この記事をまとめると
■タクシードライバーの出勤日のルーティーンについて解説
「タコメーター」じゃない「タコグラフ」って何? トラックやタクシーに装着されるワケ
■時間ごとに流す場所を決めている乗務員が多い
■コロナ禍を経て状況は変化している
時間ごとに流す場所を決めているドライバーが多い
タクシー乗務員の勤務形態のメインは隔日勤務となる。朝に車庫を出たあと、休憩時間はあるものの、約20時間乗務して翌日未明に車庫に戻ることになる。かなりの長時間乗務となるので、乗務員個々でそれぞれルーティーンというか、時間ごとに流す場所を決めていることが多い。
たとえば、朝早い時間に車庫を出る乗務員のなかには、東京都内ならば羽田空港までタクシーを利用するお客を狙う人もいる。板橋区や北区などは比較的タクシー会社の営業所が多いのだが、車庫を出て山手通りを流すと道路端で旅行用スーツケースを持ってタクシーが来るのを待っている人がいることが意外に多いと聞いたことがある。
また、車庫を出たら“回送”表示にしてまず新宿歌舞伎町に向かうといった乗務員の話を聞いたことがある。コロナ禍となったいまではあまり期待できないが、コロナ禍前ならば朝まで飲み明かした酔客を狙っての動きとのことであった。朝9時すぎぐらいに、ホストクラブが軒を連ねるところを流すという話も聞いたことがある。一般的な居酒屋などの飲食店より閉店時間が遅く、その時間に流すと酔ったお客を抱えタクシーを探すホストに出くわすことが多いとのことであった。
朝車庫を出たら、まず東京23区及び武蔵野・三鷹市エリアのタクシーは都心を目指して運転するケースがほとんどとなる。しかも、どの通りを使って都心へ向かうのかも、乗務員個々でこだわりがあるようだ。道路下に地下鉄が走っている通りを避けるのが常道のようで、あとはそれぞれが選んだ通りを走り、都心へ出勤する人を乗せることを狙うのである。空車ではなく実車(賃走)で都心へ向かえれば上々なのである。
新宿や渋谷の繁華街へ向かう乗務員もいる。前述したように、過去には朝まで飲み明かした人も多いのだが、渋谷あたりではライブハウスで演奏したあとの重い楽器を持ったバンドメンバーなどの利用も期待できるからである。また足立区など下町エリアに営業所がある場合は、江東区などのベイエリアへ真っ先にタクシーを向ける乗務員も多い。いわゆるタワマン(タワーマンション)が林立する地域を狙うのだが、工場跡地などに建っていることも多く、最寄り公共輸送機関が路線バスしかないという少々不便な立地のタワマンも多い。そのようなタワマンでは、住民用に近隣の鉄道駅などまで住民用のシャトルバスを用意していることもあるのだが、同じ住民でも高層階に住むような富裕層はドイツ車などの輸入車で職場に向かうことが多く、世間体を気にしてシャトルバスを利用する住民は少ないようだ。歩いて近くの路線バスのバス停をめざすケースもあるが、見栄を張り自分のマンション前でタクシーを利用する住民も目立ち、朝は入れ食い状態になる地域もあると聞いている。
日中は“千代田、中央、港区を流せ”という昔からの教えのようなものがある。サラリーマンや富裕層の利用が多い地区というのがその理由。いわゆる下町地区など、前述した区以外と比べると、圧倒的に利用客が多く存在するのである。証券取引所や証券会社の多い兜町での利用が増えると、景気が良くなってきたなと感じるといった乗務員の話を聞いたことがある。
世田谷を制する者はタクシー業界を制す!?
夕方は会社に戻る人、帰宅する人の需要が期待できるので都心地域を流し、運賃が割り増しとなる午後10時までに休憩や燃料補給をし、割増時間(ゴールデンタイム)に備えるのも一般的な動き。その後はコロナ禍前ならばそれぞれが得意とする繁華街へ向かうのだが、コロナ禍となったいまはコロナ禍前に比べれば需要が減っており、ロング(長距離利用)客も少なく、厳しい現状が続いている。
また“世田谷を制する者はタクシー業界を制す”といわれるぐらい、世田谷区の地理に詳しいと稼ぎも多くなるとされている。世田谷区もイメージ通りに富裕層が多く住んでいるので、夜遅くなるほど都心地域からタクシーで帰宅する人が多いし、1日を通じてタクシーの利用は多い。
そのため土曜や日曜、祝祭日には車庫を出たらまず世田谷方面をめざす乗務員も多い(休日は千代田、中央、港区は需要が減る)。たとえば用賀あたりから渋谷駅までといった利用が半ば当たり前であったりして効率よく稼げるのである。
一方で、世田谷区に詳しくない乗務員から見れば、どこも同じような街風景となっているし、住宅街には一方通行など複雑な交通規制もある。そのため世田谷区をできるだけ避けて乗務できるように動く乗務員も多い。
コロナ禍を経て、現状では都内ですら乗務員数も減り、新規採用もままならないなか、タクシーの稼働台数自体が少ないので非常に回転がいい(実車走行頻度が高い)。また東京以外では、東京隣接県や大阪市内にあっては稼働しているタクシーが東京よりも少なく、電話などでの配車要請を断ることもあるほどフル回転状態となっているので、自分のルーティーンを守ろうとしても、お客に流されて(いつも流すエリアとは違うエリアへ連れていかれること)、そのまま流された場所でグルグルとお客を乗せてまわるといったことも頻発しているようだ。
最近は大手事業者や無線グループでは、タクシーの配車アプリが普及している。しかし、アプリ配車に慣れない一部のベテランドライバーがアプリ配車要請に応じないことがある一方で、若年乗務員ほどアプリに頼った運行を行っていることもある。コロナ前にはアプリ配車をこなし続けるだけで、かなり稼ぎが良かったのだが、まだそこまで需要は回復していない。
また、東京都心で営業できるタクシーに乗っているものの、都県境にある自分の営業所最寄り駅で朝から稼ぎ続ける乗務員もいる。1回あたりの利用距離は短いのだが、それが積みあがると、目立って営収(稼ぎ)は良くないのだが、1カ月トータルでみると、出番ごとに営収のデコボコが出ることもなく、平準的に営収を積み上げることで結果的にそこそこいい稼ぎになっていることが多い。まさに乗務員個々で営業スタイルが異なるといってもいいだろう。
つまり、それぞれどこを流すかというものを決めてはいるが、乗客次第で違うエリアに流されてしまうことも多い。そうなった時に、流された場所からどのように自分なりの営業スタイルに戻すか瞬時に判断できることも(どの道を走れば効率よく戻れるか)、タクシー乗務員としての優劣を分けるともいわれている。アプリの要請されるままとか、お客に流されるままにタクシーを運転していると結果的に稼ぎが悪くなることもある。お客に流され、あまり詳しくないところにポツンと残された時に、自分の決めた営業ルートへすぐに軌道修正する力が乗務員の資質としては大切なのである。
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みんなのコメント
ウソ
「一部で、こういう勤務も有る」と言うだけの話。