2021年から、F1はヨーロッパでのレースのスタート時刻を、以前の14時(日本時間21時)に戻すことになりそうだ。
2018年以来、ヨーロッパでのF1レースのスタート時刻は通常15時10分(日本時間22時10分)とされてきた。これは、F1のオーナー企業であるリバティメディアが、テレビ視聴者を増やすための策の一環として推し進めてきたものだ。
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それ以前のスタート時刻は、現地時間の14時となるのが常だった。しかし、アメリカ大陸での視聴者を考えると、15時に遅らせた方が視聴しやすいと考えられたため、15時に繰り下げられた。また、放送局が番組を制作しやすいようにするため、15時きっかりのスタートではなく、15時10分のスタートとなった。こうすれば、番組が15時に始まったとしても、スタートからフィニッシュまでの全てを放送しやすくなると考えられたわけだ。
この変更は、いくつかのメリットをもたらしたかもしれない。しかしF1界ではあまり人気がなかった。
まずレースのスタート時刻が遅くなるということは、ぞれだけチームのスタッフの業務終了時刻が遅くなってしまう。当時、すでにチームスタッフの仕事量は限界に達しつつあったが、それをさらに厳しい状況に追い込んでしまうことになったのだ。また決勝終了後には、次のレースへと移動するために各チームが迅速に荷造りを行なう。そのための時間にも影響を及ぼすことになったわけだ。
また15時きっかりではなく、15時10分と”10分”という余裕を作ったことで、ピットレーンの出口がオープンになるタイミングとレース前のセレモニーのスケジュールが複雑なモノになった。しかも、当初から早めに番組をスタートさせていたテレビ局にとっては、スタートが10分遅れたことで、その分のコンテンツを新たに作りだす必要があった。
motorsport.comの取材によれば、F1はチームに対し、すでにヨーロッパでのレースのスタート時刻を従来の14時に戻すことを提案しており、チーム側も概ね賛成の意向を示しているという。そのため、この変更はまもなく承認されるものとみられる。
ヨーロッパ以外でのレースのスタート時刻は、それぞれ視聴者や観戦客に最適になるように調整されることになるはずだ。
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