6月3日、三重県の鈴鹿サーキットで2023スーパーGT第3戦『SUZUKA GT 450km RACE』の公式予選が行われ、GT300クラスはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がポールポジションを獲得した。
シーズン3戦目を迎えた2023年のスーパーGTは、台風2号接近の影響で金曜搬入日は雨に見舞われてしまったが、明けた土曜予選日は朝から晴天に恵まれ、午前中の公式練習を経てから予選セッションが幕を開けた。
■Q1A組:今季デビューのapr LC500h GTがトップ通過
当初のスケジュールでは15時05分にGT300A組が開始になるはずだったスーパーGT第3戦鈴鹿の公式予選。しかし直前に行われたFIA-F4のレースがオイル処理によりディレイしたため、スーパーGTの予選は定刻から20分遅れとなる15時25分から10分間のGT300A組セッションが開始された。
GT300A組開始時点での気温は25度、路面温度は40度、湿度は52%というコンディション。まさに台風一過と言っていい晴天と日差しのなか、コースオープンと同時にA組出走の14台がピットを後にし、各マシンがウォームアップ走行を行いながらタイヤを温めていく。
まずタイムを出したのはapr LC500h GTの小高一斗となり、1分57秒084のターゲットタイムを残り3半で記録してくる。その後は各マシンがアタックに入り、GAINER TANAX GT-Rの石川京侍が1分57秒665で2番手、さらにSUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人が1分57秒254で2番手に飛び込んでくる。
アタック合戦はさらに続き、muta Racing GR86 GTの平良響は1分57秒287で3番手に入ると、Syntium LMcorsa GR Supra GTの吉本大樹が1分57秒247を記録して2番手に。チェッカーフラッグが振られるなか荒聖治が駆るStudie BMW M4が1分57秒244で2番手となるが、apr LC500h GTのタイムには届かない。
その後もトップタイムを更新する車両は現れず、今季から投入されたapr LC500h GTに小高がA組トップ通過を果たした。A組敗退はグッドスマイル 初音ミク AMG、PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG、K-tunes RC F GT3、Yogibo NSX GT3、apr GR86 GT、アールキューズ AMG GT3の6台となっている。
■Q1B組:ANEST IWATAのフラガが驚きのトップタイム
続くB組はA組終了後の15時43分に開始。こちらもシグナルグリーンとともに各マシンがコースインしていくが、シェイドレーシング GR86 GTとDOBOT Audi R8 LMSは他車とタイミングをずらしてピットを後にする。
こちらもコースイン後はマシンとタイヤ、そして自身のアタックに備えるべく各車ウォームアップ走行を行っていく。そして残り4分30秒というタイミングでまずHACHI-ICHI GR Supra GTの佐藤公哉が1分58秒418のターゲットタイムを記録する。
その後はウォームアップを終えたマシンたちもアタックを行い、PONOS GAINER GT-Rの安田裕信が1分57秒998でトップタイムを更新する。さらに同じニッサンGT-RニスモGT3のリアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rを駆るジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが1分57秒562を記録して首位に立つ。
さらにシェイドレーシング GR86 GTは平中克幸が1分58秒982、そしてHOPPY Schatz GR Supra GTが1分57秒986にタイムを上げるなか、イゴール・オオムラ・フラガがアタッカーを務めるANEST IWATA Racing RC F GT3が1分57秒505をマークしてトップに躍り出る。
そんななか日立Astemoシケインでは埼玉トヨペットGB GR Supra GTがスピンを喫してしまうが、コースに復帰したためセッションは続行。しかしその後トップタイムを更新するマシンは現れず、ANEST IWATA Racing RC F GT3のフラガがB組トップでセッション終了を迎えた。
B組敗退はDOBOT Audi R8 LMS、埼玉トヨペットGB GR Supra GT、RUNUP RIVAUX GT-R、マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号、植毛ケーズフロンティア GT-Rの5台となっている。
■Q2:山内英輝が唯一の55秒台突入。自身13回目のポール獲得
GT500クラスのQ1終了後、GT300クラスはQ1各組を突破した16台で争われる10分間のQ2セッションが16時18分から開始となった。シグナルグリーンと同時に各マシンがコースに出ていくが、GAINERの2台、シェイドレーシング GR86 GT、リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R、SUBARU BRZ R&D SPORTは少々のステイをした後にピットを後にしていく。
Q2でまずアタックに入ったのはHACHI-ICHI GR Supra GTの三宅淳詞だ。三宅はまず1分56秒827でターゲットタイムとしても速いタイムを記録。続く2番手にはapr LC500h GTの嵯峨宏紀が1分58秒065で2番手に入ると、直後にGAINER TANAX GT-Rの富田竜一郎が1分56秒095という最速タイムをマークしてトップに立つと、僚友PONOS GAINER GT-Rの大草りきも1分56秒978で3番手に飛び込む。
そんな上位争いが展開されるなか、この鈴鹿を“落とせない”一台であるSUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝が最速セクタータイムを記録しながらホームストレートに戻り、唯一の55秒台となる1分55秒775を記録して圧巻のトップタイムを記録する。
その後はシェイドレーシング GR86 GTの清水英志郎、HOPPY Schatz GR Supra GTの野中誠太、muta Racing GR86 GTの堤優威、Syntium LMcorsa GR Supra GTの河野駿佑もタイムを上げるが、BRZ山内のタイムには届かない。
このままGT300Q2はチェッカーフラッグとなり、SUBARU BRZ R&D SPORTの山内が今季初のポールポジションを獲得し、ダンロップタイヤにとっても今季初の最前列に。そして通算ポール回数を“13”とした山内は歴代最多タイ記録に並ぶ結果になった。
2番手にはGAINER TANAX GT-R、3番手にはSyntium LMcorsa GR Supra GTが続き、以下muta Racing GR86 GT、HOPPY Schatz GR Supra GT、シェイドレーシング GR86 GT、HACHI-ICHI GR Supra GTと、GTA-GT300規定車両が上位を独占する予選結果になっている。
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