ランドローバー
美点:初代ランドローバーは、1948年にローバーシリーズの単一モデルとして登場し、1990年にディフェンダーと改名され、2016年まで生産され続けた。荒れた地面では驚異的な性能を発揮し、その名は「ジープ」と同様にオフロード車の象徴となった。2019年に再登場した最新のディフェンダーは、好調な売れ行きを見せている。
【画像】賛否両論、意見の分かれるクルマたち【ルノー・アヴァンタイムやローバーSD1、スバル360などを写真で見る】 全76枚
難点:生産が終了するずっと前から何十年も時代遅れとなっており、第二次世界大戦直後に比べてもわずかに洗練された程度であった。そのオフロード性能に疑問の余地はなかったが、舗装路での運転は快適とは言えなかった。
最終評価:名車
MG MGA
美点:MGが戦後初めてまともな乗用車を発売したのは1955年のことで、10年間は旧来のデザインと設計に頼っていたが、愛好家には少しも印象に残らなかった。しかし、MGAが登場すると大反響を呼んだ。その評価は高く、10万台以上を販売し、それまでの記録を塗り替えた。
難点:1958年、MGはMGAの派生モデルとして、当時としては非常に高い圧縮比を持つBシリーズ・エンジンのツインカム版を搭載したパフォーマンスモデルを発表した。レースやラリーでは非常に優れた性能を発揮したが、日常的に使用される燃料では絶望的なほど信頼性が低かった。MGは1960年にこのエンジンに見切りをつけ、MGAの総生産台数の2%弱を占めるにとどまった。
最終評価:エンジン次第
MG MGC
美点:MGCはMGBの派生で、1962年から1980年まで長く生産されたロードスター(MGB GTと呼ばれる場合はクーペ)であった。MGで初めて50万台以上の販売を達成し、特に3.5LのMGB GT V8は、わずか2591台しか製造されなかったものの高く評価されている。
難点:GT V8は、初めての高性能モデルというわけではない。1967年、MGBに3.0L 6気筒エンジンを搭載してMGCと名付け、高みを目指した。このエンジンは重く、ハンドリングに問題があり、高回転域ではパワフルだが、低回転域では頼りない。しかし、当時のプリンス・オブ・ウェールズ(現キング・チャールズ3世)は、このモデルをたいそう気に入っていたという。
最終評価:迷車
モーリス・マリーナ
美点:今でこそマリーナを否定するのは簡単かもしれないが、当時は決して破滅的なものではなかった。世界中で100万台以上が販売され、1970年代前半から半ばにかけては英国で最も成功したクルマの1つであった。
難点:でも、おわかりの通り、良いクルマではなかった。大急ぎで設計され、すでに時代遅れとなっていた技術を使ったため、発売間しばらくすると好意的に語られることは減っていった。
最終評価:迷車
日産キューブ
美点:現代の日産マイクラ(日本名:マーチ)やルノー・クリオ(日本名:ルーテシア)と密接な関係にある3代目キューブは、日本以外でも初めて販売された世代だ。風変わりなものが好きな人なら間違いなく購入を検討すべきものだった。日産のマーケティング担当者は、機能よりもフォルムを重視した。この戦略は、レトロスタイルのフィアット500やフォルクスワーゲン・ビートルといった成功例に裏打ちされたものだ。
難点:確かにかわいいけれども、キューブには問題があった。サンバイザーやヘッドライト、ドアミラーの操作部に手が届きにくく、「完璧」な視界が得られるというPRも明らかに的外れだった。また、風を受けやすい車体形状は、燃費やCO2排出量に悪影響を与える。欧州では発売後すぐに、米国ではやや遅れて、販売不振のため廃止となった。欧州の場合、日産はユーロと円の不利な為替レートを撤退理由にあげようとした。
最終評価:迷車
ピールP50
美点:ピールP50は一般に、生産された中で最も小さな乗用車であり、マン島で生産された数少ないクルマの1つであると言われている。このような特徴は、P50における大きな魅力となった。
難点:批判的に見ると、うるさいし、遅いし、臭いし、リバースギアがないため狭い場所では手押しで操作しなければならない。大型トラックやバス、普通の乗用車、あるいは自転車より重いクルマと一緒に市街地を走るのは、危険としか言いようがない。ただし、これは他のマイクロカーにも言えることである。
最終評価:預かり
プジョー1007
美点:1007は、間違いなく独創的なクルマである。ボディはベースとなった206よりも短いが、実用的な小型MPVであり、その最大の特徴はスライドドアであった。ドアは電動式で、人の腕などの障害物を感知すると、自動的に閉まらなくなるように設計されている。
難点:実際に使ってみると、必ずしも意図したとおりにドアの安全機構が働くとは限らず、非常に痛い思いをすることもある。値段も高いし、前席のシートベルトが後ろのほうにあるので、背の高い人でも手が届きにくい。また、タイヤ交換時にドアを閉めずにジャッキアップするとどうなるか……という恐ろしい話もあった。1007のスライドドアは、サイズの割に非常に重い。
最終評価:迷車
プリムス・プロウラー
美点:プロウラーは、今世紀におけるクライスラーのレトロスタイルの市販車の中で、おそらく最も先鋭的なクルマである。1930年代のホットロッドのようなデザインで、1290kgという驚異的な軽さを誇っていた。
難点:プロウラーは、ホットロッドらしい大排気量V8エンジンではなく、3.5L V6エンジンを採用したことで残念がられた。とはいえ、実際にはV6でもまずまずの性能を発揮しており、特に1999年モデルでは253psに強化された。視界が悪く、実用性がほとんどないという不満はもっともだが、それはこのクルマの本質を見誤っている。
最終評価:名車
ポンティアック・アズテック
美点:アズテックは、広くて実用的なミドルサイズ・クロスオーバーであり、現在の米国の道路で日常的に見られる「ソフトローダー」の先駆けであったと言える。求められるものに対し、しっかりと応えた。問題なし。見るべきものは何もない。さあ、次へ。
難点:いやぁ、でもやっぱり見てほしい。フィアット・ムルティプラは奇妙なデザインだったが、アズテックはもう「ギョッ」とするような形だ。中身は同じでも、見た目がいくぶんかマシなビュイック・ランデブーに打ちのめされたのは偶然ではないだろう。また、自動車ブランドの衰退を1つのモデルのせいにするのは難しいが、ポンティアックはアズテックが登場するまで74年間存続した歴史ある銘柄だ。しかし、アズテックの生産終了後はわずか3年間しか存続しなかった。
最終評価:迷車
ポンティアック・フィエロ
美点:フィエロは、80年代のポンティアックが製造したクルマとしては珍しく刺激的なタイプだった。スペースフレームシャシーとプラスチック製のボディパネルを備えた2シーターのミドエンジン車である。エンジンは2.5Lのアイアンデュークを搭載していたが、2年目には2.8L V6が追加された。
難点:魅力的なスポーツカーに見えたが、低予算での開発、速さとハンドリングの欠如、輸入スポーツカーとの競争の激化、エンジンブローの直後に発火する傾向(初期)などの弊害があった。当初は好調だった販売もやがて落ち込み、わずか5年で幕を閉じた。
最終評価:迷車
リライアント・ロビン
美点:リライアントは三輪車の設計とグラスファイバー製ボディの製造に非常に秀でていた。ロビンは、これらの専門分野が融合した最も有名な例であろう。決してエキサイティングなクルマではなかったが、安価で経済的、かつ実用的だった。初代が1973年から1981年まで、2代目が1989年から2001年まで、2世代にわたって生産された。
難点:ロビンのようにフロントに一輪、リアに二輪のクルマは、逆配置のものに比べて安定性に欠ける。ロビンが横転する映像を見たことがある人は多いと思うが、このような事故は実際にはみんなが思っているよりずっと少ないのである。
最終評価:名車
ルノー・アヴァンタイム
美点:アヴァンタイムほど、20世紀末のルノーの大胆なデザイン哲学を象徴するクルマは他にない。高級車、クーペ、MPVを組み合わせたもので、当時販売されていたどの乗用車ともまったく異なる外観を持つ。製造したのはマトラだ。
難点:2001年に発売されたアヴァンタイムは大きな話題を呼んだが、その後2年間で実際に購入した人は9000人に満たなかった。あまりの売れ行きの悪さに、マトラはもう自動車ビジネスはこりごりだと考え、他の事業に乗り換えた。ルノーは、この特異なクルマの生産を独自に続けることも可能だったが、そこまでの手間をかける価値がないと判断した。
最終評価:迷車
ルノー・ドーフィン
美点:ルノーは1950年代にぴったりな小型の欧州車、ドーフィンを作り上げた。フランスで絶大な人気を誇り、他の多くの国でも支持され(しばしば現地で生産された)、特に米国ではすぐにヒットした。北米市場におけるルノーの市場シェアは急上昇し、わずか4年で400万台を生産し、それまでの記録を塗り替えることに成功した。
難点:米国での成功は長くは続かなかった。ドーフィンは耐久性が低いとして評判になり、北米大陸で求められる走行距離にはうまく対応できなかった。ルノーは販売台数も収入も激減し、倒産寸前まで追い込まれたが、他国での人気に助けられ、1967年までドーフィンを存続させることができた。
最終評価:名車
ローバー75
美点:長い低迷期を経て、ローバーはついに輝かしい75をリリースした。そのレトロなスタイリングは一部から批判されたが、丁寧に作られた上級車であることは明らかで、自動車専門誌ではおおむね好評を博した。その後、いくつか新しい派生が登場するも、初期の印象を塗り替えるような出来事は起こらなかった。
難点:1998年10月の公式発表の際、当時ローバーを所有していたBMWのトップ、ベルント・ピシェッツリーダー氏(1948年生まれ)はプロモーションをほとんど行わず、生産性の問題や英国政府のサポート不足に不満を漏らしていた。ピシェッツリーダー氏の言うことはもっともだが、ローバーも同氏も1年半でBMWから姿を消した。75に非はなく、ローバーという会社自体が2005年に破綻したことで、史上最高のモデルになり得たもしれない75も一緒に消滅したのである。
最終評価:名車
ローバーSD1
美点:SD1は、「Auntie Rover(ローバーおばさん)」という揶揄にも似たニックネームを一蹴した。1976年に登場した量販車としては、少し古いフェラーリ・デイトナのような非凡な外観を持っている。中身は平凡だったが、定評ある3.5L V8エンジンはSD1に最適なパワートレインだった。
難点:生産開始当初は、経営陣と従業員の対立によるストライキで、何度も生産が中断された。また、粗悪車として知られるようになったことも問題だった。このようなことから、SD1は決して成功作とは言えない。メモリアルな1台だが、もっと良いクルマにできたはずだ。
最終評価:預かり
サンヨン・ロディウス(初代)
美点:ロディウスは7人乗りの巨大なMPVで、3000Lを超えるラゲッジ容量を誇っている。その実用性は折り紙付きで、贅沢しなければフォード・フィエスタの上級グレードとほぼ同程度の価格で手に入れることができた。
難点:このような低価格では、洗練されたデザイン、高品質のインテリア、安全装備などは期待できない。しかし、ロディウスに対する批判のほとんどは、その奇抜な外観に向けられたものであった。このデザインを担当した英国人デザイナー、ケン・グリーンリー氏は、サンヨン(双竜自動車)の母国である韓国では理にかなっていると述べたが、すなわち他の地域では言わずもがなである。発売から4年後の2008年に行われたマイナーチェンジもあまり効果的ではなかったが、広くて安いクルマが必要な人にとって、見た目はほとんど問題にならない。
最終評価:預かり
スバル360
美点:スバルは、日本の軽自動車規格の中で、2ストロークのリアエンジン車360を開発した。1958年に発売され、1971年まで販売されるほど人気があった。「名車」という言葉は慎重に使うべきが、スバル360は日本の自動車史に残る名車と言えるだろう。
難点:もし、各関係機関が「迷車」のカテゴリーを設けていたら、360はノーベル賞やオリンピックの金メダル、そして聖人の称号を獲得していたかもしれない。海外の輸入代理店でさえ、このクルマを「安くて醜い」と宣伝せざるを得なかった。ある辛口のレビューには、360のすべてを批判し、「スバルから降り、ドアをバタンと閉めて立ち去るのは快感だった」という辛辣な一文が含まれている。
最終評価:迷車
トラバントP601
美点:P601は、最も長寿かつ最も有名なトラバントであり、1960年代初頭(まだ古くはなかった時代)から1990年(時代遅れ)まで、ずっと生産され続けたのである。共産主義の支配下にあった東ドイツの一般市民が購入できる数少ない乗用車の1つであり、非常にシンプルであったため、故障しても比較的簡単に直すことができた。
難点:それはともかく、「トラビ(トラバントの愛称)」は少なくとも1970年代以降の基準ではひどいクルマと言わざるを得ない。同時期に国境を越えた西側で生産されていたフォルクスワーゲン・ポロと比較する価値さえない。
最終評価:迷車
トライアンフ・スタッグ
美点:デザイナーのジョバンニ・ミケロッティ氏(1921-1980)の協力のもと、トライアンフは1970年代に美しいクルマをいくつも生み出していた。その1つであるスタッグは、発売から半世紀以上たった今でも美しく見える。フルーティーな3.0L V8エンジンを採用し、当時は良いパワートレインだと思われたに違いない。
難点:問題は、このエンジンが悲惨なほど信頼性に欠けることだった。あるトライアンフディーラーの元従業員によると、エンジントラブルを訴える人が来た場合、修理代が新車購入価格の半分以上になるかもしれないと、落ち込んでいるオーナーに説明しなければならなかったそうだ。近年、丁寧にリビルトされ、メンテナンスされた個体がトラブルのない走りを見せているという事実のみが、スタッグを取り返しのつかない迷車と表現することを阻んでいる。
最終評価:預かり
トライアンフTR7
美点:10万台以上の販売台数を記録したTR7は、トライアンフのTRスポーツカーシリーズの中で最も成功したモデルだ。ほとんどのバージョンは4気筒エンジンを搭載するが、一部のバージョン(北米でのみ販売され、TR8として知られる)は、理想的なマッチングとされた3.5LのローバーV8エンジンを搭載している。
難点:ウェッジシェイプの全盛期にあって、TR7の外観は際立っていたが、このデザインは視認性を高めるものではなかった。そして開発の遅れ、品質問題、労働争議が、このクルマの名声をさらに削いでいった。TR7はまた、トライアンフが自社で設計した最後のモデルでもある(少し後のアクレイムは、ホンダ・バラードを改良したもの)。もし、TR7がさまざまな側面でもっと優れていたら、トライアンフはもっと長い間生き残っていたかもしれない。
最終評価:迷車
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みんなのコメント
そのレビューもたいていは数日間(下手すると数時間)だけ乗って書かれたもの。
実際に買って乗り続けた人の評価とは全然違うものだろう。
ま、同じ車でも買った人それぞれ違う評価になるんだけどね。