現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 未来感タップリ! テスラ・モデルSとモデルXを同時試乗!

ここから本文です

未来感タップリ! テスラ・モデルSとモデルXを同時試乗!

掲載 更新
未来感タップリ!  テスラ・モデルSとモデルXを同時試乗!

電動化が加速する自動車界だが、その象徴がテスラだろう。すでにサルーンのモデルS、SUVのモデルXが日本でも発売され、北米ではモデル3という小型サルーンも登場している。スマートなそのデザインも注目だが、やはり気になるのはクルマとしての仕上がりだ。そこでモデルSとモデルXを改めて乗り比べてみることにしよう。REPORT●佐藤久実(SATO Kumi)PHOTO●宮門秀之(MIYAKADO Hideyuki)

 各自動車メーカーが”電動化”に向けた計画を次々に発表している現在。まだまだ先、と思っていた電気自動車が日々身近に感じられるようになってきている。シリコンバレー生まれの「テスラ」が新たに発表した「モデル3」は、アメリカでの車両価格が3万5000ドル(約380万円)から。従来モデルは日本で1000万円超えだったから、価格的にも現実的で身近な存在になりつつある。そこで、改めて既存のテスラ「モデルS」と「モデルX」に試乗して、テスラの魅力を徹底解剖してみた。

ついにup!にGTIが登場!13年振りにGTIが3車種同時ラインナップ!

モデルSは非常に上質なサルーン

 まずはセダンの「モデルS 100D」。運転席に乗り込み、まず驚くのは”スイッチ類”がほとんどないことだ。その代わりに、センターコンソールにタブレット端末を縦置きしたような大きなモニターが居座る。すべての操作はこの画面を介して行う。実は私も、最初はヘッドライトのつけ方すらわからず困った。通常はステアリングの横側にスイッチがあるのだが……でもテスラに乗ると、このような既成概念に捉われること自体が古いのだと思わせる。このモニターはスクロールやスワイプなど、スマホと同じように操作できるので、慣れれば使い勝手は良いと思えるだろう。

 スイッチ類がないのでコクピットはスッキリしていて、ホワイト&ブラックのレザー、そしてカーボン素材のシンプルでエッジの効いたインテリアが際立つ。スッキリしているのは運転席まわりだけではない。既存のパワートレインを持たないのでフロアは完全にフラット。この恩恵を受けるのがリヤシートだ。足元スペースも十分だが、フロアがフラットだとこんなにも広々と感じるものなのか、と感心した。何より、中央の席に座る人も虐げられない。リヤシートには一切の収納スペースがないが、これもこだわりなのだろうか……。その代わりと言っては何だが、エアコン吹き出し口の所にUSBが二口装備されているのはさすが。

 さて、走り出した印象は、とにかく滑らか。駆動系を介さない加速はシームレスで、力強い。上昇音を伴なわずに加速していくので最初はとまどうが、サルーンならこの静粛性の高さも快適さだ。ハイブリッドカーで思うことだが、エンジン音がなくなるとロードノイズや風切り音など、他の”雑音”が煩わしく感じる。だが、テスラはこの雑音も抑えられており、乗り心地も快適だ。段差を乗り越えた際も、重さは感じながらも不快な突き上げはない。ACCも試したが、加減速のみ、ステアリングのアシストありなどをチョイスでき、追従性も違和感がない。素材から走り味まで、全般的にサルーンとしての上質さを持つクルマだ。

テスラは自動車をわかっている人が作っている

 続いてはSUVの「モデルX 100D」。ルーフまで広がるフロントウインドウやリヤのファルコンウィングドアが独自性をアピールする。リヤゲートも含めてドアは高く跳ね上がるが、低い位置に開閉スイッチがあり、さらにオートクロージャーが装備されるので乗降性や使い勝手は良い。そしてウッド&レザーのインテリアも質感は十分。

 こちらの乗り味はモデルSに比べるとやや荒削りな感じ。とはいえ、ハンドリング性能は抜群だ。普通に走っていても低重心であることを実感させる安定感があり、かつ気持ちよく走れる。


 電気自動車はコモディティ化してしまうのではないか?という不安もあったが、テスラに乗るとそれが払拭された。低重心、前後重量配分50:50というパッケージングを今回の2台は実現している。スポーツカーでもないのに、だ。それでいて、セグメントなりの異なる個性があるし、モードの選択で加速感も変更できる。強いて気になる点を言えば、サウンドによる官能がないことぐらいか。しかし、静かだとドライブ中にストレスを感じないのも事実。いずれは、あえてサウンドをつけた電気自動車、なんてものも出てくるかもしれないが……。少なくとも、テスラに関して言えばちゃんと「自動車」をわかっている人が作っている、という印象だった。

 電気自動車の2大難点は、航続距離の短さと充電時間だが、今回の2台のバッテリー容量は100kWhで、航続距離は約600kmと十分。専用の充電設備も徐々に増えつつあるが、これは住環境やクルマを使う場所によって印象が大きく異なるだろう。ちなみに今回は充電も行ってみたが、テスラスーパーチャージャー(出力120kW)では約50分で満充電に。チャデモ(44kW)による30分の急速充電ではバッテリー容量が58%から78%へ。そして、家庭用普通充電(3kW 200V)では16時間の充電で78%から98%となった。

 600kmの航続距離があれば安心してロングドライブができるが、たくさん走ればその分、長時間の充電を行う必要も生じる。充電器設置場所を確認し、また時間に余裕を持った計画を立てれば、長距離でも煩わしさを感じずに付き合うことができるだろう。私自身のライフスタイルで言えば、住んでいるマンションに充電設備がなく、ほぼ毎日クルマ移動をしている。しかしインフラが整備されて充電の不安がなくなれば、是非とも乗りたい。そう思わせるほど魅力のあるクルマだ。

※本記事はGENROQ2018年6月号より転載しています。

SPECIFICATIONS
テスラ・モデルS 100D
■ボディサイズ:全長4979×全幅1950×全高1443mm ホイールベース:2960mm ■車両重量:2106kg ■モーター最高出力:193kW(262ps) ■モーター最大トルク:525Nm(53.5kgm) ■トランスミッション:1速固定 ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:Fダブルウイッシュボーン Rマルチリンク ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ:F&R245/45ZR19 ■航続距離:632km ■パフォーマンス0→100km/h:4.3秒 ■価格:1203万8000円


SPECIFICATIONS
テスラ・モデルX 100D
■ボディサイズ:全長5052×全幅1999×全高1684mm ホイールベース:2965mm ■車両重量:2459kg ■リヤモーター最高出力:375kW(262ps)/6150rpm ■リヤモーター最大トルク:660Nm(67.3kgm)■フロントモーター最高出力:193kW(262ps)/6100-6800rpm ■フロントモーター最大トルク:330Nm(33.7kgm) ■トランスミッション:1速固定 ■駆動方式:AWD ■サスペンション形式:F&Rダブルウイッシュボーン ■ブレーキ:F&Rベンチレーテッドディスク ■タイヤサイズ(リム幅):F265/45R20(9.0J) R275/45R20(9.5J) ■航続距離:565km ■パフォーマンス0→100km/h:4.9秒 ■価格:1241万円

こんな記事も読まれています

“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
“軽トラック”の素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
Merkmal
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
「知らなきゃ損!?」 スマートキーの“意外な”便利機能! 「車内にカギ忘れた!」うっかり“インキー”の原因は?
くるまのニュース
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
ミニバンやSUVの形は「クルマの原点」! ゆえにセダン人気が復活することはないが存在価値はある
WEB CARTOP
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
グレー&シアンで「MTシリーズ」の世界観を表現、ヤマハ『MT-03』『MT-25』2025年モデル発売 
レスポンス
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
KINTO、走行安定性をアップグレードする「士別フィン」を発売
月刊自家用車WEB
KINTOから、LEXUS ISをアップグレードする「Performance Upgrade “Solid” for IS」が発売
KINTOから、LEXUS ISをアップグレードする「Performance Upgrade “Solid” for IS」が発売
月刊自家用車WEB
40年の歴史を持つ伝説的なハイパフォーマンスセダンは7世代目に! 新型「BMW M5」がデビュー
40年の歴史を持つ伝説的なハイパフォーマンスセダンは7世代目に! 新型「BMW M5」がデビュー
LE VOLANT CARSMEET WEB
SP忠男から Z650RS(’24-)用フルエキ「POWERBOX FULL 2in1ステンポリッシュ」が発売!
SP忠男から Z650RS(’24-)用フルエキ「POWERBOX FULL 2in1ステンポリッシュ」が発売!
バイクブロス
三菱「新型デリカ」発表近い!? 超ビッグ&タフな「SUVミニバン」発表で「出たら即買う」の声! 度肝抜く「D:X」登場で期待ヒートアップ!?
三菱「新型デリカ」発表近い!? 超ビッグ&タフな「SUVミニバン」発表で「出たら即買う」の声! 度肝抜く「D:X」登場で期待ヒートアップ!?
くるまのニュース
「e-BIKE」ってなに? ペダル付き電動バイクとの違い
「e-BIKE」ってなに? ペダル付き電動バイクとの違い
バイクのニュース
モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件
モータージャーナリスト修行中のZ世代クルマ好き女子がトムスの本物フォーミュラカーFIA-F4を初体験してきた件
カー・アンド・ドライバー
アウトドアを楽しもう…アンダーソン・パークとコラボ、「ワールド・ミュージック・デイ」でレクサス GX を起用した映像公開
アウトドアを楽しもう…アンダーソン・パークとコラボ、「ワールド・ミュージック・デイ」でレクサス GX を起用した映像公開
レスポンス
カッコよさ重視のデザインに!! 燃費29km超えの[カローラツーリング]はハンドリングが抜群!
カッコよさ重視のデザインに!! 燃費29km超えの[カローラツーリング]はハンドリングが抜群!
ベストカーWeb
【BYD シール】「売れるかは未知数」縮小する日本のセダン市場で、中国のEVはどう戦うのか
【BYD シール】「売れるかは未知数」縮小する日本のセダン市場で、中国のEVはどう戦うのか
レスポンス
アウディの高性能SUV『RS Q8』、600馬力ツインターボ搭載…発表
アウディの高性能SUV『RS Q8』、600馬力ツインターボ搭載…発表
レスポンス
「えっ!」捕まるのはイヤだけど…乗ってみたい!? 爆速「“2ドア”パトカー」3選
「えっ!」捕まるのはイヤだけど…乗ってみたい!? 爆速「“2ドア”パトカー」3選
くるまのニュース
専門店もあるのにPBブランドまで展開! いまホームセンターが「カー用品」を充実させる理由を大手に聞いてみた
専門店もあるのにPBブランドまで展開! いまホームセンターが「カー用品」を充実させる理由を大手に聞いてみた
WEB CARTOP
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「モビリティ業界の新規事業のつくり方~ヤマハ発動機の成功と失敗に学ぶ~」
【セミナー見逃し配信】※プレミアム会員限定「モビリティ業界の新規事業のつくり方~ヤマハ発動機の成功と失敗に学ぶ~」
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1199.01599.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

200.01580.0万円

中古車を検索
モデルSの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1199.01599.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

200.01580.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村