欧州で堅調に売れているC5 エアクロス
フランス製のファミリーSUV、シトロエンC5 エアクロスがマイナーチェンジを受けた。内容は限定的で、お化粧直し程度ではある。それでも、欧州で堅調な支持を集める理由にもうなずける、実力は保たれている。
【画像】オシャレな実力派 シトロエンC5 エアクロス 欧州で競合するクロスオーバーと比較 全111枚
COVID-19やウクライナ危機など、自動車業界にとっても逆風が強い昨今だが、中型SUV市場は順調に伸びている。C5 エアクロスも、確かな需要に支えられてきた。
マイナーチェンジ前で、32万5000台が世界中の人々へ届けられている。そのうち、24万5000台は欧州市場の各国だという。それだけの人気を集めるモデルがゆえに、あえて大きな手は加えられなかったのだろう。
2022年仕様のC5 エアクロスを観察してみると、フロントグリルとヘッドライト、バンパーなどのデザインが改められ、顔立ちが凛々しくなったのがわかる。クロスオーバーらしい、スキッドプレートの造形にも手が加えられた。
ボディサイドでは、新デザインのアルミホイールを選べるようになった。リアへ回ってみると、立体的に見えるLEDテールライトが新しい。ボディカラーも選択肢が増えている。その結果、従来より注目度も高まったといえる。
感心するのが、しっかり雰囲気をリフレッシュしつつ、ボディパネルの成形型に変更がないこと。基本的なスタイリングは、従来から変わっていない。
上質さを増した利便性に優れる車内
インテリアの変化はボディより大きく、ダッシュボード上部に10.0インチのインフォテンイメント用タッチモニターが据えられた。シフトセレクターは小さなスイッチ状のものになり、センターコンソールへ埋め込まれている。
内装の素材自体も、プレミアム感を高めるために上質なものへ置き換わっている。肉厚で掛け心地の良いシートはクッション材も新しくなり、横方向のサポートが乏しいものの、ソファーのように身体を支持してくれる。
インテリアデザインは、C5 エアクロスのストロングポイント。傷の付きやすそうなプラスティックが低い位置へ用いられているが、高級な雰囲気も漂っている。
インフォテインメント・システムは反応がよく、グラフィックも高精細。ただしエアコンを操作するために、サブメニューを掘り下げる必要があるのは改善を求めたい。運転中の調整は難しい。
車内空間の広さにも、マイナーチェンジ前と大きな違いはない。フラットなフロアで広々としており、実用性に優れたSUVだといえる。小物入れの数も多い。
3名がけのリアシート側にもゆとりがあり、個別に前後スライドとリクライニングが可能。左右の2席には、ISO FIX対応のチャイルドシート・ブラケットも備わる。
荷室容量は、ガソリンとディーゼルなら580Lと広々。PHEVではフロアが高くなり460Lへ小さくなるものの、充電ケーブル用の収納も準備され便利だ。
ストレスフリーに運転できる快適性
英国仕様の場合、トリムグレードがマイナーチェンジにあわせて変更されている。エントリーグレードがセンス・プラス、充実装備のミドルグレードがシャイン、フル装備状態のトップグレードがCシリーズ・エディションという構成になる。
パワートレインやシャシーの内容は基本的に変わらずで、ドライブフィールに従来のC5 エアクロスとの大きな違いは見つけられない。エキサイティングな走りではなく、扱いやすく快適という本質的な個性も、そのまま。
ファミリーSUVとして日常的な乗られ方を想像すると、多くの人にとって相性の良いモデルだといえる。買い物のほか、会社や学校、駅までの往復にピッタリだろう。
ステアリングが軽く、感触が薄いことも同じ。かなり路面の傷んだコーナーを攻め込んで、手のひらへ僅かに伝わる程度。限界領域ではアンダーステアが出て外へ流れるが、グリップ力はかなり高く、ボディロールも驚くほど抑制されている。
穏やかな気持ちで運転すれば、柔らかいサスペンションで支えるボディが心地よく同乗者を運んでくれる。ドライバーも、ストレスフリーで過ごせる。ダブルシェブロンへの期待通り、フランスの凹凸が目立つ路面を、浮かぶように流れていた。
ただし鋭い入力がタイヤへ加わると、プログレッシブ油圧クッションとシトロエンが呼ぶバンプストップを突き抜けて、振動が車内へ届く。路面にツギハギの多い都市部では、不快に思うこともあるかもしれない。
候補に加えたい実力のファミリーSUV
今回の試乗では、130psの1.2Lガソリンターボと、225psのガソリン・プラグイン・ハイブリッド(PHEV)を運転した。ほかに、130psのディーゼルターボも英国では用意されている。
1.2Lガソリンは、余裕までは感じないものの、不満なく走り洗練性も悪くない。PHEVなら、活発な加速力を引き出せる。駆動用バッテリーだけで最長61km走れ、最高135km/hまで出すことも可能だという。エンジンとのバトンタッチも滑らかだった。
トランスミッションは、スムーズにゆったりと変速をこなす8速オートマティックがモデルの共通。ガソリンとディーゼルでは、6速マニュアルも選択できる。
マイナーチェンジ前と同様に、C5 エアクロスは走りにこだわりを持つドライバーが喜ぶタイプのクロスオーバーではない。乗り心地は、理想的な落ち着きとまではいえず、パワートレインも平均点止まりではある。
しかし、個性的なスタイリングと優れた実用性、快適で穏やかな個性などに注目するなら、候補に加えたいモデルといえる。英国価格も、2万6175ポンド(約426万円)からとお手頃だ。
毎日のクルマ移動を安楽にこなせるファミリーSUVとして、魅力や実力は充分以上。フェイスリフト後も、人気を維持するに違いない。
シトロエンC5 エアクロ・スシャイン・ピュアテック 130 EAT8(欧州仕様)のスペック
英国価格:2万9400ポンド(約479万円/試乗車)
全長:4500mm
全幅:1840mm
全高:1689mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:10.3秒
燃費:13.7-16.5km/L
CO2排出量:147-166g/km
車両重量:1430kg
パワートレイン:直列4気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:129ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:8速オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
「タイヤの摩耗が早い」「買い取り価格は期待できない」EVにまつわる巷のウワサ6つの真実
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
水道代がかからないしエコだからって「井戸水」「雨水」洗車はNG! キレイにならないどころか塗装を傷める可能性もあった
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント