■海外ブランド製格安タイヤを選ぶなら「お墨付き」を!
今年2022年に入って、ますます海外ブランド製格安タイヤの売れ行きが伸び始めているようです。
今までも地道に売れていましたが、最近は相当のクルマ好きまでこうしたコスト重視のタイヤ選びをしている状況だといいます。
タイヤの寿命は5年が目安! セットの「ホイール」はいつまで使える?
実際、カー用品店に行くと馴染みの無いブランドが増えましたし、ネット通販でサイズの指定をすると、驚くほど安価なタイヤセットに出会うことができます。
大手ブランドの半額というケースすら珍しくなく、1本分で2本買えてしまうのですから驚きます。
海外ブランド製格安タイヤはなぜ増えたのでしょう。
新興タイヤの黎明期には、日本ブランド1本分の予算で4本買えるような「安さ」だけを前面に打ち出した馴染みの無い中国ブランドが格安商品の主力でしたが、怪しいと疑って売れませんでした。
タイヤは命を預ける存在です。実際、高速道路でバーストするようなケースもあったと聞きます。
そんなことから、ただ安いだけのタイヤでは、もはや日本で流通しなくなってきているようです。
では現在入手出来る格安タイヤは、信用出来るのでしょうか。
日本で販売しているタイヤは、通販であっても国際規格に適合しており、タイヤを見るとDOTやETRTOといった基準が明記されています。
また、必ず「工場コード」というのが記載されています。例えばトーヨータイヤで「N3」とあれば「桑名工場製」といった具合です。
つまり国際規格をクリアしてあり、なおかつ工場コードが明確な「お墨付き」タイヤなら、一定の品質は保証されているとみてよいでしょう。
■アジアンブランド&中国資本タイヤメーカーの飛躍が著しい
最近増えている中国生産のタイヤでいえば、タイヤを作る機械は最新タイプです。
技術開発面でも、すでに日欧米から技術者が入っている(流出している)ため、安いから品質的にダメということにはなりません。
具体的にいえば、イタリアに本社を持つ「ピレリ」は、いまや中国資本のタイヤメーカーです。
ピレリは、F1(フォーミュラワン)やWRC(世界ラリー選手権)といった世界トップのモータースポーツにタイヤを供給する技術力を誇っています。
ピレリが開発し中国工場で作ったタイヤであれば、安価であっても一定の性能は持ちます。
さらに韓国の「クムホ」や「ハンコック」、台湾の「ナンカン」や「フェデラル」などは、日本のタイヤメーカーが技術のベースになっており、こちらも世界に向け厳しい走行環境に対応したモータースポーツ用タイヤを供給しています。
冬用のスタッドレスタイヤ技術についても、日本の技術者が移籍するなどして侮れない性能を持っています。
ハンコックはメルセデス・ベンツの純正タイヤに指定されるレベルに達しており、それと競うクムホの品質も急上昇しました。
そのほか、アメリカの「クーパー」や、欧州地盤の「ミネルバ」、イギリスの「ダヴァンティ」、シンガポールの「レーダー」といった各国のタイヤメーカーが表舞台に登場してきています。
さらに日本メーカーの海外工場で生産している海外向けブランドのベーシックタイヤまで流通しており、もはやタイヤ選びは混沌とした状況なのです。
■以前ならタイヤ持ち込みによる履き替えの依頼は断られるケースが多かった
また以前なら、通販でタイヤを購入しても、履き替え(組み換え)を実施する業者を探すのに苦労したものです。
タイヤ交換作業ができる業者は、同時に自社でタイヤ販売も行っているのが普通なので、基本的に他所で買ったタイヤの持ち込みは歓迎されませんでした。
しかし今や、通販サイト指定の業者に持ち込めば、適切な交換工賃でタイヤの履き替えをしてくれるようになっています。
東京都内に住む筆者(国沢光宏)の家の近所でも、16インチまでならタイヤを持ち込み脱着&バランス取りして1本1650円と手頃な相場です。
必要な性能や安全性を確保しているタイヤが安価に交換出来るなら、少しでも経費を節約したいと思っている人なら嬉しいことでしょう。
ちなみにトヨタのハイブリッドカー「プリウス」や、「ノア」など5ナンバーミニバンに使われる195/65R15サイズの場合、国産ブランドを選ぶと1本1万円少々が相場です。
しかし同じサイズでピレリなら5800円、ミネルバが5100円、円安で値上がり傾向ながらグッドイヤーも6000円を切る価格で購入出来ます。
またオートバックスやイエローハットなどのタイヤ量販店に行けば各社独自のタイヤも扱っており、これまた悩むところです。
このような時代に、タイヤ選びはどうしたらいいのでしょうか。
以下、個人的な意見だと理解してください。
私なら、日本ブランドで安価に販売されるショップを探します。
少々高くても安心が買えるなら保険だと思えばいいし、上手な銘柄を選ぶとタイヤ寿命も長いため、総合して考えたらむしろリーズナブル。何より情報量が多いのが美点です。
もちろんミシュランやコンチネンタルなど、海外の一流ブランドを含めてもよいでしょう。
昔から「足元を見られる」という通り、クルマ通ならどんな靴(タイヤ)を履いているかでその人のライフスタイルが解ります。
ライフスタイルという意味では、モータースポーツを愛する私ならば、競技用タイヤを製造している銘柄を積極的に選びたいところです。
そして冬用のスタッドレスタイヤに関していえば、日本特有の雪質や気候を考慮し、国内で雪上テストを実施する国産3大メーカー+ミシュランを推奨します。
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みんなのコメント
純正装着されているなら決して性能は悪く無いだろう。
しかし私は日本のメーカーを選びます。