イモラ・サーキットで行われた2024年F1第7戦エミリア・ロマーニャGPにおいて、元F1王者のセバスチャン・ベッテルが5月19日の決勝レース前、1993年にアイルトン・セナが駆ったマクラーレンMP4/8でデモランを実施した。
1994年F1サンマリノGPでセナとローランド・ラッツェンバーガーが命を落としてから、30年目にあたる2024年のエミリア・ロマーニャGP。今戦には、セナを敬愛するベッテルがサーキットを訪れ、グランプリ前には追悼イベント開催を呼びかけたほか、セナが駆ったマクラーレンMP4/8でデモランを行った。
ベッテルがセナ&ラッツェンバーガー追悼イベントを主催。ドライバーたちがイエローのTシャツでイモラを1周
今回ベッテルがドライブしたMP4/8は、1993年にマクラーレンがF1に投入したマシン。前年の1992年にホンダがF1から撤退したため、代わりにフォード(コスワース)V8エンジンを搭載したMP4/8で、セナは“雨のドニントン”を含むシーズン5勝を挙げた。
セナのヘルメットカラーであるイエロー×グリーン×ネイビーブルーのレーシングスーツを着用してマクラーレンMP4/8のコックピットに乗り込んだベッテルは、現代F1マシンとは異なる自然吸気V8エンジンのサウンドを轟かせながらイモラ・サーキットを駆け抜ける。
デモランの途中にはセナのブラジル国旗と、ラッツェンバーガーのオーストリア国旗を持ちながら走行を行ったベッテル。最後にはメインストレートでドーナツターンを披露し、多くの観客から歓声と拍手が沸き起こるなかでイベントは幕を閉じた。
走行を終えたベッテルは「信じられないような瞬間だった。30年前はすごく暗い週末だったけど、30年後のイモラでこのクルマをドライブすることができて、アイルトンとローランドを思い出すことができた」と語った。
「クルマを見たときの喜びと興奮は本当に素晴らしくて、国旗を掲げた瞬間に僕の感情は爆発したよ。ヘルメットのなかでふたりの名前を叫んでいたときは、僕が経験したなかで、もっとも感情的で、本当に特別な瞬間のひとつだった」
「5月1日の日曜日(1994年F1サンマリノGPの決勝日)、アイルトンはクルマにオーストリア国旗を積んでいた。彼は(レース後にオーストリア国旗を)掲げることを考えていたはずだから、僕もブラジル国旗とオーストリア国旗のふたつを掲げることにしたんだ」
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