名前は変わってもサイズはそのまま! 取り回しの良さは変わらない
進化したSGPが走破性と走りの良さを両立する
2023年に登場する期待のスバル車第一弾として予定されている「クロストレック」。昨年の発表に際して、SUBARU XVの後継モデルとして車名が輸出仕様と同一の物へ一新された。
エクステリアデザインは一目でXVの後継とわかる佇まいだが、切れ長のヘッドランプや、大型化されたフロントグリル、随所に配された樹脂製プロテクターが新しさを感じさせる印象だ。ボディサイズも全高が+25mm、全長が+5mmと大きく変わっていないのだが、XVの魅力の一つである取り回しのしやすさを重視するユーザーも多く、モデルチェンジの度に肥大化していく他の国産車と比べて逆に好印象だ。
走って楽しい&運転がうまくなる!? モータースポーツ譲りのメーカーチューンドSUV「スバル・フォレスター STI Sport」【2022 今年のクルマこの1台】
全高で25mm、全長で5mmのサイズアップ。リヤゲートの傾斜が大きくなりリヤまわりのフォルムがシャープになった印象。 あわせて読みたい キープコンセプト? どこが違う? スバル・新型クロストレックとXVの違いをエクステリア、インテリア、サイズ、仕様で徹底比較!
2023年に発売が予定されているスバルXVの次期モデル「クロストレック」。価格やスペックなど…
プラットフォームは先代であるXVと同じSGP=SubaruGloalPlatfomだが、よりボディ剛性を向上しスタビリティの高いフルインナーフレーム構造を採用。
レヴォーグやWRX S4に採用されている最新のプラットフォームと2ピニオン電動パワーステアリングを取り入れることにより、ロードクリアランス200mmという車高のSUVながらコーナリング時の安定感や重心の低さを感じさせる。
水平対向エンジンや最新のSGPによる重心の低さは、最低地上高の高さを感じさせない。グレードはシンプルに、そして価格はほぼ据え置き!
装備は地味ながら確実に使いやすさを増している
グレードは上位グレードが「リミテッド」、ベースグレードが「ツーリング」というシンプルな2グレード構成。ツーリングでもサンルーフやアルミパッドスポーツペダルなどを除けば、様々なオプションでほぼリミテッドに近い装備になるほど充実している。
「リミテッド」が306万9000円(FF)/328万9000円(AWD)、「ツーリング」が242万円(FF)/266万2000円(AWD)となっている。※税込価格
あわせて読みたい 全グレード300万円以下! スバル・クロストレックの価格とグレードを販売店に訊いてみた! これはもう予約しちゃう!?
発売開始のアナウンスを今か今かと待ち望んでいるスバルXVの後継モデル、スバル・クロストレック…
安全面ではアイサイト ツーリングアシストが全車に標準装備。アイサイトXこそ採用されなかったものの、ツーリングアシストでは今なおトップレベルの性能を誇る運転支援システムだ。
名称こそ同じではあるが、基本機能はXVに搭載されていたツーリングアシストよりも大きく進化。従来のステレオカメラに加え、新たに広角単眼カメラを装備することで、交差点などでの歩行者や自転車の巻き込み事故、側方から接近する自転車との接触事故などの被害軽減に寄与するそうだ。
また、フルLEDハイ&ロービームランプ装着車はコーナリングランプも装備。ステアリング連動ヘッドランプが動作しないような微低速の右左折時に威力を発揮してくれる。
ステレオカメラに加え広角単眼カメラを追加。ヘッドランプはフルLED.インテリアでは飲み物を取り出しやすくした斜め配置のカップホルダーや充電用のUSB端子がType-Cへと変わるなど、細かな配慮と進化を感じさせる。
ダッシュボード形状やオプションの11.6インチセンターインフォメーションディスプレイはレヴォーグやWRX S4といった格上のモデルと統一感があり、スバル車の中では末っ子にあたるクロストレックでも上質な印象だ。クロストレックにはアイサイトXの設定がないため、社外ナビ派のユーザーにはサードパーティ製の9インチナビを装着しても、レヴォーグやWRX S4のようにアイサイトの機能や性能に差が出ない点も逆に魅力である。
レヴォーグ、WRX S4と同じ縦型のディスプレイが採用された。11.6インチの大画面だ。縦型11.6インチセンターインフォメーションディスプレイを採用。格上モデルと統一されたため高級感がある。センタートレイの上部にイヤホンジャック、タイプCとタイプAのUSB端子が1つずつ用意される。センターコンソールボックス後端にも、後席用にタイプCとタイプAのUSB端子が備わる。また、フロントシートは背骨の最も下にある仙骨を支えることで乗員の骨盤を支える構造とした全面的に新設計となったシート構造を採用。シート本体とレールの取り付け部の構造も刷新するなど、大きく進化しているのが特徴だ。
ほかにもインテリアではSUVらしく、リヤドアを開けた際に現れるサイドシルプレート一体型のステップには山をモチーフとしたテクスチャが取り入れられるなど、遊び心も演出されている。
アウトドアテイストを感じさせるサイドシルステップのテクスチャ。明るく開放感のある後席。シートは6:4分割可倒式。全面新設計となったフロントシートはシートレールも刷新。パワーユニットはe-BOXER+リニアトロニックCVTオンリー
FFモデルは軽快感とカジュアルさにコスパも魅力的
パワーユニットは全車マイルドハイブリッド方式のe-BOXERを搭載。XVに設定されていた1.6Lや2.0Lのガソリンモデルはラインアップされない。モーターアシストによる中低速域でのピックアップの良さやシティユースでの燃費を考えるとe-BOXERのみの設定というのはクロストレックのキャラクターにマッチしている。
2.0L DOHC直噴エンジン+モーターの「e-BOXER」を搭載。トランスミッションもe-BOXERとの相性も良いリニアトロニックCVTが全車標準となるが、駆動方式は新たにFFが設定されている。
SUBARU XVでは登場以来AWDのみの設定となっていたが、クロストレックではe-BOXER搭載車としても初めてのFFモデルが登場した。SUVというキャラクターを考慮するとAWDを選択したいところだが、歴代のインプレッサでも軽快感が味わえるFF仕様も魅力的であり、降雪地域へ足を運ぶことがほとんどないユーザーにはおススメだ。
全モデル2.0Lのe-BOXERで統一。トランスミッションもリニアトロニックCVTのみ。ちなみにSUBARU XVが登場する前に、3代目インプレッサ(GH型)にSUVテイストのプロテクターをはじめ、専用の内外装を装備した”インプレッサXV”というモデルが設定されていた。このモデルはXVという名前ではあるものの、最低地上高は155mmとベースのインプレッサと変わらなかったこともあり”SUV風”といった印象だった。しかし、XVの名を持つモデルでは唯一のFFが設定されており、クロストレックのFFもカジュアルにSUVテイストを味わいたい!というユーザーに”刺さる”モデルといえるだろう。
インプレッサXVは3代目インプレッサのSUVテイストモデルで初の「XV」。クロストレックのFFはこのモデル以来の設定となる。もちろんウインタースポーツなどを楽しむユーザーには本格SUV顔負けの高い走破性を誇るXモードつきのAWDモデルをおススメする!
X-MODEはノーマルの他に「SNOW/DIRT」と「DEEP SNOW/MUD」の設定を用意。悪路の走破性、登攀力は折り紙付き。X-MODEとヒルディセントで滑りやすい急傾斜を下るのも怖くない。新しいスバルの新基準となるクロストレックは、気張っていないけど性能や装備はガチ系という、カジュアルな登山靴のような存在として人気を集めそうだ。
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そして燃費の具合もほとんど変わっていない。