スーパーカーといえば「ミッドシップの2シーター、エンジンはDOHCでV8以上。ただし、ほかに惹き付ける魅力があれば例外もあり・・・」というのがざっくりとしたイメージだろうか。1970年代半ばに大ブームが起きてから50年近くの歳月が流れ、そのイメージは少しずつ変わってきているようにも見える。本連載では1966年から現代までスーパーカーを並べていくので、変遷していくさまをお楽しみいただければと思う。【第6回は「ランボルギーニ ハラマ」だ。】
ランボルギーニ ハラマ(1970-1976年)
前回のエスパーダの項でも触れたが、1968年に登場した2+2のGTクーペ「イスレロ」の販売不振を受けて急遽開発され、1970年のジュネーブ モーターショーで発表されたのが今回紹介する「ハラマ」だ。その車名は、かつてはF1グランプリも開催されていたスペインにあるサーキットの名前に由来する。
ランボルギーニのテクニカルトップに聞く「テクニカはウラカン シリーズの完全なニューモデルとして開発」
ハラマの基本構造はエスパーダ用セミモノコックのホイールベースを270mmも切り詰めて、2+2クーペとしたものだ。マルチェロ・ガンディーニやジャンパオロ・ダラーラに師事してランボルギーニ社で多くのモデルの開発を手がけたパオロ・スタンツァーニがシャシを熟成した。そして、そのシャシに架装されたボディのデザインを手がけたのは、やはりガンディーニ(当時はベルトーネ社に在籍していた)であった。
パワートレーンはエスパーダと基本的に同じ。ミウラやカウンタックなど、多くのランボルギーニ車に採用され続ける4LのV12 DOHC。これをフロントに搭載し、後輪を駆動する。エンジンそのものはイスレロのハイパフォーマンス版、イスレロS用にチューンされたもので、燃料供給装置はウエーバー製40DCOEキャブレターを6基装着し、最高出力は350psを発生した。
運動性の高さは折り紙付き。だがその位置づけは微妙
さらに1972年には圧縮比のアップや冷却系の見直しが図られ、365psにまでパワーアップしている。これを後期型の350GTSと呼ぶ(ハラマSとも呼ばれている)が、前期型の350GTとの違いはボンネット上のエアインテークと、フロントフェンダー上のアウトレットが追加されたことで判別できる。
ハラマは、FRの素直な運動性能と2+2という実用性が高く評価されたが、ランボルギーニとしての位置づけがあいまいだったためか販売は伸び悩み、前期型は176台、後期型は152台と、残念ながら330台に満たない台数で生産を終了した。
ちなみに、このハラマ以降ランボルギーニではFRの駆動方式を採用したモデルは生産されておらず、事実上ランボルギーニ最後のFR車となっている。
■ランボルギーニ ハラマ 350GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4485×1820×1190mm
●ホイールベース:2380mm
●重量:1540kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC
●排気量:3929cc
●最高出力:350ps/7500rpm
●最大トルク:40.0kgm/5500rpm
●燃料タンク容量:100L
●駆動方式:FR
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/70VR15
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みんなのコメント
やはりアメリカでの販売を意識したのかな?
いずれにせよユーティリティV12 はハラマで一度姿を消し
LM002 を経て ウルスまで待つ事になる