F1の2023年シーズンは、まさにマックス・フェルスタッペンとレッドブルの独壇場だったといってもいいだろう。レッドブルRB19は22戦中21勝という、歴史的な成績を残し、フェルスタッペンはそのうち19勝をマークした。
ではもし、そんな成績を残した”最強”レッドブルがいない仮想世界では、どんなシーズンになっていたのだろうか。
■F1の歴史を作った名車:マクラーレンMP4/4 記録は破られても、その偉大さは変わらない!
まず開幕戦バーレーンGPは、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がルイス・ハミルトン(メルセデス)やカルロス・サインツJr.(フェラーリ)とホイール・トゥ・ホイールの戦いを繰り広げたはずだ。シャルル・ルクレール(フェラーリ)のエンジントラブルも追い風に、アロンソが2013年スペインGP以来の優勝を飾っていただろう。
第2戦サウジアラビアGPは、スタート位置がズレていたとしてアロンソが5秒ペナルティを受け、それを正しく消化しなかったとしてさらに10秒のペナルティを受けた。しかし抗議の結果、この10秒ペナルティが取り消されている。
レッドブルがいない世界線のサウジアラビアGPでは、このペナルティがアロンソの優勝を左右するモノとなり、アロンソは2連勝で開幕ダッシュに成功することになる。
第3戦オーストラリアGPは終盤の大混乱を無傷で切り抜けたハミルトンが優勝。かつてマクラーレンでチームメイトだったアロンソとハミルトンが、激しいタイトル争いをしていくのだろうか……。
レッドブルがF1に参戦していないという仮定の世界では、そんなシーズン序盤になっただろう。
もちろん、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスをリザルトから消し去るだけで、完璧なシミュレーションにならないのは明らかだ。
例えばレッドブルがいなければ、カタールのスプリントレースでニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)とペレス、エステバン・オコン(アルピーヌ)が絡んだ多重クラッシュは起きなかったかもしれない。
サンパウロGPのターン1でランド・ノリス(マクラーレン)がタイヤの消耗覚悟でフェルスタッペンにアタックするようなこともなかっただろう。
しかしレッドブルの後ろで、どれだけタイトな争いが行なわれていたかは見えてくるはずだ。
2023年シーズンのウイナーについて見てみると、レッドブルがいなければ3人(フェルスタッペン、ペレス、サインツJr.)から6人(アロンソ、ハミルトン、ルクレール、サインツJr.、ノリス、オスカー・ピアストリ)にウイナーが増えることになる。
ドライバーランキングは、ハミルトンがアロンソをわずか17ポイント差で下して決着。フェルスタッペンが2位のペレスに290ポイント差をつけた今シーズンよりもはるかにエキサイティングなタイトル争いになっていたはずだ。
コンストラクターズランキングも、メルセデスがフェラーリを7ポイント差で抑えていただろう。こちらも、実際のシーズン(レッドブルが2位メルセデスに451ポイント差)より遥かに僅差だ。
アストンマーティンは、フレキシブルウイングの規制強化やシーズン終盤に来シーズンに向けた”実験”を行なったことにより失速したが、レッドブルがいない世界ではそのダメージが抑えられている。レッドブルがいなければタイトル争いをしていたはずで、来季に向けた実験もしていなかっただろう。
アロンソは6勝を挙げ、ハミルトンとタイトル争いを演じるが、最終戦アブダビGPを迎えた時点で21ポイント差。アロンソの優勝が絶対条件という苦しい展開だ。
そしてアブダビでは、アロンソが4ポイント追い上げるのが精一杯。ハミルトンが史上最多8度目のタイトルを獲得し、アロンソはまたも僅差でタイトルを逃し、涙を呑むことになる。
ルクレールはランキング3位。フェラーリはラスベガスとアブダビでの終盤2戦に勝利し、浮かれた気持ちでクリスマス休暇に入ることができるだろう。ノリスは287ポイントを獲得し、ルクレール(289ポイント)、サインツJr.(283ポイント)と激しい順位争いを繰り広げることになる。
入賞を争う中団勢も大きな影響を受けるだろう。アルファタウリの角田裕毅は入賞機会が多くなり、獲得ポイントは17ポイントから47ポイントまで伸びる。
以上のシミュレーションを見て分かるように、もしフェルスタッペンがいなければ、今シーズンはタイトな争いが繰り広げられていたことだろう。
たとえ1ポイント差でタイトル争いが決着した2007年と2008年や、4人がチャンピオンの権利を残して最終戦を迎えた2010年、ハミルトンとフェルスタッペンが激闘を演じた2021年ほどではなかったとしても、ファンをより長く惹きつけ、F1がさらに成長していた可能性があるといえる。
もちろん、それは最高の仕事をしたフェルスタッペンとレッドブルの責任ではないが、2024年はよりエキサイティングなシーズンを期待したいところだ。
■2023年のポイントランキング(もしレッドブルがいなければ……バージョン)
1位 ルイス・ハミルトン 331ポイント
2位 フェルナンド・アロンソ 314
3位 シャルル・ルクレール 289
4位 ランド・ノリス 287
5位 カルロス・サインツJr. 283
6位 ジョージ・ラッセル 248
7位 オスカー・ピアストリ 145
8位 ランス・ストロール 131
9位 ピエール・ガスリー 107
10位 エステバン・オコン 102
11位 アレクサンダー・アルボン 65
12位 角田裕毅 47
13位 バルテリ・ボッタス 29
14位 ニコ・ヒュルケンベルグ 20
15位 周 冠宇 18
16位 ダニエル・リカルド 12
17位 ケビン・マグヌッセン 12
18位 リアム・ローソン 9
19位 ローガン・サージェント 9
20位 ニック・デ・フリーズ 0
■コンストラクターズランキング
1位 メルセデス 579
2位 フェラーリ 572
3位 アストンマーティン 445
4位 マクラーレン 432
5位 アルピーヌ 209
6位 ウイリアムズ 74
7位 アルファタウリ 68
8位 アルファロメオ 47
9位 ハース 32
■もしレッドブルがペレスひとりだったら……
レッドブルのドライバーふたりがいかにアンバランスだったかを考えると、フェルスタッペンだけを除外した場合にどうなるかも考えてみたい。
この場合、ペレスはシーズン6勝。うち開幕4戦で3勝をマークする形となる。たとえモンツァ以降表彰台の頂点に立てず、母国でルクレールと接触し1コーナーでレースを終えたとしても、2位のハミルトンに55ポイント差をつけてメキシコ人初のワールドチャンピオンとなる。
最も注目なのは、トップ2の背後で起きたことだ。レッドブルの2台が抜けた世界では、ドライバーズランキングの序列は変わらず、ふたつずつ順位を上げるのみだ。
しかし、フェルスタッペンだけが抜けた場合、ノリスはアロンソとルクレールを抜いて3位に繰り上がる。これはフェルスタッペンが抜けたことで、ノリスが5勝をマークするからだ。コンストラクターズランキングでは、ペレスが1台でレッドブルをランキング5位まで押し上げることになる。
■2023年のポイントランキング(もしフェルスタッペンがいなければ……バージョン)
1位 セルジオ・ペレス 353
2位 ルイス・ハミルトン 298
3位 ランド・ノリス 270
4位 フェルナンド・アロンソ 266
5位 シャルル・ルクレール 261
6位 カルロス・サインツJr. 246
7位 ジョージ・ラッセル 220
8位 オスカー・ピアストリ 127
9位 ランス・ストロール 101
10位 ピエール・ガスリー 88
11位 エステバン・オコン 83
12位 アレクサンダー・アルボン 46
13位 角田裕毅 30
14位 バルテリ・ボッタス 18
15位 ニコ・ヒュルケンベルグ 13
16位 周 冠宇 12
17位 ダニエル・リカルド 10
18位 リアム・ローソン 6
19位 ケビン・マグヌッセン 6
20位 ローガン・サージェント 4
21位 ニック・デ・フリーズ 0
■コンストラクターズランキング
1位 メルセデス 518
2位 フェラーリ 507
3位 マクラーレン 397
4位 アストンマーティン 367
5位 レッドブル 353
6位 アルピーヌ 171
7位 ウイリアムズ 50
8位 アルファタウリ 46
9位 アルファロメオ 30
10位 ハース 19
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
日産が93.5%の大幅減益! ハイブリッドの急速な伸びを読めなかったのは庶民感覚が欠けていたから…「技術の日産」の復活を望みます【Key’s note】
中古車バブル崩壊……その時あなたは何を買う!? 絶版国産[スポーツカー]ほしいランキング
クルマのヘッドライト「何時に点灯」させればいい? 「オートライト義務化」されるも過信はNG! 「秋冬の早め点灯」大事な理由とは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?