由してフロア後端に向かわせ、ダウンフォース発生に結びつける。
知っておきたいF1専門用語:マシンメカニズム編(2)に続く
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