フェラーリ人事再編成完了……ビノット代表がピットウォールを離れガレージに移動

　フェラーリは、かねてから予定されていた代表陣の再編成を行ない、F1第6戦アゼルバイジャンGPからは新たな戦略責任者がピットウォールの席に着いた。

　再編成に伴い、チーム代表のマッティア・ビノットがピットウォールからガレージへ移る事となったが、その理由はチームが許可されているピットウォールの席数が7席に限られているためである。

　多くのチーム代表がピットウォールからサーキットの様子を見ている中、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは数年前からガレージ内でレースを見守っている。また、以前発表された通り、元総合技術責任者のビノットは、来季のマシン開発に専念すべく今年のグランプリ全てには帯同しないことになっている。

　ピットウォールに腰を据えるフェラーリの新たな戦略責任者は、2016年から同チームに加入している26歳のイギリス人、ラビン・ジェインだ。これにより、2021年2月からスポーティングディレクターと戦略責任者を兼任していたイナキ・ルエダは、スポーティングディレクターに専念できるようになった。

「2月に新体制を発表した際は、（それまでスポーティングディレクターを務めていた）ローレン（メキーズ）がレーシングディレクターの役割を担うと我々は話していた」とフェラーリの広報担当者はmotorsport.comに対し語っていた。

「そしてイナキ・ルエダは戦略責任者のまま、スポーティングディレクターに就任することになった」

「そのため、今シーズンの前半はイナキが前任のローレンを見習いながら、段階的にその責任を負っていくというプロセスをとっていた」

「そのプロセスは今、彼（イナキ）が完全に担当するところに来ている。また、ローレンはレーシングディレクターとして、サーキットで起こるすべてのことを監督している」

「その他の目新しい点は、ラビン・ジェインが戦略責任者となり、ピットウォールの席に座ることだ」

　ジェインは、オックスフォード大学で物理学の最優秀学位を取得し、数学と理論物理学の修士課程でも優秀な成績を収めて修士号を手にしている。

　2013年には、学生ながらもジェインは当時F1に参戦していたケータハムでデータ処理の短期的な仕事を行なった後、翌年の夏にはウイリアムズの戦略部門でソフトウェア開発を担当してきた経歴を持つ。そしてフェラーリで3回目の夏季アルバイトとして戦略と数学的モデリングの業務に携わり、翌2016年には学業を終えチームに加入した。

　フェラーリの広報担当者は、ジェインのここまでのキャリアを2016年にフェラーリ・ドライバー・アカデミー（FDA）に加入し、現在ドライバーを務めるシャルル・ルクレールのキャリアに重ね、チーム内で若い人材が育つことの喜びを語った。

「彼は非常に若いエンジニアであり、フェラーリ・エンジニア・アカデミーを通じて選抜された」とチームの広報担当者は言う。

「そういう点では、ドライバー・アカデミーを通ったシャルルと平行したキャリアを送っている」

「チームの中で人材が成長し、どんどん責任を負っていく姿を見てもらえることは嬉しい限りだ。他のチームから採用しなくても良いからね」

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移動て…w