対抗心を隠さない公道最強マスタング
米国の自動車メーカーであるフォードは、11月17日にロサンゼルスで開幕したLAオートショーにおいて、新型マスタングGTDの実車を公開した。サーキット走行に特化した「技術的大作」で、公道走行可能な市販のマスタングとしては史上最もパワフルとされる。
【画像】純正で800馬力オーバー? 「本気」仕様のマスタング【新型フォード・マスタングGTDを写真でじっくり見る】 全25枚
2024年後半から台数限定で生産される予定で、米国価格は約30万ドル(約4470万円)からを予定。他の市場にも割り当てがあるとのことだが、現段階では詳細は未定だ。
マスタングGTDは、フォードのミシガン本社にある匿名のガレージで「欧州のスポーツカーの最高峰に挑む」ことを目指し、「一握り」のエンジニアたちによって「時間外」に考案されたと言われている。
ドイツのニュルブルクリンク・サーキットで7分以下のラップタイムを目標としており、これはポルシェ911 GT2 RS、ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ、メルセデスAMG GTブラックシリーズなどの欧州スーパーカー勢と肩を並べる数字である。
フォードのジム・ファーリーCEOは、「マスタングGTDはスーパーカーに対するあらゆる既成概念を打ち砕きます」と強気に語る。「これはわたし達にとって新しいアプローチです。サーキット用のロードカーを設計したのではなく、ロード用のレーシングカーを作ったのです」
「これがフォードです。『かかってこい』と挑戦状を叩きつけているのです。他の全員に知らせることにも抵抗はありません。わたしがマスタングGTDでサーキットを走れば、最高のロードカーに乗った他社のボスにも対抗できるでしょう」
マスタングGTDは、スーパーカーのフォードGTを製造したモータースポーツ関連企業マルチマティックとのパートナーシップによって設計・デザインされている。事実上、来年のル・マン24時間レースに参戦するマスタングGT3を公道走行可能な形で作り直したものである。
GTDという車名は、米IMSAスポーツカー選手権のGTDクラス(FIAのGT3に相当)にちなんで与えられた。
目標は800ps超… 足回りも専用設計
搭載されるスーパーチャージャー付き5.2L V8エンジンの目標出力は800psを超え、実現すれば2019年のシェルビーGT500(最高出力760ps)をも凌ぐ、史上最強のマスタングとなる。昨年公開されたサーキット専用車、GT Mk IVよりもさらにパワフルだ。
エンジンは標準仕様と大きく異なり、ドライサンプ方式、2基のエアインレット、チタン製アクティブバルブ排気システム(「並外れた音」を発生する)など、モータースポーツに由来する一連の改造を施している。駆動力は、カーボンファイバー製シャフトによってエンジン後部からリアのトランスアクスルに伝達される。
シャシーも通常のマスタングとは根本的に異なる。フロントサスペンションは古典的な不等長ダブルウィッシュボーンを洗練させたもので、上部に1本の三角ウィッシュボーン、下部に2本のリンクが配置されている。サスペンションユニットには、マルチマティック社製のアダプティブ・スプール・バルブ(ASV)ダンパーが組み合わされており、ソフトウェア制御により数ミリ秒単位でダンパー設定を調整できる。
コイルオーバーには、通常のシングルスプリングではなく、それぞれ硬さの異なる2つのコイルスプリングが採用されている。サーキットモードでは油圧機構で圧縮することで、硬い方のスプリングだけを残してバネレートを上げることができる。車高も公道設定より40mm下がる。
ステアリングはラック&ピニオン式で、V8の前面には重厚なアンチロールバーが走る。
さらに、8速デュアルクラッチとリヤサスペンションが鋼管フレームにマウントされなど、レースライクなセットアップとなっている。フロントのコイルオーバー・ユニットと同様に、リアもASVを装着し、前後で連動させている。
ステルス戦闘機の素材も利用 すべてが特別
トランスアクスルをリアに配置したこともあり、前後重量配分は50:50となった。ドライバーがステアリングホイールから手を離さずに調整できる可変トラクションコントロールシステムも装備される。
トレッド幅は標準仕様よりも約100mm広く、325mm幅(GTのリアタイヤよりも幅広)のフロントタイヤを装着し、グリップとコーナリングの安定性を大幅に高めている。
ブレーキは、繰り返し負荷がかかってもフェードしにくいというブレンボのカーボンセラミック製ディスクが採用され、エアダクトにより冷却性能も確保している。ホイールは20インチの鍛造アルミか、レース仕様を模したマグネシウム合金(オプション)も選択可能。
エアロパッケージは明らかにGT3レーサーからほぼそのまま流用されており、巨大な油圧調整式リアウイング、ダクト付きボンネット、エアスクープ、フロントスプリッター、リアディフューザーがダウンフォースとコーナリング安定性を高めている。
インテリアは、レーシングカーというよりも標準のマスタングに近く、デジタルディスプレイや、無線ソフトウェアアップデート機能を備えたインフォテインメント・システムが採用されている。
また、ロータリーダイヤル、ビルドプレート、パドルシフトはすべて、退役した米空軍のF-22戦闘機のチタンを再利用して3Dプリントされたものだという。
マスタングGTDの車両重量は明らかにされていないが、カーボンファイバー製ボディパネルの採用といった軽量化により、マスタング・ダークホースの1768kgを下回る可能性が高い。
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みんなのコメント
フェアレディZにこの迫力が欲しかった。