F1第14戦イタリアGPで発生したルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のクラッシュは、モンツァ・サーキットの縁石も一因になっていると考えられるが、FIAのF1レースディレクターであるマイケル・マシは、変更の必要はないと考えている。
ハミルトンとフェルスタッペンは、ターン1に向けて横並びで進入。しかしその後のターン2でフェルスタッペンにはスペースが残されておらず、イン側にあるソーセージ縁石と呼ばれる背の高い縁石に乗り上げてしまった。
■360度車載カメラが捉えた! フェルスタッペンvsハミルトンのクラッシュ、その衝撃的一部始終
これでマシンのコントロールを失ったフェルスタッペンは、ハミルトンと衝突。タイヤ同士が当たったことでフェルスタッペンのマシンは跳ね上がり、ハミルトンのマシンに乗り上げるような危険なクラッシュへと発展してしまった。ハミルトンの頭にはリヤタイヤが当たったが、コックピット保護デバイスであるハロが機能し、大怪我にはならずに済んだのは不幸中の幸いだったと言える。
縁石はドライバーがコーナーをショートカットしないようにする抑止力としての役割を果たす一方で、事故の際には発射台のようにマシンを浮き上がらせる原因にもなってしまう。今回の事故を受けて、モンツァのソーセージ縁石を見直す必要があるのではないかという声も高まっている。
FIAのレースディレクターであるマシは、第1シケインの縁石は意図された通りに機能しており、オーバーテイクに固執して縁石にぶつかるリスクを冒すか、安全を期して回避行動をとってランオフエリアに出るかは、ドライバーの判断に委ねられていると考えている。
「あのコーナーでは、ソーセージ縁石が非常によく機能していると思う」
マシは、モンツァのソーセージ縁石を見直す必要があるかどうか尋ねられ、そう答えた。
「あれはドライバーの選択だ。縁石に突っ込むこともできるし、左側に行くこともできる。週末の間に何度もそういうことがあった」
「同じような状況にあった多くの人が、小さな段差を抜けて左に行き、コースに合流することを選んだのだ」
フェルスタッペンはこの接触に対して責任があるとみなされ、次戦ロシアGPでの3グリッド降格ペナルティを受けた。マシは、2台ともその場で脱落したため、フィニッシュ後にインシデントの調査が行なわれたと説明。そうでなければ、フェルスタッペンにはタイム加算ペナルティが科せられていただろうと話した。
「チームの間で、ふたりの接触では5秒か10秒のタイム加算ペナルティが与えられるということは一般的に合意されていると思う」
「もし彼らがレースを続けていたら、レース中のタイムペナルティになっていただろうという基準で見る必要がある。しかし、彼らはそうできなかった」
「シルバーストン(ハミルトンとフェルスタッペンが接触し、フェルスタッペンがリタイアしたイギリスGP)とは全く比較できない。ひとつのインシデントで2台がリタイアしたのに対し、1台だからね」
「彼らはレースを続けることが出来ず、ペナルティを受けられなかった。その場合、全チームが合意しているように、グリッドペナルティが与えられることになった」
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