メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1イタリアGPでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と接触した際、自身の安否を確認せずにその場を立ち去ったフェルスタッペンに驚きを示していた。しかしフェルスタッペンはこの件について反論。自分を批判する人間は「偽善者」だと語った。
ハミルトンの発言に端を発するこの論争に関しては、賛否両論となっている。イギリスGPで両者が接触した際には、クラッシュしたフェルスタッペンが病院でメディカルチェックを受けている間に自らの勝利を祝っていたハミルトンが批判の対象となっていた。
■ハミルトン、自身の安否を気にせず立ち去ったフェルスタッペンには「驚いた」
フェルスタッペンはイタリアでの一件について、自身が悪いことをしたという根拠はないと考えている。というのも、彼はハミルトンがマシンに乗ったままグラベルから脱出しようとしていたことを確認し、無事であることが分かっていたというのだ。
またフェルスタッペンは、ハミルトンが事故の翌日に飛行機に乗り、ニューヨークで行なわれたファッションの祭典『Met Gala』に参加したことも、ハミルトンが無事であった根拠のひとつであると考えている。
「世界にはたくさんの偽善者がいる、それは確かなことだ」
フェルスタッペンは自身に寄せられている批判についてそう語った。
「僕はマシンから飛び降りて、(ハミルトンのマシンがある)左側を見た。彼はリバースギヤに入れ、ステアリングを動かし、(覆い被さった)僕のマシンから脱出しようとしていた。それを見て僕は、彼は間違いなく彼が無事だと思った」
「そして月曜から火曜にかけて彼がアメリカに飛んだのも、体調が良くなければできないことだ。だから既にその時点で全てが落ち着いていたと思う」
フェルスタッペンは件の事故に関する責任を問われ、ロシアGPでの3グリッド降格ペナルティを科された。帰宅後にこの処分を知ったというフェルスタッペンは、その裁定に納得がいっていないことを伺わせたが、前を向いてベストを尽くすしかないと述べた。
「3グリッド降格ペナルティだと聞いて少し驚いた。でも結局、それは彼ら(スチュワード)の決めることだ。僕がそれに同意する必要はない」
「もちろん、僕には僕なりの見解がある。でも、僕たちはとにかく前を向いてベストを尽くすしかない。もちろん理想的ではないけど、世界が終わった訳ではない」
今季既に2度接触しているフェルスタッペンとハミルトン。ふたりのタイトル争いが佳境に差し掛かるにつれ、再び接触する可能性が高まるのではないかと指摘されているが、フェルスタッペンは事態がエスカレートする心配はないと語った。
「僕としては、そういうことはないと思っている」
「僕自身は冷静だ。むしろこのことについて質問をされることの方が多い」
「僕たちはプロフェッショナルだから、モンツァのことは一旦忘れて、ソチとその後のレースでも引き続き頑張っていくよ」
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