中古車購入ガイド [2022.09.12 UP]
タイプ別日本のど真ん中 中古車選択術!! あなたはどのタイプ!?
【MINI 3ドア】登場から8年を経て買いやすくなった現行型に注目!
半導体不足、物価高、タマ不足など
混沌とした世の中だけどクルマで移動したい!
疫病、紛争、部品供給不足などの影響を受け、今、中古車相場は不安定な傾向にある。それでも、中古車の需要は衰えることなく高い人気を集めており、これまで新車しか乗ることのなかった人までも、中古車に乗り換えるという状況なども増えている。そんな今だからこそ、中古車の最適な選択術を探っていく。
不確定材料は多いが待ちとも言い切れない
新車・中古車を問わず、今の自動車市場は混乱時期にあると言っても過言ではない。2020年の下半期ごろから始まった半導体不足により、新車供給に遅れが生じた。早い納車を希望するユーザーは、中古車を求める人とも増え、中古車相場が上昇した。ここにコロナ問題が加わり、より新車の供給体制に遅れが生じている。さらにソーシャルディスタンスが中古車の需要を伸ばし、相場の上昇とタマ不足という状況になった。しかもウクライナ問題、円安という状況も加わり、新車の生産体制の悪化、中古車の海外輸出が伸び始めたことによるタマ不足がさらに進行しているという状況なのだ。
これらの要因により中古車相場は総じて上昇傾向にあるのだが、問題は下降に転じる要因がしばらく見えないということ。半導体もコロナもウクライナ問題も円安も、すぐに解消する兆しが見えない。中古車相場が安いときに買いたいと思うのがユーザー心理なはずだが、それが予想しにくい状況にある今は、待つよりも早めに購入したほうがよいこともある。たとえばそれは、下取り車がある場合だ。中古車相場の全体が上昇傾向にある今は、下取りや買い取り相場も上昇傾向にある。人気のSUVや旧車からの乗り換えならば、より高値が期待できる。また、お気に入りの中古車を予算内で見つけた場合も、先に述べたいろいろな問題を考慮すれば、早めに買っておいたほうが安く済む可能性も高いのだ。
じつはユーザーの動向も相場に影響を与えている。プロトカーユーザーレポート2022によると、中古車の購入単価が前回調査よりも27.9万円高の154.8万円となった。これは先に述べた新車の納車遅延により、高年式の中古車の人気が増えたことになる。また、予算は50万円未満が大幅に増加し、50万円から100万円未満の割合が減少、200万円以上は増加傾向となった。さらにおもしろいのが、中古車購入における意志決定までの期間が早まっていることだ。これもタマ不足が影響しており、品薄状態が続いている人気車種の場合は、特にその傾向が強いというアンケート調査結果となっている。
つまり、需要が供給を上まわるという状況はしばらく続くことが見込まれる。さらに3年ぶりに行動制限のない夏休みになるなど、人々の移動欲求が急激に高まっている傾向にあることも、より需要が増えるだろうと予想する要因のひとつだ。したがって、中古車を買うなら早めのほうが得策だろうとの見解が、現在のグー編集部が示す答えなのである!
データから見る中古車購入の現在
「プロト カーユーザー レポート 2022」の調査結果によると、中古車購入単価は154.8万円で、前回調査と比べて27.9万円の増加となった。半導体不足など、新車の納車遅延が影響し、高年式の中古車に人気が集中したことがひとつの要因とのことだ。また「50万円未満」割合が大幅増加し、「50万円以上~100万円未満」の割合は減少。そして「200万円以上~」の割合が増加傾向にあるという、二極化傾向になっているという調査結果だ。
また情報収集から来店までの期間は平均22日で、1週間以内が28%。新車納車日の鈍化などにより、人気車種は品薄状態なため、中古車購入における意思決定が早まっている可能性が高い。その結果、購入検討から来店までの期間が短くなっていると予想している。
「TYPE 1」 予算ありきで合理的、生活スタイルに最適な乗用車を探すなら!
各々の生活スタイルに最適なマイカーを「プロトカーユーザーレポート2022」に沿ってオススメのモデルをケース別にピックアップしていく。スポーツカーやランドクルーザーなど、候補車は多種にわたる。
CASE【A】
近場の乗車回数が多く、維持費も安いクルマなら!?
150万円という予算で維持費の安いクルマ。しかも近場移動がメインとなれば、ねらうべきはやはりハイブリッドモデルがオススメだ。もちろん、近場のみで快適性や安全性はあまり気にしないとなれば軽自動車も有力候補なのだが、たまの遠出や多くの荷物を積む機会もあるのなら、やはり普通車のほうが便利で融通が利く。そんなハイブリッドモデルの筆頭といえばやはりプリウス。現行型の前期型なら、150万円前後の良質な中古車が数多く存在する。
トヨタ プリウス 現行型(平成27年12月~)
CASE【B】
乗車回数は少ないが遠出で使う機会が多い!?
日常での使用頻度は少ないが、レジャーやドライブなどでは遠出を楽しむことが多いという人は、日々の燃料代はさほど気にならないだろうから、やや大型のモデルはいかがだろうか。純粋にドライブを楽しみたいのなら、将来楽しみにくくなる大排気量モデルを今のうちに堪能しておくのもオススメ。流行のSUVが欲しいのなら、本格的なラダーフレームモデルのクロカン系に乗って、オフロードコースなどでその真価を試してみるのもおもしろい。
日産 フェアレディZ 先代型(平成20年12月~令和4年7月)
トヨタ ランドクルーザープラド(120系) 先代型(平成14年10月~平成21年9月)
CASE【C】
遠出も乗車回数も多いので快適かつ経済的なモデル!
人気のSUV。このジャンルで経済性に優れ、遠出も快適にこなしつつ、150万円の予算でねらえるモデルとなれば、先代型のマツダCX-5がオススメだ。なかでもマツダ独自の技術により誕生したディーゼルターボ搭載グレードなら、燃料代も安く抑えることができるため、経済的な遠出が可能になる。また、完成度の高いフルタイム4WDは、難しい操作を必要とせずに、雪道からラフロードまでをこなしてくれる。エンジンオイル交換費用はやや高めではある。
マツダ CX-5(XD系) 先代型(平成24年2月~平成29年2月)
「TYPE 2」 新車購入はやめて中古車を初めて選ぶ人向けのクルマ
新車の納車遅れという状況が発生していることもあり、これまで新車を乗り続けていたユーザーが、早い納車を期待して中古車に乗り換えるというケースも増えている。そんな中古車への乗り換え初心者のためのクルマ選択術を紹介。
CASE【A】
手頃な予算で信頼性が高く経済的に乗れる中古車は!?
同じ予算でも新車よりも幅広い車種をねらえるのが中古車の魅力のひとつ。ただし、これまで新車に乗り続け、初めて中古車を買うという場合は、できるだけ不安要素を取り除いたクルマ選びがオススメ。その筆頭といえるのが、国産のコンパクトカーだ。高い信頼性はもとより、優れた経済性を兼ね備え、しかも安全装備が充実している現行型もねらえる。また、燃費がよいクルマが揃っていることも特長で、経済的に遠出を楽しみたい人にも向いている。
トヨタ ヤリス 現行型(令和2年2月~)
ホンダ フィット 現行型(令和2年2月~)
CASE【B】
中古車でもステータスを重視したいのなら!?
新車価格が高い高級車であっても、中古車に的を絞ればリーズナブルな価格でねらえる高級車も数多く存在する。高いステータス性をねらって高級車を買うというのは、中古車を買うことの大きな醍醐味のひとつともいえる。ただし、整備費用や修理代は高くつくことが高級車の常なので、特に古めのモデルをねらうのなら、購入後の維持費を考慮した予算組みを行うのがベター。また、中古車が初めてという場合は、信頼性の高い国産車をねらうのがオススメだ。
レクサス LS 先代型(平成18年9月~平成29年10月)
CASE【C】
遊びに使える4駆でねらい目のSUVなら!?
新車、中古車を問わず、高い人気となっているのがSUVだ。よって中古車相場は総じて高めな傾向にある。そのSUVでいろいろなアクティビティなどを楽しみたいのなら、ある程度の室内やラゲッジの広さが必要だろう。そうなると、2ℓクラスのSUVがオススメで、それらは総じて流通量も多く中古車初心者にも探しやすい。また、高年式モデルは値落ちのペースが遅いため、手頃な価格とバリュー感を考慮すると、先代型のSUVがねらい目といえる。
スバル フォレスター 先代型(平成24年11月~平成30年7月)
CASE【D】
運転自体が楽しいMTもねらえるクルマなら!?
運転自体が楽しめ、かつ中古車初心者にもオススメのモデルとなれば、その筆頭はマツダのロードスターだろう。現行型でもMTモデルの流通量が多く、高い信頼性もありながら、魅力的な人馬一体感を抱ける乗り味が得られる。
マツダ ロードスター 現行型(平成27年5月~)
「TYPE 3」 150万円前後の予算という 最も需要の多い中古車を買う!
中古車購入単価の最も需要の多い約150万円前後の予算で、最も中古車購入率が高いであろうファミリー向けにも便利なマイカーといえばミニバンだ。コンパクトモデルやハイブリッド、SUVのようなミニバンも存在している!
CASE【A】
子供の送り迎えや近場の移動に便利なミニバンは!?
ライバル車種がフルモデルチェンジを果たしたことで、現行型Mサイズミニバンの中古車で最もねらい目となったのが日産のセレナだ。充実した安全装備や360°の視野を確保するアラウンドビューモニターなど、女性でも安心して狭い道も走れるし、長距離ドライブも快適。子供の送り迎えなど、街中の移動がメインという場合は、コンパクトミニバンのトヨタ・シエンタがオススメ。流通量も比較的多めで、探しやすい状況にある。
日産 セレナ 現行型(平成28年8月~)
トヨタ シエンタ 現行型(平成27年7月~)
CASE【B】
広々室内の余裕あるミニバンをねらうなら!?
ラージサイズのミニバンは年式が古くなっても高い人気を維持するモデルが多い。その筆頭がトヨタのアルファードとヴェルファイアだが、やはり高値維持という傾向が強い。この2台ほど大きくないが、十分に広い室内を確保していて、かつ経済性にも優れるモデルがトヨタのエスティマハイブリッド。最終型は2006年にデビューし2019年に絶版となったため、新型の登場による型落ちが気にならない。またすべてフルタイム4WDモデルとなっている。
トヨタ エスティマハイブリッド 最終型(平成18年6月~令和元年10月)
CASE【C】
家族でアウトドアを満喫できるミニバンは!?
流行のキャンプだけにとどまらず、マリンスポーツやウインタースポーツなども家族で楽しみたいというのであれば、オススメはミニバンにSUV的な要素が詰まった三菱のデリカD:5一択といえるだろう。優れた4WDシステムと高めの最低地上高で、幅広いフィールドで活躍できるモデルだ。また、専用設計のルーフキャリアやリアラダーなど、アウトドアで活躍するアフターパーツが豊富に流通している点も、他のミニバンにはない魅力のひとつ。
三菱 デリカD:5 現行型(平成19年1月~)
「TYPE 4」 購入費用も維持費も抑えて走ればOK的な中古車をねらう
中古車の購入費用において、増加傾向にあるのが50万円以下。中古車相場の全体が上昇傾向にあるなかで、50万円以下の物件で注意すべきは程度だ。その程度を見極めたうえで、使用状況にあった中古車を探してみよう!
CASE【A】
近場移動がメインで燃料代も節約したい
近場移動がメインで、とにかく燃料代を安く抑えたいのなら電気自動車がオススメだ。しかも車両代も安いものが理想となれば、ねらうべきは日産の初代リーフ。自宅で充電できる環境ならば、維持費は驚くほど安く済む!
日産 リーフ 初代(平成22年12月~平成29年10月)
CASE【B】
近場移動がメインだが使用頻度が高い、でもできるだけ経済的に乗りたい!?
近場移動がメインでも、使用頻度が高いのなら、充電の必要がないハイブリッドカーがオススメ。そのなかでも初代アクアは、50万円以下の流通量も多く、探しやすい状況にある。安心感を得たいのであれば、保証付きをねらいたい。
トヨタ アクア 先代型(平成23年12月~令和3年7月)
CASE【C】
遠出も乗車回数も多いがお安く乗れるクルマは?
車両価格を安く抑えつつも、遠出でクルマを使う機会が多く、かつ維持費も安く抑えたい。かなり贅沢なクルマ選びとなるが、その要望に応えるのならば、マツダデミオの最終型で、ディーゼルエンジン搭載モデルとなるだろう。
マツダ デミオ(XD系) 最終型(平成26年9月~令和元年7月)
CASE【D】
車中泊も楽しめる安くクルマ旅を楽しみたい
時間や場所に縛られることなく、気軽にクルマ度を楽しめる車中泊。ブームにもなっている車中泊を楽しめるクルマでありながら、購入費用も維持費も安く抑えたい。その要望に応えるモデルは1BOX系の軽自動車だ!
スズキ エブリイ 現行型(平成27年2月~)
まとめ
不安定な中古車市場だからこそ短時間での情報収集と早めの決断を!
半導体不足が露呈した2020年の下半期より以前と比較すると、中古車相場は高めの傾向にあり、値落ちのペースが遅いこともたしかだ。しかし、それは全体的な傾向であり、探せばそれに当てはまらないモデルやグレードが存在することもまた事実。混迷期ともいえる今の中古車市場においては、ゆっくりと中古車を吟味する買い方はオススメできない。よって短時間での情報収集と素早い決断が、最適な中古車を購入する近道となるはずだ。
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