KTMとライター・エンジニアリングは、開発が噂されていた『クロスボウ(X-Bow)』ベースのGT2カーを発表した。この新型レーサーは2020年後半にデビューする予定だ。
2.5リットルのアウディ製5気筒エンジンが搭載されるクロスボウGT2は、ポルシェ911 GT2 RSクラブスポーツとアウディR8 LMS GT2が登場しているSROモータースポーツ・グループの“GT2カテゴリー”に加わる3台目のニューモデルだ。
ライター製KTM GT2カー誕生の可能性も。コンセプトGTが開発中
ドイツの名門チューナーで、過去にはランボルギーニのオフィシャルパートナーとしてガヤルドのGT3カーを開発・製造していたライターは以前、Sportscar365が報じたように、クロスボウGT4をベースにした“コンセプトGTカー”プログラムに取り組んでいた。しかし、同モデルは当初、SROの新しいカテゴリーに求められる700馬力という出力レベルを満たすことに懸念があった。
ライターによれば、クロスボウGT2のパワーは目標値には届いていないものの、アウディのGT2モデルと同様に約600馬力を発揮。約1000kgという軽量設計を実現させたことで、SROの目標とするパワーウエイトレシオに対応しているという。
また、このクルマのテストバージョンは、2019年8月にスペイン・バルセロナで行われたハンコック24時間で初めてレースを行い、その後も開発が続けられていたことが明かされた。
KTMはGT2とGTXというふたつの仕様のクルマを市場に提供する。GTXはSROが設定するバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)が適用されないクルマで、SROシリーズ以外のトラックデーでの使用を目的とした、サーキット専用の無制限モデルだ。
オーストリアのメーカーが最初のロットとして製造する20台は2020年後半にも販売される予定だが、ライター・エンジニアリングのゼネラルマネージャーを務めるハンス・ライターによれば、GT2モデルではSROによる最終的な公認を受ける必要があるという。
「我々の目の前にはエキサイティングな時代があると確信している。KTMクロスボウGTXと、クロスボウGT2は世界中のカスタマーやチームに熱烈に受け入れられるだろう」とライターは述べた。
なお、新型マシンの技術的な詳細と価格については後日、正式にアナウンスが行われる。GT2仕様は今秋開催予定のSROイベントで初レースを迎える予定だ。
KTM取締役のフーベルト・トゥルンケンポルツは「KTMクロスボウGT4の世界的な成功に続き、ADAC GT4ドイツの現チャンピオンとして私たちは今、新しいレーシングカーで次の一歩を踏み出した。そして、我々はすぐに、より高いクラスで競争を行う」と語った。
「モータースポーツでは経済的で効率的な小型エンジンでより速く走るために、優れたパワーウエイトレシオとなる開発に焦点を当てる必要がある」
「また、このプロセスから得た知識も、シリーズ開発に組み込む必要があるんだ」
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