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首位2台の接触により史上初の“兄弟ワン・ツー”実現。レース2ではストルツが初勝利/DTM第5戦ニュルブルクリンク

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首位2台の接触により史上初の“兄弟ワン・ツー”実現。レース2ではストルツが初勝利/DTM第5戦ニュルブルクリンク

 8月26~28日、ドイツのニュルブルクリンクで2022年DTMドイツ・ツーリングカー選手権の第5ラウンドが開催され、霧のためスタートが大幅ディレイとなった土曜日のレース1ではシェルドン・ファン・デル・リンデ(シューベルト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)が、日曜のレース2ではルカ・ストルツ(メルセデスAMG・チームHRT/メルセデスAMG GT3)が、勝利を挙げた。

 土曜日のニュルブルクリンクは深い霧に包まれ、午前中に予定されていた予選のセッションはキャンセルに。レース1のグリッドはシリーズランキング順となり、ポールポジションはミルコ・ボルトロッティ(グラッサー・レーシング・チーム/ランボルギーニ・ウラカンGT3)、2番手にシェルドン・ファン・デル・リンデ、3番手にレネ・ラスト(チーム・アプト/アウディR8 LMS)、4番手にはニコ・ミューラー(チーム・ロズベルグ/アウディR8 LMS)という上位グリッドとなった。

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 当初は13時30分のフォーメーションラップ開始が予定されていたが、霧は晴れず。17時15分を過ぎてようやくレースコントロールはスタートを決断した。

 路面が少し濡れている状況のオープニングラップでは、6番手スタートだったフェリペ・フラガ(レッドブル・アルファタウリ・AFコルセ/フェラーリ488 GT3)がターン2までに2番手に上がると、コース後半でボルトロッティをかわして一気に首位へと浮上。さらに5番グリッドスタートのルーカス・アウアー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)が3番手へポジションを上げる。

 ピットインまで首位を維持していたフラガは、1周後にピットインしたボルトロッティに一時先行を許すものの、すぐにこれを抜き返して首位を奪還。背後のボルトロッティもこれに追従し、オーバーテイクのチャンスを伺いながら、終盤へと突入する。

 そして残り11分となったタイミングの最終コーナー、フラガのインにボルトロッティが飛び込むが、2台は接触しともにスピン。その脇を駆け抜けたシェルドンが首位に浮上した。

 このとき、2番手にはリカルド・フェラー(チーム・アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)がつけていたが、ケルビン・ファン・デル・リンデ(チーム・アプト・スポーツライン/アウディR8 LMS)がこれをパスし、そのまま弟、兄の順でファン・デル・リンデ兄弟がチェッカーフラッグを受けた。DTMで兄弟がワン・ツー・フィニッシュを達成するのはこれが史上初のこととなった。

 終盤に激化した6番手争いでは、フィリップ・エング(シューベルト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)、ニック・キャシディ(レッドブル・アルファタウリ・AFコルセ/フェラーリ488 GT3)、ラストが3ワイド状態で接触しながらポジションを争う場面も。

 結局3位以下はフェラー、マキシミリアン・ゲーツ(メルセデスAMG・チーム・ウインワード・レーシング/メルセデスAMG GT3)、アウアー、エング、キャシディという順で決着した。マシンを破損したラストは9位に順位を下げてフィニッシュした。

■ボルトロッティ、2戦連続接触・無得点でランク首位陥落
 日曜午前に行われたレース2の予選では、前日の勢いそのままにシェルドンがポールポジションを獲得、その隣にはケルビンがつけ、兄弟でフロントロウを独占する形に。3番手スタートはデニス・オルセン(SSRパフォーマンス/ポルシェ911 GT3 R)、4番手にはトーマス・プライニング(クース・チーム・ベルンハルト/ポルシェ911 GT3 R)、5番手にエング、6番手に昨年チャンピオンのゲーツがつけた。

 なお、予選で4番手タイムを記録したボルトロッティは、前日のフラガへの接触のペナルティにより5グリッド降格となり、9番手からのスタートとなった。

 スタートでは、2番手のケルビンが出遅れる一方、ポールスタートのシェルドンには5番手スタートのエングが並びかける展開に。混戦のオープニングラップを終えると、シェルドン、エング、オルセン、ケルビン、プライニングのトップ5に、7番手スタートだったストルツが続くオーダーとなる。

 2周目に入ってBMW同士のトップ争いが加熱するなか、ケルビンはさらにふたつ順位を落として6番手へと後退することとなった。

 4周目の最終コーナーで、ラストとダービッド・シューマッハー(メルセデスAMG・チーム・ウィンワード/メルセデスAMG GT3)が接触。スピンアウトしたラストはランオフエリアのグラベルに埋まり、左フロントを破損したシューマッハーも1コーナー先でマシンを止めた。これによりセーフティカーが導入されることとなった。

 このセーフティカー中にピットウインドウがオープンとなったことにより、上位勢では2番手のエングを除く全車がピットへなだれ込んだ。ここで素早い作業とピットアウトにより事実上の首位に立ったのがストルツだった。ピットイン組の2番手はシェルドンで、これにオルセンが続いた。

 翌周にはエングらステイアウト組も続々とピットへ。この2周をいずれもステイアウトしたのは、今回ゲストドライバーとして出走している、DTM史上最年少(17歳)のテオ・オーバーハウス(ワーケンホルスト・モータースポーツ/BMW M4 GT3)のみとなり、オーバーハウスの背後にストルツ以下がつける形でリスタートが切られた。

 ここでストルツが首位をキープし、オルセンが続いた一方で、シェルドンは順位を大きく落とすことに。3番手にはアウアーが浮上した。4番手にはケルビン、その背後にはボルトロッティがポジションを上げてきていた。

 結局、上位陣はこのピット後の順位をキープしたままフィニッシュ。ストルツはDTM初勝利となり、オルセン、アウアーが表彰台に登壇した。

 終盤にかけてはケルビンとボルトロッティによる4番手争いがヒートアップ。ボルトロッティはマシンをスライドさせながら何度も並びかけようとするが、なかなか決定打に至らない。

 やがて55分が経過し、『プラス3周』というレース距離がアナウンスされた後も両者のバトルは続いたが、ターン4でボルトロッティがインから並びかけた瞬間にマシンのサイド同士で接触。ボルトロッティはその場でリタイアとなり、2戦連続のノーポイントでレースを終えた。

 ニュルブルクリンクラウンドを終え、チャンピオンシップリーダーが交代。シェルドン・ファン・デル・リンデが110ポイントで首位に立った。ポイント加算ならなかったボルトロッティが89ポイントでランキング2位、85ポイントのアウアー、81ポイントのラストと続き、初優勝を達成したストルツは73ポイントでランキング5位へと浮上した。

 シリーズは残り3ラウンド/6レース。第6戦は9月9~11日、ベルギーのスパ・フランコルシャンで開催される。

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みんなのコメント

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  • レース2ケルビンがミルコ・ボルトロッティの猛追を押さえて最後クラッシュしてボルトロッティの方はダメージが大きくリタイアして、ケルビンがなんとか4位を守りきってゴールした時にドーナツターンしてましたが、4位の喜びと今年はポイント差が開いてしまい自身はチャンピオンが厳しい中、弟のシェルドンのサポートが出来た事の嬉しさも合ったのかも。メーカーは違えど兄弟愛なのかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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