メルセデス・ベンツの新型Cクラスに試乗した今尾直樹が感じたこと・思ったこととは?
時の流れは速い!
新型ホンダ・ダックス125登場!──“ダックスホンダ”の再来だ!
メルセデス・ベンツ日本が2021年6月に発表した新型Cクラスの、いちばん売れ筋のモデルがこちらのC200アヴァンギャルドである。試乗したのが師走半ばで、小雨が降っていて、道路はけっこう混んでいた。今回はごくフツーに都内と首都高速を少々走ってみての、ショート・インプレッションであることをお断りしておきたい。
でもって、走りはじめてすぐ、筆者はあることを感じました。それはなんでしょう? と、最近のテレビの構成でよくあるのをマネしてみました。
チッチッチッチッチッ……。
新型Cクラスの特徴は、先代よりホイールベースが25mmのびて、ボディがちょっぴり大きくなったこと。C200は1.5リッターの4気筒DOHCターボにISG(Integrated Starter Generator)を組み合わせたマイルド・ハイブリッド(MHEV)になったこと。そして、オプションでリア・アクスル・ステアリングが装着できるようになり、試乗車にはそれがついていた、ということである。さらに試乗車はオプション装着のAMGラインで、ホイール&タイヤが18インチ仕様だったことも輪をかけている。
チッチッチッチッチッ。さあ、お答えください。筆者が感じたあることとは?
ビビーッ。正解は、時間の流れが速い……と、思ったのです。たとえば、Cクラスの元祖の190とかと較べたら、もうぜんぜん。それはそうである。190(W201)は1982年デビューである。ということは今年40周年。40年も前のクルマと較べたら、時間の流れが速く感じるのも当たり前。つーか、筆者自身がトシをとった、ということもあるかもしれないですね、いま気づいたけど。
で、190とどこが違うのだろう? と、もうちょっと考えたら、このクルマ、反応がめちゃんこ速いのだ。たぶん先代Cクラスよりもさらに。それも、デジタルに、スマホとかPCのように、ステアリングもアクセルもスッと反応する。それでいて、不安感は微塵もない。そこがメルセデスのメルセデスたるゆえん、ということになるけれど、筆者の解釈によれば、ISGとリア・アクスル・ステアリングによって、21世紀の、それもアスリートっぽい反応速度がつくられているのである、少なくとも今回の試乗車、新型C200アヴァンギャルドのAMGラインは。
ひらたくいうと、これはスポーティということだけれど、まずはISGである。先代CクラスがBSG(Belt driven Starter Generator)というベルト駆動のスターター兼ジェネレーターのだったのに対し、新型のISGはエンジンと9速ATの間にはさみ込まれている。12VのBSGより48Vのこちらは、よりもパワフルで、しかも横っちょからベルト駆動で助太刀するのではなくて、プロペラシャフトと同軸上にあるから、より効率的で、より瞬時にブーストが効く。
エネルギー回生で蓄電し、内燃機関が苦手とする高負荷時にはパワーをアシストすることで燃費低減に寄与するだけでなく、エンジン再始動際の振動と、変速ショックの低減にも効果があるとされる。ドライバーの感覚としても、9枚もギアが刻まれているということもあるにせよ、ATの変速ショックは皆無だし、街中の渋滞でアイドリング・ストップと再始動を繰り返しても、まったく気にならない。
1.5リッターの4気筒直噴エンジンは、NANOSLIDE(ナノスライド)というF1エンジン由来のコーティングをシリンダーに施し、ツイン・スクロール・ターボを採用したりして、最高出力204psと最大トルク300Nmを発揮する。エンジン単体としても高性能で、それプラス、15kW、およそ20psと200Nmのパワー&トルクのISGが必要に応じてブースターとして働いている。
なので、1.5リッター・ターボのガソリン・エンジンだったらトルクが薄く感じるかもしれない低速からの加速とかの場面でも穴がない。それでいて、アクセルを全開にすると、グオオオオオオッという、スポーティといってよいメカニカル・サウンドを控えめに発して、十分な加速を披露する。
ホンダ・プレリュードを思い出す
それと、リア・アクスル・ステアリングである。現行「Sクラス」の国内仕様に全車標準で採用されているこれは、後輪を60km/h以上では前輪と同方向に、60km/h以下では逆方向に、車載センサーが最適値を自動的に判断して操舵する、いわゆる“4WS”である。これにより高速では安定性を高め、低速では駐車場等の取りまわしをよくすることが狙いだ。Sクラスはホイールベース3105mm、全長5180mmという巨体ゆえ、同方向では4.5°、逆方向では10°も変化する。
新型Cクラスの場合は、大きくなったとはいえ、ホイールベース2865mm、全長4785mmなので、60km/hを境にそれぞれ最大2.5°、後輪が操舵される。
このおかげもあるのだろう。ステアリングは超クイックで、妙にスイスイ走る。60km/h以上での走行は違和感がなかったけれど、一般道の交差点等で左に切ったときにはお尻をヒョイと持ち上げられて右に、右に切ったときには左にヒョイと、90°ぐらい一瞬にして動く感覚がある。1980年代のホンダ「プレリュード」の4WSを筆者は思い出してしまった。
あの頃、ホンダだけだけではなくて、日本の自動車メーカーは4WSに夢中だった。その目的はスポーティなハンドリングを得るためだった……。
メルセデス・ベンツはなぜ新型Cクラスに後輪操舵を、オプションとはいえ、設定したのか?
それは、老人が好むような落ち着いたクルマはつくらないことに決めているからだ。と、筆者は考えている。
新しきを知れば、新しい世界が開ける
では、ここで問題です。メルセデス・ベンツがCクラスの元祖、190がきっかけになって起きてしまった、自動車メーカーにとって死活的なある大問題とはなんでしょう?
ピッピッピッピッピッ。
お答えください。ユーザーの平均年齢が高くなること? 正解です!
新型C200アヴァンギャルドは、いまのところ、日本市場ではいちばんベーシックなCクラスだというのに、現代のアスリートみたいにインテリジェントで、若々しい。乗り心地も、ちょっと硬めで、スポーティなドライビング・フィールを提供する。内外装のデザインはSクラスを思わせ、その点は現代の190ともいえるけれど、現代のSクラス自体、老熟を拒否している。
本文中に筆者がしばしば用いた「違和感がある」というフレーズは、つまり、未経験の、新しいモノだからである。違和感を拒否するなかれ。新しきを知れば、新しい世界が開ける。という警句のようなことばは、自分に向けて書きました。
最新のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)とか、こんな感じです。
はーい、メルセデス。
「どうぞ、お話しください」
近くのファミリーレストランを教えてください。
「結果を表示します。目的地はどこですか?」
MBUXがスクリーンに提示した候補のなかからタッチして選ぶ。
「一般道を通るルートです。実際の交通規制に従ってください」
このように、未知のファミレスを簡単に検索してくれる。
はーい、メルセデス。
「どうぞ、お話しください」
あなたの誕生日はいつですか?
「車検証に書いてあったりしませんか?」
はーい、メルセデス。
「どうぞ、お話しください」
星新一の『ボッコちゃん』よりスゴイ。
文・今尾直樹 写真・安井宏充(Weekend.)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ついにその瞬間がやってきた!!!!! シビックベースの70年代風GTカー[ミツオカM55]が限定100台800万円で販売!!!!! 即売必至か?
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
トヨタの「高級スポーティミニバン」がスゴい! 「走りが楽しい」反響多数!? 王道「アルファード」と異なる「個性」に注目! ヴェルは何が違う?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
水道代がかからないしエコだからって「井戸水」「雨水」洗車はNG! キレイにならないどころか塗装を傷める可能性もあった
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント