2021年11月5日、欧州でトヨタのコンパクトアーバンクロスオーバー「アイゴX」(アイゴクロス)が発表された。日本では馴染みの薄いアイゴだが、欧州では人気の高いAセグメントコンパクトハッチバックである。アイゴをフルモデルチェンジし、SUV化したものが、アイゴXだ。
3月17日にプロトタイプの「アイゴプロローグ」を発表してから約8か月、多くの注目を集めたクルマがベールを脱ぐ。本稿では、アイゴXの魅力をお伝えしながら、日本市場への導入可能性などを考えていく。
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文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
[gallink]
■かつてはプジョー・シトロエンとも兄弟だったアイゴ
先代のコンパクトハッチバックとは大きく様変わりし、クロスオーバーSUVとなったトヨタ アイゴX(アイゴクロス)
欧州での市場拡大を模索したトヨタは、欧州にAセグメントモデルを投入するため、グループPSA(プジョー・シトロエン等の多国籍企業)と、合弁会社TPCAを設立した。そしてプジョー 107・シトロエン C1の兄弟車となるアイゴが誕生する。
全長3.5m以下のコンパクトなボディに1.0L直列3気筒エンジンを搭載するアイゴは、ヤリスよりも小さなハッチバックだ。2005年に初代モデルが登場し、現在は2代目が欧州の道を、数多く走っている。
このアイゴの実質的な3代目となるが、アイゴXだ。先代のコンパクトハッチバックとは大きく様相を変え、魅力的なクロスオーバーSUVとなったアイゴXを、詳しく見ていこう。
■日常の足に「ちょうどいい」SUVとなった新型アイゴの実力は?
欧州Aセグメントで唯一のSUVとなるアイゴXは全長3700mm×全幅1740mm×全高1525mmと、ヤリスクロスよりもさらに小さいSUVとなる
欧州Aセグメント(※編注:フィアット 500などが該当する小型モデルの車格)で唯一のクロスオーバー車となるアイゴX。GA-Bプラットフォームを採用し、ヤリスクロスよりも、さらに小さいSUVとなっている。
ボディサイズは全長3700mm×全幅1740mm×全高1525mmだ。フロントオーバーハングはヤリスより72mm小さく、最小回転半径4.7mを実現する。国産車では、スズキのクロスビーに雰囲気が似ている。
現行のパッソの大きさにも近い。最低地上高を高くしたパッソと考えるとイメージしやすいのではないだろうか。
パワートレインには1.0L直列3気筒エンジンとS-CVTか5速MTが組み合わされる。
ホイールベースの延長と全幅の拡大により、アイゴでは少々手狭だった室内スペースを大幅に改善した。前席のショルダースペースは45mm拡大、ラゲッジスペースも大きくなり、荷室長は125mm長くなっている。
コンパクトなボディながら、SUVらしく迫力のあるタイヤを装着するのも特徴的だ。タイヤサイズは175/65R17もしくは175/60R18となる。充分な大きさのタイヤホイールに、堅牢なサスペンションが相まって、ロールの少ない安定した走りが期待できるだろう。
Toyota Safety Senceを装備し、予防安全機能は充分だ。オプション設定となるが、格納式のキャンパストップも備え、おしゃれ度も高い。
先代のアイゴの面影は薄く、新型のコンパクトSUVと言ってもいいアイゴX。2022年に欧州で発売を予定している。
■日本導入の可能性は薄い? 国内では苦しい立場のAセグメント車
大胆な2トーンの配色がスタイリッシュなトヨタ アイゴX(チリ)
スタイリッシュなエクステリアデザインと、必要充分な動力性能が魅力的に映るアイゴXの日本発売はあるのだろうか。
トヨタラインナップのなかでは古株となる、パッソとの交代劇が魅力的だと筆者は考える。しかし、現実問題としてアイゴXを日本に導入しても、爆発的な人気が出るとは考えにくい。
軽自動車の枠組みがある日本では、0.66L以上1.0L以下のエンジンを搭載したクルマの旨みが薄い。多少手狭でエンジンが小さくても、税制上有利な軽自動車を選ぶユーザーが圧倒的に多いのだ。軽にもSUVは多くあり、あえてAセグメントSUVを選ばなければならない理由も見つからない。
明確な需要が見いだせないまま、アイゴXが属するAセグメントのクルマは、不発に終わることが多いのだ。かつてトヨタが導入したiQも、マイクロカーとして世界を驚かせる実力を持っていたが、軽自動車には太刀打ちできなかった。
また、筆者が販売の現場に立っていた頃、商談や雑談の中で「アイゴ」の話題はほとんど聞いたことがない。海外専用モデルでも、タコマ・シエナなどの話は多く、導入を待ち焦がれるユーザーがいるのだが、アイゴへの興味関心は薄いのが実情だ。
アイゴにとって、今の日本では、視線が冷たく感じられると思う。悠々と欧州の道を走ってもらうほうが、アイゴにとっても幸せなはずである。
* * *
現在、日本国内ではAセグメント車への需要は小さく、軽自動車の方がポピュラーな存在だ。しかし、今後、環境対策としてクルマのダウンサイジング、さらには電動化が進んでいき、軽自動車という枠がなくなることがあれば、Aセグメント車がメジャーになっていく可能性は、充分にあるだろう。
アイゴのEVモデルが作られて、日本導入されるようになると、面白い存在になるのではないかと、筆者は思う。ヤリスよりも小さい、魅力的なクルマがトヨタにはあることを、記憶の片隅に置いておいてほしい。
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破格の優遇と引き換えにイビツな規格のなかでの開発を繰り広げさせた結果、世界には全く通用しないゲテモノみたいな軽自動車商品群が、まともな超小型の存在を排除してしまった。
ヨーロッパ的だ