リカルド、消化不良の予選にイライラ。Q3進出した角田裕毅との0.5秒差に「彼がいい仕事をしたのは間違いないけど……」

　F1サウジアラビアGPの予選を14番手で終えたRBのダニエル・リカルドは、Q3に進出したチームメイトである角田裕毅との差が大きすぎるとして、苛立ちを感じているようだ。

　リカルドは予選Q1では1分29秒065を記録し13番手でQ2に駒を進め、Q2で1分29秒025とわずかながらタイムを更新。しかしこれはQ3に進出するのに十分なタイムではなかった。

　一方、チームメイトの角田はQ1のタイム（1分28秒988）から0.4秒ほどタイムを縮め、1分28秒564でQ3に進出した。Q3では1分28秒547で9番手となっている。

　リカルドは他のドライバーたちとは異なり、自分がQ2でタイムを大幅に更新できなかった理由に納得できていない様子だった。

「とてもイライラしたよ。先週（開幕戦バーレーンGP）はもっと自分自身に不満があったんだ。タイムを出せると分かっていたからね。もちろんクルマは完璧ではなかったけど、先週は自分の責任だと思っていた」

「でも今日は……正直なところ少しミステリーというか……バランスはまあまあだった。いくつかのコーナーはもちろん、あちこちで少し苦戦したけどね。誰もがQ2で0.5秒ほどタイムを縮められたのに、僕たちは停滞してしまったんだ」

「アンダーステアやオーバーステアが激しかったわけではない。ただ単にグリップが足りなかったんだ。だから、もしタイヤをもう1セット履いていたとしても、Q3に進めたとしても、新しいタイヤでタイムを縮められたかは分からない」

「どこにタイム（を更新する余地）があったのかは分かっているけれど、あのセッションでどうやったらタイムが出せたかは分からないんだ。このセッションの前、いくつか分かっていたエリアはあると思うんだけど……あのセッションはフラストレーションが溜まるものだった」

　角田とは0.5秒ほどの差がついた形だが、リカルドは苦しんだ理由について検討がついていないようだ。

「正直言って予選には自信があったし、Q1は……2本目はミスしたけど戦える状態だった。だからもっと上を目指していかなければいかないんだけど、僕は（角田と比べて）0.5秒も遅れているからね。何か見つけられたらいいと思っている」

　そう語ったリカルド。自身が苦しんでいて、角田が克服した何かがあるのか、という質問に次のように答えている。

「ここまでのところ、それはノーだ。僕たちは近いところにいると思うけど、明らかに彼がいい仕事をした。否定はできないよ。でも、『彼はすごく快適で、僕はそうじゃなかった』みたいなことはなくて、お互いに長所も短所もあると思う」

「予選までは互角の戦いだったし、Q1でもそう見えた。でも彼や他の多くのドライバーたちはステップを踏むことができたのに、僕たちは苦戦を強いられた。あれだけ遅れているのは悔しいよ。僕たちはポイントを争っているのに、14番手なんだから。このポジションは助けにならない」

「でもレースのことを考える前に、あのセッションで何があったのかを確かめたい。あんなギャップになるはずがないんだ」

　では、アタックに向けてタイヤのウォームアップなどにミスがあったのだろうか。しかしリカルドはそれに関しても心当たりはないようだ。

「いつものように（タイヤの温度は）繊細だけど、Q1と比べて何か違ったことをしたわけでもないと思う。同じことをするだけでも、路面の改善や単純なことで普通にタイムを縮めることができるはずだ。でも縮まらなかった。僕たちは当然調査してみるよ。タイヤやウォームアップで何かをしたとか、何かをミスったという感じはないんだ」

　決勝に向けた展望を聞いても、リカルドはやはり予選での苦戦が引っ掛かっている様子。いつも陽気な彼だが、ポジティブな言葉を聞くことはできなかった。

「レースのことを考えるのは難しいよ。今日のようなペースを見せられたらね。でも現実的には考えないといけないと思う。このコースは負荷も大きいし、縁石にヒットしてダメージを受けてしまうかもしれない。分からないけど、僕も縁石か何かでダメージを受けていたのかもしれない。そういうものが見つかるといいんだけど。今はまだ、レースについてポジティブには考えられないね」